【公演回顧】2024年(令和6年)團菊祭五月大歌舞伎 / 六月大歌舞伎 / 歌舞伎鑑賞教室


2024年(令和6年)5月20日(月)團菊祭五月大歌舞伎 昼の部

1. 鴛鴦襖恋睦 おしどり

食わず嫌いできた松也が思いのほかよく

2. 四世市川左團次一年祭追善狂言 歌舞伎十八番の内 毛抜

2階ロビーの四世の写真が心に残った

3. 極付幡随長兵衛 「公平問答諍」

当代の團十郎 菊之助は ともに黙っていると魅力的 言葉を発すると團十郎はモゴモゴした大根 菊之助はフニャついたダメ男 芝居全体のまとまりは一応及第点 錦之助の「真っすぐな憎まれ役」がなかなか

2024年(令和6年)6月23日(日)六月大歌舞伎 昼の部

1. 上州土産百両首

獅童の成熟 哀しい運命を衒いなく 菊之助は天然系を演じるのはうまい でも菊五郎がそれだけでいいのか オヤジみたいな艶もないし 錦之助は殆ど萬屋の生き写し 隼人の悪役に新味

2. 義経千本桜 所作事 時鳥花有里

染五郎の声 動きのメリハリに逞しさ 若いひとは出番ごとに吸収するようだ

3. 六代目 中村時蔵 襲名披露狂言 妹背山婦女庭訓 三笠山御殿

六代目時蔵は全体的に水準を満たす力量 あと一押し加われば 立役でチラッと初代萬壽 端正な顔立ちと気品は健在 初舞台の五代目梅枝は既になかなかの面構え 出番は短いが七之助はやはり映える
ただ 興行の性格 時間の都合上 やむを得ないが 潜入の場面を省くと劇としてはおかしくなる

2024年(令和6年)6月24日(月)六月大歌舞伎 夜の部〔幕見〕

2. 初代 中村萬壽 襲名披露狂言 山姥
五代目 中村梅枝 初舞台
劇中にて襲名口上申し上げ候

萬寿の余韻漂う口跡 所作 梅枝の堂に入った舞台姿が印象深かった
子供は少しの年齢差が 結構大きな違いとなって表れる 獅童の子息2人が疲労からふらついたりするのに対して 梅枝は安定感が漂う 萬屋の弥栄を祈る

2024年(令和6年)7月8日(月)歌舞伎鑑賞教室『義経千本桜』

成駒屋の息子三兄弟は 器用さとシャープなメリハリを兼ね備えており 幅広く務められる存在 芝翫は幹部俳優としてだらしないイメイジを持たれる行動は慎むこと 息子にいい役がつかなくなる

※文中敬称略

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