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「着物の美しさに心を奪われ、日本で暮らすようになって36年が過ぎました。」


 シーラ・クリフ著『シーラの着物スタイル+』(東海教育研究所、2021)

着物研究家のシーラさんのスタイリングブックの第二弾!
前回の本は、四季の流れにそって着物のスタイリングが紹介されていましたが、今回の本では、
Elegant
Antique
Plain&Pattern
Casual
の4つのカテゴリーに分けて紹介されているとのこと。
なんといっても、シーラさんの手持ちの着物と小物の多さとバリエーションに圧倒されます。
これが、趣味であり仕事でもあるということ……
うらやまし。だけどとてもお金のかかる趣味であり仕事でもある。

“Elegant”といっても、雑誌「きものサロン」のような着こなしには絶対にならないのが、シーラさんの個性が輝くところ。
黒に金魚の泳ぐ着物には、金魚模様のハンドバッグと赤いヒールの靴。
華やかなピンクの振袖には、ラメの入った帯揚げとヘアバンド。
というふうに、格が高くても遊び心が満載です。

こういうコーディネートを見るにつけ、わたしは小物まで手が回らないなあ、とがっかりするというか、ないものねだりな気持ちがむくむくと湧いてきます。
それぞれの着物に合わせた小物を持てたら、どれほど幸せでしょうか!
そんなのは、ただの趣味で着物を着ている人にはちょっとハードルが高いかな…?
いや、ただ単に、わたしがそこまでファッションに興味がないせいかもしれない。

シーラさんの素敵なところは、なんといっても色合わせ。
わたしは青とピンクの組み合わせが大好きですが、シーラさんもそういうビビッドないろの組み合わせをバンバン着ています。
本の後ろの方にQ&Aがあるのですが、

「明るい色にも挑戦してみたいけれど、年齢を考えると実行に移せません。」

というお悩みに対しては、

「年を取ったら地味にしなきゃいけないなんて、そんなこと誰が決めたの?私は絶対に反対です。」(p.1.54−155)

と回答されていて、とても心強いです。
色だけでなく、髪型も、合わせる小物の種類も、とても自由。
着物でも髪の毛を下ろしていたっていいじゃない。
三つ編みにして帽子をかぶっても、大きなお団子にしても、淑やかなアップスタイルにしても、楽しんだもの勝ち!
そんなシーラさんの心意気が、写真のあちこちから見受けられます。

また、この本には現在活躍されている職人さんたちとのインタビューや紹介も載っています。
わたしはまだまだリサイクル着物ばかりで、新品の反物から誂えるなどという楽しみをしたことはありませんが、今の、そしてこれからの着物業界を支えていく大切な職人さんやインフルエンサーの皆さん。
ぜひこれからもがんばって活動してほしいですね。

今回の本で特に真似したい!と思ったのは、飾り腰紐。
おはしょりの下から、帯揚げのような太めの紐を結んで垂らしています。
色のアクセントにもなるし、遊び心があって素敵なんです。
買うんじゃないとしたら、どうにかして自作するしかないかな…?
いろいろと挑戦のしがいがありそう!

自分としてはなかなか思い切ったコーディネートはできないけれど、最近はずいぶん、自分で納得のいくコーディネートができるようになってきました。
そうなってくると、着物はとても楽しいです。
この楽しさが、着物を着ない人にも伝わるといいなあと思います。


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