韓国の著作権法を読む(4)~外国人の著作物(第3条)
第1 はじめに
韓国の著作権法を読むシリーズ、なんとか今月も更新…。相変わらず薄い中身ではありますが、進めていきます。今回は第3条「外国人の著作物」です。
第2 韓国著作権法第3条
제3조(외국인의 저작물)
①외국인의 저작물은 대한민국이 가입 또는 체결한 조약에 따라 보호된다.
②대한민국 내에 상시 거주하는 외국인(무국적자 및 대한민국 내에 주된 사무소가 있는 외국법인을 포함한다)의 저작물과 맨 처음 대한민국 내에서 공표된 외국인의 저작물(외국에서 공표된 날로부터 30일 이내에 대한민국 내에서 공표된 저작물을 포함한다)은 이 법에 따라 보호된다.
③제1항 및 제2항에 따라 보호되는 외국인(대한민국 내에 상시 거주하는 외국인 및 무국적자는 제외한다. 이하 이 조에서 같다)의 저작물이라도 그 외국에서 대한민국 국민의 저작물을 보호하지 아니하는 경우에는 그에 상응하게 조약 및 이 법에 따른 보호를 제한할 수 있다. <개정 2011. 6. 30.>
④ 제1항 및 제2항에 따라 보호되는 외국인의 저작물이라도 그 외국에서 보호기간이 만료된 경우에는 이 법에 따른 보호기간을 인정하지 아니한다. <신설 2011. 6. 30.>
第3条(外国人の著作物)
①外国人の著作物は、大韓民国が加入又は締結した条約により保護される。
②大韓民国内に常時居住する外国人(無国籍者及び大韓民国内に主たる事務所がある外国法人を含む)の著作物と、最初に大韓民国内で公表された外国人の著作物(外国で公表された日から30日以内に大韓民国内で公表された著作物を含む)はこの法律に従って保護される。
③第1項及び第2項により保護される外国人(大韓民国内に常時居住する外国人及び無国籍者は除く。以下この条で同じ)の著作物であっても、その外国で大韓民国国民の著作物を保護しない場合には、これに相応して条約およびこの法律による保護を制限することができる。 <改正 2011. 6. 30.>
④第1項及び第2項により保護される外国人の著作物であっても、その外国で保護期間が満了した場合には、この法律による保護期間を認めない。 <新設 2011. 6. 30.>
日本の著作権法には、直接「外国人の著作物」と明示している規定はありませんが、第6条に類似する規定があります。
(保護を受ける著作物)
第六条 著作物は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一 日本国民(わが国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
二 最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが、その発行の日から三十日以内に国内において発行されたものを含む。)
三 前二号に掲げるもののほか、条約によりわが国が保護の義務を負う著作物
韓国と日本で文言自体は異なりますが、ほとんど同一の内容を含むものといえるかと思います。
・韓国著作権法には、日本著作権法第6条第1号のような規定はありませんが、韓国著作権法第3条があえて「外国人の著作物」という規定を置いていることからは、韓国国民の著作物が同法の保護を受けることは自明のものとされていると思われます。
・韓国著作権法第3条第2項と日本著作権法第6条第2号も、ほぼ同趣旨の規定です。外国で公表された日から30日以内に自国内で公表された著作物を含む旨のそれぞれの規定は、ベルヌ条約3条4項(「最初の発行の国を含む二以上の国において最初の発行の日から三十日以内に発行された著作物は、それらの国において同時に発行されたものとみなす。」)を前提としたものです。
・韓国著作権法第3条第3項及び第4項に関しては、日本著作権法58条に同趣旨の規定があります。
(保護期間の特例)
第五十八条 文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約により創設された国際同盟の加盟国、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締約国又は世界貿易機関の加盟国である外国をそれぞれ文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約、著作権に関する世界知的所有権機関条約又は世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の規定に基づいて本国とする著作物(第六条第一号に該当するものを除く。)で、その本国において定められる著作権の存続期間が第五十一条から第五十四条までに定める著作権の存続期間より短いものについては、その本国において定められる著作権の存続期間による。
日本・韓国ともに批准している条約のうち、たとえば、ベルヌ条約及び万国著作権条約では、以下の通り相互主義に関する規定があり、上記規定も条約の内容を踏まえたものとなっています。
ベルヌ条約
第7条(保護期間)
(8) いずれの場合にも、保護期間は、保護が要求される同盟国の法令の定めるところによる。ただし、その国の法令に別段の定めがない限り、保護期間は、著作物の本国において定められる保護期間を超えることはない。
万国著作権条約
第4条〔保護期間〕
4 (a) いずれの締約国も、発行されていない著作物についてはその著作者が国民である締約国の法令により、発行された著作物についてはその著作物が最初に発行された締約国の法令により、それらの著作物の種類について定められている期間よりも長い期間保護を与える義務を負わない。
第3 終わりに
今回は以上となります。引き続き、詳しい解説よりもまず条文を読んでみよう!という軽いテンションでやっていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
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