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レビー小体型認知症に、大麻は有効となり得るのか? その2『症状を知り、向き合う』

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この記事が、人々が持っている大麻への偏見を少しでも薄くすることができ、貴方自身が大麻について「もっと知りたい」と思っていただければ、嬉しいです。大麻の必要性について一緒に考えてみませんか?

レビー小体型認知症に関する中編となります。
まだ前編を見ていないようであれば、まずはそちらからご覧ください。

今回は、前回の最後にもお伝えしました、レビー小体型認知症を正しく受診するために欠くことができないことや治療内容、その症状と向き合いながら付き合っていくためのコツを、みなさんと共有していきます。

《家族も一緒に受診しよう》

レビー小体型認知症を正しく診断するために欠くことができないのが、ご本人の病状についての詳しい情報です。とくに身近な家族からの話は診断の重要なポイントになるので、受診する際は必ず家族も同行し、ご本人の様子を医師に伝えましょう。

ですが、医師を目の前に日頃の様子を思い出して伝えようとすると、同じ話の繰り返しになったり、重要なことを伝え忘れてしまったりすることもあります。

受診される前に「何を話すのか?」を、あらかじめまとめておくようにしましょう。

受診前に整理しておくべきこと
【どんな症状があるのか】
・物忘れがひどい
・しっかりしているときと、そうでないときの差が激しい
・幻視や誤認がある
・妄想がある
・うつ状態
・動作が遅くなった(鈍くなった)
・筋肉がこわばる
・小股で歩くようになった
・就寝中に寝言や体の動きが激しい
・転ぶことが多くなった
・ふらつきがひどい

・それらの症状がいつ頃から現れたのか
・いつ、どんな時に症状が出やすいのか
・現在、服用中の薬があれば、具体的な名前と服用量
・今までの既往歴、受けたことのある手術
・家族関係や世帯状況
・本人が困っていること(わかる範囲で)
・家族が困っていること

上記以外にも気になることがあれば、受診の際、医師に必ず伝えましょう。

いくら医師が診察に時間をとるとしても、24時間、ご本人のことを見守れるわけではありません。医師がご本人の症状を詳しく知るためには、診察時のご本人の様子だけでなく、身近で共に生活している家族からの情報がとても参考になるからです。

どんな症状があり、どんなことに困っているのか、率直に伝えることが重要です。気になったことがあれば、メモを取ったり、スマホなどを使って動画に残しておくと良いでしょう。

レビー小体型認知症に限りませんが、治療を進めるうえでも、ご本人の生活を支えるためにも、周りの人の協力が必要です。家族と医師の間に信頼関係が築かれることで、ご本人も安心して過ごすことができるでしょう。

誤診されやすい病気

前回にもお伝えしましたが、レビー小体型認知症は、その多彩な症状からなかなか正しく診断されないという問題が生じがちです。

【誤診されやすい病気】

アルツハイマー型認知症』
画像検査で脳の萎縮がみられると、この病名がつきやすい。

『統合失調症・老年期精神病』
幻視・妄想
があると誤診されやすい。

『パーキンソン病』
誤審といえないこともないが、レビー小体型認知症の可能性も
考えながら治療を進める必要がある。


『うつ病(老年期うつ)』
うつ状態は合併しやすい症状のひとつ。

進行性核上性麻痺大脳皮質基底核変性症
パーキンソン症状を示し、認知障害を伴うこともあるが別の病気です。

これらのような病気だと診断され、治療しているのにはかばかしい改善がみられず、レビー小体型認知症を思わせる症状がいくつもあって困っているという場合は、診断の見直しが必要かもしれません。

レビー小体型認知症に詳しい医師の診察を受け直すことを考えてみましょう(セカンド・オピニオン)。

どのような検査があるのか?

認知機能が歌がれる場合には、認知機能の状態を調べる検査がおこなわれます。口頭での質疑応答を中心に、今いる場所や日時がわかるか(見当識)、記憶力や計算力はどの程度保たれているかなどを確認していきます。

【主な認知機能検査】

『長谷川式簡易知能評価(認知症)スケール』
日本の医療機関で認知症の診断に広く用いられている評価テストです。年齢や年月日を答えられるか、複数の数字を覚え、逆の順番で言えるか、計算力は保たれているか、モノの名前を覚え、思い出すことができるかなど、9項目のテストをおこないます。

『MMSE(ミニメンタルステート検査)』
認知症の診断用として世界的に用いれらている評価テストです。11項目の質問をおこない、時間や場所、計算力、記憶力を確かめるほか、文章を読んで、その指示にしたがってもらったり、文章を書いたり、図形を描いてもらう項目があります。

また、「目で見たことを理解し、指示通りのことをできるか」をみて、視覚認知機能を確かめることもあります。

レビー小体型認知症は、視覚的な認知機能の低下が特徴のひとつなので、絵や図を使ったテストも重要な判断材料になります。時計描画テストや山口式キツネ・ハト模倣テスト、錯綜図の模写などがあります。(参考:認知症機能検査とは)

認知症テスト

レビー小体型認知症の場合、その日によって認知の変動が出やすいため、1回の検査では、認知障害の程度の判断はつきにくいといえます。日を替えて、何度かテストをおこなうこともあります。

脳CT、脳MRIで動きや形などの変化をみる

レビー小体型認知症やパーキンソン病の多くは、脳CTや脳MRIではとくに目立った異常はみられません。異常があれば、別の病気の可能性が高いと判断できます。各種の画像検査を用いることで、より正確な診断を下すことが可能です。

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レビー小体型認知症の脳は、明らかな病変がみられないことに対して、アルツハイマー型認知症は、海馬のあたり(囲み部分)を中心に、脳の萎縮がみられます。

脳の萎縮を調べることで、どこの部位が、どの程度の萎縮があるのかを調べることができます。

脳梗塞 脳MRI

脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などの病変は、脳CTや脳MRIで映し出すことができます。

脳血流SPECT検査

脳血流SPECT検査(単一光子放射型コンピューター断層撮影)は微量の放射線を出す薬(放射性医薬品)を注射し、その薬剤を映し出すことで体内の様子を画像化する核医学検査のひとつです。

MRIやCT検査は脳の形態的な異常をみつける検査ですが、脳血流SPECT検査(3D-SSP)という脳の機能的な異常をみつけるための検査を合わせ行うことにより、より正確な診断が可能です。

下記の画像では、同年代の健康な人と比較して、脳血流が少なくなっている場所を表示しています。青→黄色→赤になるにしたがい、より脳血流が低下しています。アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(FTD)において、それぞれ脳血流の低下する部位が異りますので、その鑑別ができます。

SPECT 画像


ドパミントランスポーター(DAT)

ドパミントランスポーター(DAT)という、ドパミンを取り込む働きを持つタンパク質の働きの具合をみる検査です。レビー小体型認知症やパーキンソン病などのレビー小体病や他系統萎縮症など、神経変性によってパーキンソン症状が起こる病気では、ドパミンの取り込みが悪くなっています。

DAT レビー小体型認知症

MIBG心筋シンチグラフィ

「心筋」とは心臓の筋肉のことです。MIBG心筋シンチグラフィでは、心筋を支配する交感神経の働きがわかり、レビー小体型認知症を診断する重要な検査方法です。

SPECTと同様に核医学検査で、心臓に伸びる交感神経がどれだけ働いているかを画像化して確かめます。

【検査の進め方】

放射性医薬品を注射する

15〜30分後に撮影(早期像)

3〜4時間後に再び撮影(後期像)

MIBG心筋シンチ

参考サイト:日本心臓核医学会 レヴィー小体病とMIBG検査

MIBG心筋シンチグラフィは、レビー小体型認知症と他の認知症を区別する際の感度・特異度は90%以上と言われるほど、信頼性の高い検査方法です。

レビー小体ができると、自律神経、とくに交感神経の働きが低下します。中でも心筋への伸びる交感神経が変性、脱落しやすいことから、MIBG心筋シンチグラフィをおこなうと、他の病気とは異なる画像が得られるのです。

新たな検査方法として

レビー小体型認知症をより早く、正確に診断するために、レビー小体そのものを簡単に検出する方法はないか、研究が進められています。そのひとつが髄液のなかに含まれている『α–シヌクレイン』を調べる方法です。

α–シヌクレイン

参考:大阪大学 パーキンソン病の原因タンパク質凝集体を脳脊髄液から検出

α–シヌクレインは、通常1個の分子として存在しています。その分子同士が重なり、大きくなっていった結果、形成されるのがレビー小体です。パーキンソン患者の髄液内では、分子が数個集まった状態のα–シヌクレインの濃度が高いと報告されていることから、髄液検査が注目されるようになってきたのです。

より負担の少ない血液検査や、皮膚や鼻の粘膜などから、α–シヌクレインを検出する方法についても検討されていますが、実用化にはまだまだ時間がかかりそうです。

また、放射性医薬品を使う核医学検査のひとつであるPET画像で、脳内のレビー小体を検出できるようになることも期待されています。

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《レビー小体型認知症の最新治療》

レビー小体型認知症の治療は、現在、困っている症状をやわらげ、その進行を抑えることを目的に進められます。残念ながら、レビー小体型認知症を引き起こすレビー小体を消したり、神経障害をもとどおりにしたりする方法は、現段階ではわかっていません。

それでも、できるだけ早い段階から手を打つことで生活の質を維持したり、向上させたりすることはできます。身近な人が病気への理解を深めることで、これから起こりうることにも、すばやく対応していけるようになります。

目標を見定めよう

レビー小体型認知症は、多彩な症状をしめすゆえに、生活上、起きてくる問題も様々です。その問題を一つひとつ解決したり、防いだりすることが治療への目標になります。現実的な目標に沿って、進めていきましょう。

【困っている症状を改善する】
症状の出方、強さには個人差があります。症状が異なっている場合には、いちばん困っている症状は何かを考え、治療すべき優先順位をつけながら対応していきます。

【転倒を予防する】
転んだ衝撃で骨折したり、脳に障害を負ったりすることで、長期間、動けない状態が続くと、寝たきりになってしまう恐れがあります。重いケガをすることはなくても、「また転けたら大変だ」と、動こうとしなくなってしまうことも、パーキンソン症状の改善のほか、日常生活面での注意も必要です。

【認知機能の低下を防ぐ】
認知障害の現れ方も人によって異なります。これは、薬物療法を基本に治療を進めていくことになります。

【誤嚥性肺炎を予防する】
食べ物の飲み込み(嚥下)が上手くできなくなったり、咳き込む力が低下したりすると口の中の雑菌が呼吸器に入り、肺炎を起こすことがあります。これを『誤嚥性肺炎』といわれ、死に至ることもあるので、その予防が必要不可欠です。

パーキンソン症状の改善や、筋肉の衰えを防ぐリハビリテーションが重要です。

『薬物療法』と『非薬物療法』

医療機関での治療は薬物療法を中心に進められます。ただし、「薬を飲んでいれば万事解決」というものではありません。薬以外で支えていくことも必要不可欠です。

【薬物療法】
●認知障害に対する薬
●幻覚や妄想などの精神症状に対する薬
●パーキンソン症状に対する薬

うつ状態やレム睡眠行動障害、自律神経症状が強い場合などには、それぞれに見合った薬が処方されることもある。

【非薬物療法】
●幻想や妄想の訴えへの対応
●散歩や体操などで運動機能の低下を予防
●不快な症状を和らげるための生活面での注意

身近な人が生活のなかで対応のしかたを学んで行くことが必要。訪問リハビリテーションなど、社会資源の活用も取り入れましょう。

薬物治療を進めていく際に問題になるのが、薬に対する過敏性の問題です。レビー小体型認知症は、薬の効果が得られる範囲が狭く、適量を用いれば治療効果の高い薬でも、量が多すぎれば副作用の方が大きく出てしまいます。

レビー小体型認知症に用いれられる薬の多くは、神経伝達物質の量を調整する作用をもっています。多種多様な神経物質のうち、なにをどれだけ増やしたり、減らしたりするのか、微妙なさじ加減が求められます。

一つひとつの症状に薬を使っていると、かえって状態が悪化してしまうおそれが強いため、日常生活での対応を含めた非薬物療法が重要な意味を持ちます。

《第一選択薬 コリンエステラーゼ阻害薬》

レビー小体型認知症の治療薬として、初めに選ばれるのは「コリンエステラーゼ阻害薬」です。認知機能に大きくかかわるのがアセチルコリンという神経伝達物質で、アルツハイマー型認知症ではアセチルコリンの減少が認められます。

ですが、それ以上にレビー小体型認知症の脳内でも減少していることがわかっています。

アセチルコリンの量自体が減るうえに、もともと少ないアセチルコリンを分解してしまう酵素が働くことで、アセチルコリンの量がどんどん減っていきます。これを防ぐのがコリンエステラーゼ阻害薬です。

コリンエステラーゼ阻害薬

ここまで聞くと、コリンエステラーゼ阻害薬の役割がすごいと思われるでしょうが、あくまでも「アルツハイマー型認知症」の治療薬として使用されています。

治療に用いる際には、専門医が必要だと判断するだけではなく、服用されるご本人が納得していることが必要です。

そしてここからが問題です。

コリンエステラーゼ阻害薬には、日本で開発されたアリセプトのほか、数種類の薬があります。神経伝達物質(アセチルコリン)の分解を防ぐ薬は、現在、3種類あります。それぞれの薬の併用はできません。

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メマンチン(メマリー)は、NMDA受容体拮抗薬といい、コリンエステラーゼ阻害薬と併用することで、病状の進行をさらに遅らせることができます。

NMDA受容体拮抗薬

レビー小体型認知症では、認知機能の低下があまり目立たない場合でも、コリンエステラーゼ阻害薬を使うのが基本です。アセチルコリンは認知機能障害以外の症状改善にも働きます。

『認知症治療薬』という言葉に惑わされず、認知機能の低下が進む前から、使い始めることがすすめられています。

…なぜでしょう?

なぜ、認知機能の低下がみられないのに認知症治療薬を服用する必要があるのでしょうか?これでは本人自らが認知症の進行を早めているだけにしか思えないのです。

加齢に伴う物忘れ程度なのに「軽度の認知症」のレッテルを張られた「元気な高齢者」たちが物忘れ外来に行ったのを機に薬漬けにされ、極端な多剤処方で廃人同様になるケースが頻発し問題になっています。

主犯格はアリセプトです。

アリセプトは効かない人が多い反面、効き過ぎる人も多く出るのが特徴です。後者の場合はしばらく服用していると、興奮状態になり、夜の幻覚や錯覚、異常な言動、手の震えなどの症状が出ます。

こうなると医者は興奮を抑えるため抗不安剤のデパス、夜、眠れるようにするため睡眠薬のハルシオンを処方します。

詳しくは以前に投稿しました記事の『現在の治療法は?』をご覧ください。

《それでも効き目が薄いときには?》

レビー小体型認知症に対するコリンエステラーゼ阻害薬の効果は高いとはいえ、人によっては副作用が強く現れることがあります。

【イライラ・興奮】
落ち着かなくなったり、起こりっぽくなったりすることがある

【消化器症状】
嘔吐や下痢、便秘などが出やすい

【パーキンソン病】
アセチルコリンが増えると、運動機能に深くかかわるドパミンの量が相対的に減り、パーキンソン症状を悪化させることが稀にあります。


『薬の量が多すぎではないか?』
薬に対する過敏性が高いので、少量から始めて様子をみながら増やしていくのが基本です。適量は人によって異なりますが、一般にアルツハイマー型
認知症と同じです。

『診察自体が違う?』
レビー小体型認知症という診断自体に誤りはないでしょうか?
その見直しが必要なこともあります。

コリンエステラーゼ阻害薬だけでは十分な効果を実感できない場合には、さらに漢方薬の「抑肝散」を試すことになります。

抑肝散

抑肝散は、コリンエステラーゼ阻害薬の副作用が強く現れて、十分な量を使用できなかったり、十分な量を使用しても、幻視や妄想などの精神症状がなかなか治らない場合に処方されます。

アリセプト同様に、抑肝散を服用されている高齢者を数人みてきましたが、症状が改善されてADLが向上した方をみたことがありません。「高齢者鬱になったのではないか?」と思われるくらい、倦怠感が強くあらわれて、うつ伏せ気味に歩くようになりました。さらに認知機能が進み、何度も同じ質問を繰り返すようになったり、トイレへの行き方が急にわからなくなりました。

お腹の調子も悪くなり、トイレに何回もいくようになるも副作用にある「胃部不快感」から、何分もトイレから出て来られないこともありました。

手足の浮腫もひどくなります。今まで履いていた靴が履けなくなってしまい、クロックスのような足幅の広い履き物しか履くことができなくなりました。

抑肝散の詳細はこちらをご覧ください → 「薬のしおり 抑肝散」

しかし、現段階ではこのステップを踏んでいく以外に方法がないのも事実です。抑肝散の効果も薄いようであれば、ごく少量の非定型抗精神病薬を用いることになります。

《向精神薬の使用は慎重に》

薬に対する過敏性がもっとも出やすいのが抗精神病薬で、主に神経伝達物質のドパミンの量の調整に働く薬です。他の薬の効果が弱いときのみ、ごく少量を用いることがあります。

抗精神病薬は、その作用の仕方によって2種類に大別されます。レビー小体型認知症に持ち入れられることがあるのは、非定型抗精神病薬です。

『定型抗精神病薬』
放出されたドパミンを受け取る受容体を薬の成分がふせぎ、ドパミンの刺激が伝わらないようにするタイプ。ドパミンの働きを防げる働きが強い分、副作用が出やすく、レビー小体型認知症には用いないのが原則です。
●主な薬名 コントミン・セレネース・ドグマチールなど

『非定型抗精神病薬』
ドパミンの働きをほどほどに調整したり、他の神経伝達物質とのバランスを改善したりするタイプです。定型抗精神病薬にくらべて錐体外路症状が出にくいとされていますが、レビー小体型認知症の場合、薬への過敏性が高いため、まったく問題なく使えるわけではないので注意が必要です。
●主な薬名 セロクエル・ジプレキサ・リスパダール・ルーランなど

主な種類と、特徴は下記の画像の通りです。

抗精神病薬 種類

抗精神病薬 種類2

レビー小体型認知症は、一般的にドパミンの量が減少していることが多く、抗精神病薬によってドパミンの働きを抑えることは、必ずしも症状の改善に結びつかないこともあります。過敏性の問題が出やすい薬なので、慎重に使用する必要があります。

服用後の変化に注意

服用開始後に、気になる症状が現れはじめた場合には、早めに医師に相談しましょう。薬の種類や量を変えたり、場合によっては止めたりするほうが良いことがありますが、自己判断は危険です。

注意すべき症状としては『過鎮静』『運動機能への悪影響』です。

『過鎮静』
興奮を抑える作用が強く出過ぎると、感情や思考、動作などが思い通りにならない状態になってしまいます。
●ボーッとした状態が続く
●表情が乏しい
●一日中、寝てばかりいる
●口数が減って、会話が成り立たない
『運動機能への悪影響』
黒質線条体など、運動機能に大きく影響する神経系の働きを阻害してしまうことで、運動面での問題が出やすくなります。これを錐体外路症状といいます。不随意運動パーキンソン症状の出現や悪化と現れ方は2つあり、勝手に体が動いてしまう場合と、動かせなくなってしまう場合がありますが、運動機能がコントロールしにくくなるという点は同じです。

うつ状態・睡眠の問題

レビー小体型認知症に伴ううつ状態は、うつ病と見分けがつき難いほど深刻な状態であることもあります。その改善のため、抗うつ薬を追加して用いることもあります。

【レビー小体型認知症によくみられる感情面の問題】
うつ状態…強く、長引く気分の落ち込み
焦燥…焦り、イライラする
アパシー…意欲が低下し、無気力になる
不安…漠然とした不安感

気分・感情にかかわる神経系は、セロトニンノルアドレナリンドパミンなどの神経伝達物質を介して機能しています。抗うつ薬は、これらの神経伝達物質の量を調整します。

ですが、「抗うつ薬だけ」では問題は大きいのです。

うつ状態や不安など、感情面での症状は、レビー小体型認知症がもとにある場合、抗うつ薬だけで治療しようとしてもなかなか改善されません。

薬の量を増やせば副作用も大きくなり、かえって状態が悪化します。レビー小体型認知症がもとにあるなら、コリンエステラーゼ阻害薬・抑肝散で改善することも多いので、まずはこれらの薬を使用して様子をみます。

しかし、それだけでは生活の質を大きく損なうほど深刻な症状が改善されないこともあります。そのような場合には、抗うつ剤を追加することを検討しましょう。

ただし、過敏性の問題には十分に配慮しなければなりません。副作用の出方をみながら、医師に種類や量を調整してもらいましょう。

その他の治療法として

薬ではコントロールできない症状がある場合には、電流刺激などによって脳の機能改善をはかる方法もあります。それらをいくつか紹介します。

【修正型電気けいれん療法】
この方法は額から短時間(数秒)に5~100ジュールのエネルギー量の電気刺激を加えて、脳にてんかん発作と同じ変化を起こさせる治療法です。
電気けいれん療法は約70年の歴史があり、アメリカでは年間10万人の人が治療を受けています。

治療は精神科医や麻酔科医、看護師の構成で行われます。治療は個室で行い、1回の治療に60分程度かかります。麻酔によりご本人が眠っている間に治療が行われます。筋弛緩薬と静脈麻酔薬を使用しますので、けいれんや不安や苦痛はありません。(参考:社会医療法人 智徳会 未来の風せいわ病院)

修正型電気けいれん療法

【経頭蓋磁気刺激療法】
TMS治療は、アメリカ発の最新のうつ病などの治療方法です。反復経頭蓋磁気刺激法(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)を略したもので、厳密にはrTMSといいます。

これまで一般的であった抗うつ薬での治療法ではなく、磁気刺激で脳の特定部位を活性化させることで脳血流を増加させ、低下した機能を元に戻していきます。(参考:医療法人東横会 たわらクリニック)

経頭蓋磁気刺激療法

【脳深部刺激療法(DBS)】
DBSはDeep Brain Stimulationの略で、日本語では脳深部刺激療法と言います。脳の深部に留置した電極からの電気刺激により、その部位の活動を抑えて、従来の外科治療で行われていた脳深部の破壊術と同様な効果を得るという治療法です。

刺激電極を脳内の特定の場所(パーキンソン病では視床下核や淡蒼球に、振戦では視床に、ジストニアでは淡蒼球に)に留置し、前胸部皮下に刺激発生装置を埋め込み、それらを皮下の連結ワイヤーでつないで脳内の刺激を行います。

DBSは可逆的で、手術に伴う合併症が少なく、体外からの遠隔操作により刺激の設定を変更することが可能で最適な効果が得られるように設定できるといった利点があります。(参考:名古屋私立大学 脳神経外科学)

脳深部刺激療法

薬物療法ではなかなか改善しない幻視や妄想などの精神症状や、強いうつ状態、パーキンソン症状の悪化などは、生活上、大きな問題を引き起こすおそれがあります。

そのような場合にも、一定の効果が期待できるのが修正型けいれん療法をはじめとする非薬物療法です。

ただし、認知機能の低下自体は、これらの方法で防いだり、改善されたりすることはできません。また、入院が必要な治療法の場合、環境の変化が病状にマイナスの影響を及ぼすこともあります。

実施機関も限られているので、治療のメリット・デメリットを十分に検討したうえで、受けるかどうかを決めるようにしましょう。

今回はここまでです。

次回は、遂に「レビー小体型認知症に、大麻は有効となり得るのか?」の最終章となります。最終章では、レビー小体型認知症を患った方と、これからの生活を共に過ごすにあたって注意すべきことや、コツをシェアしましょう。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。

冒頭でもお伝えしましたが、この記事は、全ての介護・福祉従事者の方や在宅で介護をされている方に少しでも多くの情報をお届けしたいがために、無料で掲載しております。

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現在の日本で大麻を使用することは違法です。大麻に対して、多くの人が偏見を持っていることも重々承知しています。ですが、現在合法となった国も以前はそうだった国がほとんどです。

ですが、2020年12月に国連が医療大麻の有用性をついに認めました!まだまだ全世界が、大麻の有用性について賛同したわけではありませんが、現在、約50カ国が大麻を医療目的として使用しています。
世界は、大麻に医療目的として使用する価値があると気付いているのです。

「百聞は一見にしかず」といいますが、「百聞は一服にしかず」です。そんなに大麻が嫌なら吸わなければいいだけですし、大麻の恩恵を受けたいけど、ハイになるのが嫌だ・怖いと思われるのなら、ハイにならないように摂取すればいいだけです。

ただ、大麻を必要としている人は確実にいます。その人が穏やかに暮らしたいと願う気持ちや、医療目的で大麻を使用したいと願う人の権利を、無知や偏見で奪ってはいけません。

この記事が、人々が持っている偏見を少しでも薄くすることができ、貴方自身が大麻について「もっと知りたい」と思っていただければ、嬉しいです。

大麻のことについて、もっと知りたいと思ってくれた方は、是非、下記リンクをご覧ください。そして、日本にいる全ての介護従事者の方で、大麻合法化が必要だと感じている方は一緒に声を上げましょう!


GREEN ZONE JAPAN
医療大麻に関する、科学的エビデンスに基づいた正しい知識を日本に
https://www.greenzonejapan.com/

GREEN ZONE JAPAN Youtube


大麻活動家チェダー Cheddar The Japanese Cannabist
https://www.youtube.com/channel/UCNiGHkuCy7SkY-ocZNT2R7g



【カナダ/医療大麻】医療大麻を使う方々にインタビューしてきた!

麻なび
大麻の情報に特化した総合ポータルサイト
https://asanavi88.com/


CBDの認知症への効能
https://cbdmednews.tokyo/


Marijuana.jp

国内最大の大麻に関する正しい知識を伝える総合メディア
https://marijuana.jp/

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