夜空

「機能不全家族」は増えたのか?(1)

もう三月も終わり。
更新率を高めると年始に述べたはいいものの、
月一ペースくらいの更新。

できていないので、今日から気持ちを新たに。


さて、今回も家族についての記事を更新。

毒親についてまつわるワードのひとつに挙げられる「機能不全家族」。

その名の通り、「家庭」が「機能」していないことを指す言葉です。
近年では機能不全家族が増えたと言われていますが、これははたして本当なのでしょうか。

目次
・「機能不全家族」とは
・規範から外れた「家族」
・社会によって変わる「機能不全」の定義

【機能不全家族とは】

そもそも家庭の機能って何でしょう。

家庭は社会の最小単位と定義されています。
子どもはこの「社会」から、規律を学び、思考を養う。

家庭は学校であるという言葉を聞いたことがありますが、
学校も社会の一部と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

そしてこの家族社会の中での役割が6つあると述べたのは
社会学者であるウィリアム・オグバーンとクラーク・ティビツ。

機能不全家族で主に不足していると考えられるのは、主に以下の4つ。

・子どもに社会性を身につけること
・愛情を注ぎ寄り添うこと
・社会的な拠点を確保すること
・保護監督
(※その他は、子供を生むこと・性的行為の調整)

【規範から外れた「家族」】

時代が代わり、現代では家庭の機能として求められることはこれだけではありません。
ただ、この定義の基礎には子どもが親との関わりの中で社会性を養い、そしてそれを実現するだけの環境が整っているかということがあります。

身体面だけでなく、精神面でも。

「機能不全家族」は時代によって移ろう社会の規範によって決まるのです。
つまり、形は違えど、いつの時代にもその規範から外れた家庭・家族はあるということ。
このことから、「機能不全家族」は最近になって生まれたのではなく、注目されだしたという方が適切ですね。


【社会によって変わる機能不全】

国によって、また属するコミュニティーによって異なる「規範」。

時代によってももちろん違います。
たとえば、江戸時代の日本では、子どもは「小さな大人」として扱われていました。
奉公へ出てお金を稼ぎ、家庭を支える小さな柱であったのです。

それが教育の重要性が解かれるようになってから、現在の子どもは「子ども」らしく扱われるようになったのです。

では奉公にでて、小学生の歳には働いていた子どもは「機能不全家族」育ちなのでしょうか。

きっと違うと答える方が多いのでは?
しかし、今同じように「子ども」を扱えば、それは虐待と認識されます。

このように、社会の仕組みが違えば何が「機能不全」なのかは簡単に変わってしまうのです。



自明であるように思えても、誰しもにとっての当たり前はありません。
「機能不全家族」は外から観測されることもありますが、たいていの場合には自己認識が重要です。
自分が「機能不全家族」か悩まれている方の、悩みを紐解くきっかけになれば幸いです。

また、「機能不全家族」は増えたのではなく、なぜ注目されるに至ったのか。そして「規範」については、また別の記事で詳しく述べますね。

まとめ
・機能不全家族は増えたのではなく、注目されるようになった
・社会によって変わる規範から外れることで「機能不全」になることも

かる

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松岡ふぶき
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