薬剤師国家試験109-14解答解説
109-14
血漿リポタンパク質のうち、
その組成に占めるコレステロールの
割合が最も高く、
肝臓から全身の組織へのコレステロール
輸送を主として担うのはどれか。1つ選べ。
1 キロミクロン
2 超低密度リポタンパク質(VLDL)
3 中間密度リポタンパク質(IDL)
4 低密度リポタンパク質(LDL)
5 高密度リポタンパク質(HDL)
キロミクロンは食事由来の脂質を運ぶため、
この場合には該当しません。
VLDLは肝臓で合成された脂質を
全身の細胞へ輸送しますが、
このリポタンパク質は主に
トリグリセリドを運びます。
IDLはVLDLの代謝産物であり、
これも一部のコレステロールを運びますが、
コレステロールの割合が最も
高いわけではではありません。
LDLは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、
コレステロールを肝臓から体の細胞に
輸送する主要な形態です。
体内でのコレステロールの
主要な運搬手段であり、血中の
コレステロールの大部分を含んでいます。
HDLは「善玉コレステロール」と呼ばれ、
コレステロールを細胞から
肝臓へ戻す役割を担いますが、
新たに輸送する役割は
主には担っていません。
したがって、肝臓から全身の組織へ
コレステロールを主に輸送する
リポタンパク質は
低密度リポタンパク質(LDL)であり、
正解は4番です。