アバタセプトの関節リウマチ治療効果発現の 標的分子として正しいのは、 3. CD₈₀/CD₈₆です。 解説: アバタセプトは、T細胞の活性化を 抑制します。**CD₈₀/CD₈₆**に結合し、 T細胞の共刺激シグナルを抑制します。 これにより、T細胞の過剰な活性化が 抑制され、関節リウマチの炎症反応が 抑制されます。 CD₈₀/CD₈₆は、抗原提示細胞(APC)上に存在する分子で、T細胞上のCD28と相互作用してT細胞を活性化します。アバタセプトはこの相互作用を競合的
リスペリドンが高プロラクチン血症を 引き起こす機序として正しいのは、 5. 下垂体でのドパミン D2 受容体遮断です。 解説: ドパミンは、通常、下垂体前葉の ドパミンD2受容体に作用して プロラクチンの分泌を抑制します。 しかし、リスペリドンは ドパミンD2受容体拮抗薬であるため、 この作用を遮断し、プロラクチン分泌を 抑制するドパミンの効果が失われます。 結果として、プロラクチン分泌が促進され、 高プロラクチン血症が引き起こされます。 他の選択肢と作用機序 線
自律神経節遮断薬の効果として、 正しいのはどれか。1つ選べ。 1 心拍数低下 2 散瞳 3 消化管運動促進 4 排尿促進 5 発汗促進 自律神経節遮断薬を用いると その臓器、器官を優位に支配している 自律神経の反対の作用が現れます。 例えば、心臓に注目すると、心臓は 副交感神経が優位に支配しているので 交感神経が働いた作用が現れる事で 心機能が亢進します。 薬剤師国家試験的にいうと、 交感神経が優位に支配しているのは 血管と汗腺。 それ以外の臓器や器官は副交感神
109-26 禁煙補助薬として用いられるニコチン性 アセチルコリン受容体部分刺激薬は どれか。1つ選べ。 1 シアナミド 2 ナロキソン 3 ニコチン 4 バレニクリン 5 フルマゼニル 1 シアナミド アルコール依存症の治療薬です。 肝臓のアルデヒド脱水素酵素を阻害して 飲酒時のアセトアルデヒドの分解を阻害します。 結果、少量の飲酒でもアセトアルデヒドが 蓄積して、酷い二日酔いの様な状態になるので 飲酒する気力を奪い、断酒に誘導します。 2 ナロキソン オピオ
いきなり正解から示します。 考えてからスクロールして下さい。 4番の騒音が正解です。 典型7公害では、「騒音」(36.5%)、 「大気汚染」(28.0%)、「悪臭」(20.2%)で 全体の 84.7%を占めます。 また、受付件数の減少 (対前年度比▲4,728 件)は、 「大気汚染」(同▲2,715 件)、 「騒音」(同▲1,014 件)の減少による 影響が大きいとされています。
109-24 地上部での光化学オキシダントの生成に 関与する主な非電離放射線はどれか。1つ選べ。 1 遠赤外線 2 近赤外線 3 可視光線 4 UV-A 5 UV-C 光化学オキシダントは、 窒素酸化物(NOx)と不飽和炭化水素や 揮発性有機化合物(VOC)などの 非メタン炭化水素が 太陽光由来のUV-Aにより反応して 生成される2次大気汚染物質であり、 オゾン(O3)、パーオキシアシルナイトレート(PAN)など、強い酸化力を有する。 紫外線はUV-A、UV-B、
109-23 以下の生体組織のうち、放射線に対する 感受性が最も高いのはどれか。1つ選べ。 1 神経組織 2 造血組織 3 皮膚組織 4 筋肉組織 5 脂肪組織 ・細胞分裂の頻度が高いほど ・これから出来る細胞分裂数が多いほど ・生体組織が未分化なほど 放射線に対する感受性が大きく なります。 また上記法則は 「ベルゴニー・トリボンドーの法則」 と呼ばれています。 上記法則から考えて、 最も放射線の影響を受け易い組織は 造血組織なので、 2番が正解です。
109-22 遺伝毒性発がん物質のリスク評価に 用いられる指標はどれか。1つ選べ。 1 許容一日摂取量 2 耐容一日摂取量 3 実質安全量 4 急性参照用量 5 無毒性量 許容一日摂取量(ADI) ある物質について、人が生涯その物質を 毎日摂取し続けたとしても、 健康への悪影響がないと推定される 1日当たりの摂取量のことです。 通常、1日当たり体重1kg当たりの物質量 (mg/kg 体重/日)で表されます。 ADIは、食品添加物や農薬等、食品の 生産過程で意図的に使
109-21 シモン反応とは第2級アミンの薬毒物を 検出出来る呈色反応です。 なので、この問題は第2級アミンの 化合物を選択出来るかという問題です。 1.メタンフェタミン →覚醒剤成分であり、 第2級アミンです。 2.アンフェタミン →覚醒剤成分であり、 第1級アミンです。 3.モルヒネ →第3級アミンです。 4.コカイン →第3級アミンです。 5.テトラヒドロカンナビノール(THC) →大麻の成分です。窒素を構造中に 含みません。 上記より、第2級アミンは
109-20 ホルムアルデヒドや有機酸の 殺菌・静菌作用によって食品の 保存性を高める方法はどれか。1つ選べ。 1 乾燥 2 塩蔵 3 くん煙 4 冷蔵 5 糖漬 「乾燥、塩蔵、糖漬」は、いずれも 食品の水分活性を 低下させて食品の保存性を 高める方法です。 「くん煙」は、くん煙の成分である、 ホルムアルデヒドや有機酸の 殺菌・静菌作用によって食品の 保存性を高める方法です。 「冷蔵」は温度を低下させて、 微生物の活動性を抑制する事で 食品の保存性を高める方法で
109-19 以下の図がそれぞれの食事摂取基準の 各指標の概念図である。 問われている指標は推奨量なので、 2番が正解です。 各指標の詳細説明をして 今回の解説を終わります。 1.耐用上限量 ある母集団に属する殆ど全ての人が 健康障害をもたらす危険性が無いと みなされる習慣的な摂取量の上限となる量。 2.推奨量 ある母集団に属する97~98%の人において、 1日の必要量を満たすと推定される 1日の摂取量。 3.目安量 推定必要平均量や推奨量を算定するのに 十
109-18 事業者が、常時従事する労働者に対して 特殊健康診断を受診させることが 義務付けられているのはどれか。1つ選べ。 1 石綿(アスベスト)の粉じんを 発散する場所における業務 2 重量物を取り扱う業務 3 著しく暑熱な場所における業務 4 電子計算機への入力を反復して行う業務 5 著しい騒音を発する場所における業務 薬剤師国家試験で、特殊健康診断と言われたら 十中八九、石綿(アスベスト)関連です。 よって今回も1番が正解となります。
109-17 予防接種が勧奨されている 子宮頸がんのリスク要因はどれか。1つ選べ。 1 ヒト単純ヘルペスウイルス 2 梅毒トレポネーマ 3 クラミジア・トラコマチス 4 ヒトパピローマウイルス 5 淋菌 選択肢の病原体が発病因子となる 病気はそれぞれ以下の通りです。 1 ヒト単純ヘルペスウイルス →単純ヘルペス1型感染症(口唇ヘルペス) 又は単純ヘルペス2型感染症(性器ヘルペス) 2 梅毒トレポネーマ →梅毒 3 クラミジア・トラコマチス →クラミジア感染症(性器
109-16 対象集団について、ある一時点における 疾病の有無と要因の保有状況を調査し、 その関連を明らかにする 疫学研究手法はどれか。1つ選べ。 1 症例対照研究 2 縦断的研究 3 介入研究 4 コホート研究 5 横断的研究 1 症例対照研究 既に疾病を発症している個体(症例)と 発症していない個体(対照)を比較し、 過去にさかのぼって 疾病の可能性のある リスク要因を調べます。 2 縦断的研究 同一の集団を長期にわたって追跡し、 疾病の発症前後で要因
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の クラスⅠ分子とクラスⅡ分子の両方で 抗原提示できる免疫担当細胞はどれか。1つ選べ。 1 樹状細胞 2 キラー T 細胞 3 好中球 4 巨核球 5 制御性 T 細胞 1 樹状細胞 免疫系において非常に重要な役割を 果たす細胞で、代表的な 抗原提示細胞(APC)です。 樹状細胞は、その成熟過程で、 MHCクラスⅠ分子とクラスⅡ分子の 両方を使って抗原提示をします。 これにより、CD8+ T細胞(キラーT細胞)と CD4+
109-14 血漿リポタンパク質のうち、 その組成に占めるコレステロールの 割合が最も高く、 肝臓から全身の組織へのコレステロール 輸送を主として担うのはどれか。1つ選べ。 1 キロミクロン 2 超低密度リポタンパク質(VLDL) 3 中間密度リポタンパク質(IDL) 4 低密度リポタンパク質(LDL) 5 高密度リポタンパク質(HDL) キロミクロンは食事由来の脂質を運ぶため、 この場合には該当しません。 VLDLは肝臓で合成された脂質を 全身の細胞へ輸送しますが