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最近遊んだゲーム『みんなと街コロ』『TerraScape』

みんなと街コロ

好きなゲームがSteamで出たので知り合いと購入。ちゃんと街コロで楽しい。ボードゲームの良さはその場に人が集まることが一つあると思うけれど、インターネットを介してボードゲームをやってもゲーム自体が楽しければ楽しいのである。

欠点は知り合いがいないと対戦困難なこと、原作プレイヤーでもチュートリアル対戦必須でみんなで買って遊ぶまでに「全員が30分近くチュートリアルをプレイしないといけない」ことと、無意味な中間発表によるテンポの悪さ。ボードゲームでやったほうが早く遊べると思う。最近似たようなことを感じたのはDBFWで、これもデジタルより紙でやったほうがゲームテンポが早い。

処理の一部をコンピュータに任せるわけだからデジタルでやったほうがゲームの体験がよくなると思ってしまいがちだけど、実際には人間同士でやってると省略される動作がある。例えば複数枚のカードをプレイするときに、人間は「4枚合わせて100点」みたいな行動ができるけど、デジタルは「10点+20点+50点+20点で100点」みたいな表示の仕方、演出の仕方しかできないことがあって、そうなるとその分わずらわしくなる。

『みんなと街コロ』はその点気を使う素振りは見えていて、演出を倍速にして遊ぶことはできるが、だったらスキップ不能の中間発表は本当に必要がない。一貫性なし。ボードゲームをデジタルに落とし込むうえで、デジタルならではの良さとか演出を盛り込みたかった気持ちを感じるんだけど、むしろその気遣いがテンポを犠牲にしてしまっている、と思った。

ゲームのおもしろさってこういうささいな部分で大幅に損なわれちゃったりするので、むずかしい。

TerraScape

いい感じの街を作って高得点を目指すゲーム。カードで王国と聞いて『Age of Empire』シリーズを思い浮かべるのは息も絶え絶えの老人であり、『Hexarchy』なんて言おうものなら誰も知らないゲームの名前を出すなと言われてしまいそうなのでそのことはいったん無視しよう。しかし驚くことに、『TerraScape』そのどれらとも体験が違うと感じた。

ゲームの勝利条件(マルチプレイ)は規定の点数に達することなのだが、それ以前に「デッキからカードを引けなくなると詰む」という前段階がある。デッキにカードを補充するにはカードをプレイして得点を出す必要があり、これが面白いと思った。得点勝利系のゲームは個人的に苦手で、その理由をドミニオンで例えるなら、得点を購入する行為がデッキを弱くする行為と直結している点だ。Civilizationシリーズで例えるなら、勝利条件を満たすために最後に内政を回らない状態にして特化させる必要がある(=でも勝利するからそれが最善)のが気分がよくない。

得点勝利系のゲームにありがちなゲーム体験として、リソースを貯める⇒リソースを消費して得点を購入する⇒勝利するというフローでゲームが進むことが多く、せっかく作ったリソースのエンジン部分を破壊することがゲームの勝利的に最善であることが、あまり気持ちよくないと個人的に感じていた。なんでゲームでも現実を見てゴールしないといけないのだと思ってしまう。じゃばじゃばの溢れんばかりのリソースを見て、僕は恍惚に浸りたいのである。

『TerraScape』は得点を得ることがデッキの補充、すなわちドローに直結していて、リソースの補充のためにも得点を得ることになる。これがお得で嬉しい。勝利条件と手札の補充する行為が一致していて、リソースを追求していてもゲーム的に怒られることがない。カードゲーマーがなぜカードゲームをするかと言えばそれはドローしたいからゲームするのであって、手札をスカスカにしたいわけではない。運命のドローで戦う必要があるのは逆転の手段が必要なときであって、自分から運命のドローに頼る道に喜んで進むのはそれは運だけのバカである…………ちなみに僕は性格が良いのでこんなことを思ったことは一度もない。

このゲームは面白いと思う。一人で遊んでいてもなんだかんだいい感じの街並みが作れると嬉しくなる。開拓地に酒場と銭湯を立てたらなんだかいい国のような気がするし、対戦相手が理想の鉱山の街を作っているところにプレデター(いきなり物騒な表現なのがまたいい)を放って急に治安を悪くするのも楽しい。惜しむらくは対戦相手として知り合いがいないとマルチプレイを遊べないことにあるが、街コロと違ってこちらは一人用を中心にゲームが作られている気がするので、おひとり様でも十二分に遊ぶことができると思う。おすすめ。配信映えはしない。



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