佃日記抜き読み2003年2月19日
2003年2月19日 水
晴れ。天候悪化するという予報であったが、午後からすばらしい快晴。昼、仕事に出かける。カメラは変な組み合わせなので、一寸記しておくと、ニコンSPにテッサー28ミリで、これにはモノクロが入っている。リコーGR21に、エクタクローム。さらにリコーキャプリオRR30である。最初に30年前のデザインセンター時代の界隈を撮影したのが、ニコンSPで、これはアサヒカメラ用。ついで、エクタクロームでGR21は、雑誌広告用、ここまではアサイメントであると認識するのなら、RR30での撮影は、自己の視覚認識用ということなのであろうか?その辺がまだ不確かである。再度、思考を要する。
モノクロ2本、エクタクローム2本撮影。城辺橋撤去工事の看板を見る。戦前にそのまま埋め立てて川と橋を9億近く使って、撤去して道を平らにする工事というが、たかだか、30メートルの道を、80センチ低くするのに、9億はなかろうと思う。税金の無駄と思うが、逆にこれを「ランドアート」と理解すれば、なかなかの芸術だ。
芸術は、金を湯水の如く使うことにあり。
これ、文化である。看板を見ていたら、元、アサヒカメラの堀さんにひょっこり出会う。
以上は、銀座周辺の話で、有楽町線を捉えて、東池袋に行く。フィルムは予想間違いにて使い果たしたので、RR30にて撮影する。日ノ出町商店街を行く。商店街のキンキーな飾りを撮影していたら、青空に飛行機雲を引かない銀色の旅客機が、静止したように浮かんでいる。玩具の様に見える。
例の父親を先年亡くした、コロッケ屋さんに行く。オヤジさん元気。いつも「娘」を同行するので単独行動を心配される。コロッケ5、メンチ5,牡蠣フライを頼み、それがあがるまで、周辺の小路に入って撮影。
2月の春めいた明かりが、朽ち果てた街角を照明している。レンブラントライテイングでは、なく、先週の土曜に指摘されたので、これは「カタオカライテイング」という所か?
新大塚から銀座を経由して帰。
夕刻、飛行機雲が美しい。
先日、アメリカから到着のフェルンキラー600ミリにアルパを付けて、撮影を数カット。例の28本限定生産のレンズだ。
片岡義男先生より、先日の撮影行の感想のファックス届く。この間、「これは映画のセットですよ」と片岡先生が言っていた言葉の、ご自身の解析である。
街区を歩いて、そこに「映画のセット」を透視するのは、実は、マニエリズムの現代的な意味での復活ではないのか、という点に思い当たる。欧州より、500年遅れのマニエリズムは、「北東京」で開花するわけだ。
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