宍道湖ぐるりの鉄旅(安来・足立美術館&「やくも」の巻)
宍道湖を巡る鉄旅も終盤。丸一日、安来にある庭園ランキングで常に1位を獲得し続ける「足立美術館」は、時間をたっぷりとって訪問。そして、鉄旅ハイライトは、ご存じのとおり!?ですW
安来駅→足立美術館へ
雨は止み、381系「やくも」に乗り、松江を経て、安来へ。3月のダイヤ改正から、特急やくもは全席指定席になってしまいました、要注意です。玉造温泉駅は無人駅、本数も少ないので、そのまま乗り込みます。立席特急券なるものもなく、そのまま指定席の料金払いました…。
駅からは足立美術館までは、無料のシャトルバスが出ています。マイクロバスに揺られること20分。
見応えある日本庭園
以下のポスターのような、枯山水に借景のある広々とした庭園というのが足立美術館のイメージでしたが、来てみたら、それだけなく、数多の庭園が!
しばし、庭の世界へ。
創設者も直接手を加えて造ったという庭は、小さいものはこのほかにもあり、一つの場所でここまでの庭園を眺められる場所は確かに無さそう。
日本の名画の数々
旅の途中、タクシーの運転手さんに、「足立美術館行くなら、1,2時間とかでなく、時間、目いっぱいあった方が良いですよ」とのアドバイス。その理由は、庭園だけではない、日本画のコレクションの充実ぶりです。
撮影不可なので、手元のガイドブックよりいくつか。
絵は、絵の前に立って観ないと、庭園以上に何もかもが、伝わらない…
Don't think fee~l!!(ブルースリー風)
横山大観!
ここまでまとまった横山大観のコレクションを拝見したのは初めて。名実ともにここは「横山大観美術館」なのでした。何が凄いかと言えば、一人の人物が描いたと思えない画風、作品の数々。
いわゆる日本画ではありますが、鮮やかな色調の絵だけでなく、墨絵、風景画、有名なのは富士山ですが、どれもバリエーションがスゴイ。
なかでも目を惹くのが、昭和15年画業50年の節目に描いた「山に因む十題」「海に因む十題」の20点。20点のうち半分以上はここにあるのではないか。
日本画のほかには、童画や北大路魯山人のコレクション、日本の現代画家の絵もあります。
極めて伝えるのが困難、是非、一度、足を運んでみて欲しいです~
また、違う季節に来てみたい。
安来 「和鋼博物館」
美術館に隣接する売店で、梨ソフト、確かに梨!再び、安来駅に戻ります。
安来とは、出雲風土記によれば、スサノオノミコトがこの地を訪れ、「吾が御心は安平(やす)けくなりぬ」といわれたことから「安来(やすぎ)」となったという由緒ある地名です。
岡山行きのやくもに乗るまで、1時間弱。せっかくなので、安来を象徴する博物館へ。
和鋼とは、近代以前のたたら製鉄法で生産された鋼のこと。たたら製法は6世紀まで遡り、出雲風土記にも、砂鉄の記述があるので、それを採取して鉄の精錬が行われていたようです。全盛期は、江戸時代後期から明治にかけて、国内の鉄の生産量80%はこの地域で造られてました。今は断絶してしまったのかと思いきや、館内の方に聞いたところ、年に一度、昔の方法で刀剣の材料になる玉鋼を作っているとのこと。
しかも、日本刀とは、日本の砂鉄から日本で作った鋼を使わなくては、「日本刀」とは呼べないということで、我々が見る本物の日本刀で、新作はほとんど、お目に掛かれないことになります。
自転車で街を駆け抜けると少し古風な家も多く、かつての面影がまだ残っています。街もゆっくり散策してみたい。
炭坑節(月が出た出た~)が、炭鉱の町から出たように、この安来節も、鉄の町から出てきたということで、ようやく腑に落ちました。
「やくも」現る!
席に着き、しばらくしたら、娘の第一声は「めっちゃ揺れる笑、ナニコレ」そう、昔のL特急はこんなに揺れていたのだ、こんなに揺れる特急にはもう二度と乗れまい。
中国山地に入り、日野川沿いの「根雨」駅出発。
胡坐をかいた鉄ちゃんが手を振り、懐かしの車内メロディーが流れます。しばし、どうぞ!
3時間以上の長旅の末、名残惜しくも、岡山駅到着。
年季の入った車体ですが、夜の岡山駅にて、ひときわ、眩しい~
撮り鉄さんたちに遠慮しながらも、40年以上の時を経て、記念写真パシャ!
「八雲立つ出雲」の旅、回送の「やくも」と共に、お別れです。
長く長い記事、いつも読んでいただき、ありがとうございます! 完
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