薬剤師国家試験109-2解答解説
109-2
SDS ポリアクリルアミドゲル
電気泳動を行った後、タンパク質の
染色に用いる最も適切な化合物はどれか。
1つ選べ。
1 ニンヒドリン
2 臭化エチジウム
3 o-フタルアルデヒド
4 フルオレセインイソチオシアネート
5 クーマシーブリリアントブルー
(クマシーブリリアントブルー)
それでは、各選択肢を順番に
見ていきましょう。
1
ニンヒドリン
α-アミノ酸とイミノ酸とニンヒドリン反応を
起こして呈色するため、アミノ酸や
ペプチドの検出に用いられますが、
タンパク質のゲル染色には
一般的には用いません。
また、ニンヒドリンは特に
ペーパークロマトグラフィー時の
アミノ酸を染色する際に使用されます。
2
臭化エチジウム(エチジウムブロマイド)
主にDNAを染色するために
用いられます。
DNAと相互作用し、
紫外線下で蛍光を発するため、
DNAの検出に適していますが、
タンパク質の染色には適していません。
3
オルトフタルアルデヒド
アミノ酸と反応して蛍光反応を示すので
主にアミノ酸分析の誘導体化に
用いられることがありますが、
SDS-PAGE後のタンパク質染色には
一般的ではありません。
4
フルオレセインイソチオシアネート(FITC)
FITCはタンパク質に共有結合で結合し、
細胞内の特定のタンパク質の位置や
動態を研究する際に使用されます。
しかし、一般的なゲル染色には
用いられません。
5
クーマシーブリリアントブルー
これがSDS-PAGE後の
タンパク質ゲル染色に最も適切です。
クーマシーブリリアントブルーは
タンパク質と結合して青色に染まるため、
ゲル内のタンパク質のバンドを
視覚化するのに広く使用されます。
したがって、選択肢5の
クーマシーブリリアントブルーが
正解です。
他の選択肢は主に他の目的
(DNA染色、アミノ酸検出、特定の
科学的研究用途)に使用される化合物で、
SDS-PAGE後のタンパク質の
一般的な染色には適していません。