製造について考えはじめたベンチャーが、最初に知るべき鉄則(その1:「製造する」にも様々な種類がある)
「研究で良い成果が出た」もしくは「プロトタイプを用いて、原理検証ができた」。それ自体は非常に喜ばしいことです。
しかし、その後の社会実装へ至るまでの道のりは相当に長いのが一般的です。
本当に現場で使えるの?
所詮、ラボレベルでは?
と言われて、先に進めないことがないようにしなくてはなりません。
今回のnoteでは、研究開発型のベンチャー企業がビジョンを実現していくために必要な「製造」を俯瞰して紹介していきます。特に、研究開発型ベンチャーが製造するにあたり話題になる、様々な「製造」に関する用語の意味の違いについて説明します。
社会実装のためには、多くの人の期待と信頼の両方を積み上げていかないといけない
研究開発型ベンチャー企業の社会実装に向けたステップというと「量産」や「製品の販売」、「大企業との連携」、「銀行やVCからの資金調達」などが頭に浮かぶかもしれません。これらの項目が非常に重要であることは間違いありません。しかし、それらを進めていくためにも製造の教養はとても役立ちます。
例えば、物を売って、他の人に買ってもらう。日々行われているそんな単純なことでも、買い手は物に対してメリットを期待し、製品品質という形で売り手のことを信頼することで成立します。
つまり、創業してすぐのベンチャー企業が外部に協力してもらうには何らかの方法で信頼を勝ち取り、期待感を持たせなくてはなりません。
そのための手っ取り早い手段の一つが「具体的にものを作り、成果を出すこと」です。すなわち、製造の要素が絡んでくるのです。
製造に関するキーワードを確認する
まずは、製造が関わるキーワードを整理してみましょう。
*モックアップやプロトタイプ といったワードは業界(IT、エレクトロニクス、通信なのかなど)によりイメージがやや異なります。それらを念頭に置いた上で、上記参考にしていただければ幸いです。
** 「使用イメージを湧かせる部分」をモックアップで行い、同時に原理試作機で「機能を確認・技術確立する」という並列的な動きをすることもあります
随分色んな種類がありますね。
これらに関しては、それぞれ「何を成し遂げたいのか」をきちんと設計して実行する必要があります。
しかし、多くの場合、製造はベンチャー内だけでは完結できないということが問題になります。
当然、自分たちの力で試行錯誤をしながら開発進めないといけないというフェーズや段階も存在します。特に、要素技術の確立はそういった泥臭い作業の積み重ねの末に成し遂げられるものでしょう。
しかし、あるフェーズまでにいくと、その道のプロの力を借りる必要があります。
なぜなら、個人でのものづくりと、外部に適切に評価される「製品」を作るための製造の間には大きな隔たりがあるからです。
どのように異なるかは別のnoteで詳しく触れようと思います。
そもそも設計や加工が高度で手に負えないという側面もありますが、量産に向けての考え方や安全性や規格への対応等は広範で深い知識が必要になるのです。
(リバネス :長)