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アンディウォーホールの名作はBrilloよりも映画エンパイヤだな

鳥取のどこかの美術館がアンディウォーホールの立体作品Brilloを3億円で買ったと言うのでニュースネタになっている。市議会で問題になってどこに価値があるのかと言うわけだ。一般的なレベルだとウォーホールより印象派の絵画の方が素晴らしいと言うことなのであろう。

ニューヨークに暮らしていた1983年に、アンディウォーホールとジョナスめかすが制作したエンパイヤに敬意を表して、私はSohoのロフトのFire Escapeにカメラを据えてワールドトレードセンターを8時間連続して撮影した。

ジョナスめかすはアンディウォーホルとムービージャーナルの関連で知り合いだったから技術者として長回しの16ミリフィルムの撮影をしたのである。カメラはオリコン1200で何回かフィルムを交換して撮影したのだから、8時間5分の作品エンパイアは時間軸としては時間軸としては連続しているわけではないしサイレント。

30代半ばの私のマンハッタンでワールドトレードセンターを撮影するときに考えたのはアンディウォーホールのエンパイヤは時間的連続性はないしサイレントであるしモノクロである。

これに対して私の制作したワールドトレードセンターツインタワーはカラーであり同時録音のサウンドがついている。その意味で私はアンディウォーホールとジョナスめかすに偉大なクラシック映画尊敬を払っていたのだ。

この8時間ビデオは私をサポートしてくれたアッパーイーストのユダヤ人夫妻に見せて好評であったが普通の人なのでそれだけ見ると退屈するのでホームパーティーをやったのである。私の友人シーモアワインStockはセントラルパークサウスでデアドルフカメラを持ってすれ違って話をしたのが最初で、彼がニューヨークカメラクラブの副会長の関係もあり私の個展を開催してくれたである。当時ブームになり始めたSohoが面白がってものみ遊山の気分で私のロフトに来たのである。

この8時間ビデオはウースターストリートが全景でツインタワーが見えている。撮影は夕方から始まって深夜に終わると言う時間展開で、1984年のオリンパスで開催された私のマンハッタンの写真展では大型モニターで上映された。それを何時間も見ている人がいるのでこれは自分の作品に感動したのかと思って声をかけてみたら、その人は建築家であってマンハッタンの建築物の素材に興味があったので見ているのだと言うことで大笑いになった。

アンディーをホールの両親はチェコスロバキアからの移民なのである。アンディが世界的アーティストになったのでスロバキアの小さな村に立派なアンディウォーホール記念ミュージアムがある。数年前のプラハでその大きな展覧会の展示ポスターを見た記憶がある。でも今ではチェコとスロバキアは別の国になってしまったからプラハの人間はスロバキアをよく言わない。

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