ちょこ流古着物の楽しみかた
実は今日は、「古着物」で記事を書こうと思っていました。
先日「マツコの知らない世界」で古着物の世界をやっていたことだし、わたしも着物好きなので、ちょうどいいかなと思って。
で、もう3回くらい書き直しているんですが、全然書けないんですよね。
まずいなあ、もう時間がないなあ、と思いながら、この4回目を書いています。
なんで書けないのか。
わたしの中でまだ咀嚼し切れていないのひとつ。
どうしても説明がくどくなってしまうのが、もうひとつ。
たぶん、このふたつのせいです。
なので、本当は着物のコーディネートのことや、最近考えていた「着物とは」みたいなことを書く予定でしたけど、それはまた今度、ということにして。
今回は、なんでわたしが着物を着るのか、という話をしようと思います。
着物を着ない友人でも、わたしが着ているのをみて「着物っていいよね」といってくれる人は、結構います。
で、そのうち9割くらいの人は、「大人の女って感じ」と言います。
そうかあ、みんなのイメージする着物は「大人の女のアイテム」で、身に付けると「おとな」になれるものなんだ。
たしかにそういう一面もあって、わたしも着物の特別感を楽しんでいる面もあります。
でもわたしにとっての着物は、「布の楽しさ」が一番です。
昔から手芸やら工作やらが好きで、中高のころはよく洋服を作っていました。
何がいいといって、凝ったパターンを使うことや、気に入った布を使えるのが、一番のポイントです。
パターン愛については今でも洋服選びに影響していて、複雑なカットやパターンの服はついつい欲しくなります。
そして布。
布はいいですよ。
日暮里の繊維街で、ひとつの布を求めて何時間もさ迷うことは、最高の楽しみでした。
色、柄、素材、手触り。
全てが揃った最高の布を求めて、ひたすらお店を周るのです。
洋服は形の制約があるので、たとえ気に入った柄でも、ブラウスにこの柄はちょっと、とか、この季節のスカートにこの素材は、みたいなことがあります。
それでもどうしても気に入ってしまった柄の布は、とりあえずスカート分を買ったりしました。が、着れる気がしなくてお蔵入りになってしまったりもしました。
着物は、長方形の布の組み合わせでできています。
柄がそのまま、服になっています。
着物は、布をまとえる服なんです。
気に入った柄の、気に入った色の布を、そのまままとえる幸せ。
紫の縦ストライプも、
全身に咲く梅の花も、
真っ暗な空に舞い散る雪も、
青空を飛ぶ燕も。
そのまま、身に纏えるのです。
そして素材。
シルク100%の布にくるまったこと、ありますか?
全身を絹に包まれる楽しさは、洋服ではなかなか味わえません。
実際のところ、着物の下には襦袢も着るし、肌着も着るしで、素肌に絹が触れることはほとんどありません。
でもね、こっそりと襦袢も肌着もなしに着物を纏って、その滑らかさと軽さを密かに楽しむことがあるんですよ。
(もちろん家の中でね。)
絹って、すごく軽いんです。
それに肌の上をさらさらと滑るんです。
知ってました?
そんなわけで、どうしても好きな柄や好きな手触りで着物も帯も選んでしまいます。
おかげでコーディネートの難しいこと。
あとこれは洋服でも言えることなんですが、布に意識がいきすぎて、小物遣いがうまくなりません。
アクセサリーと服のトータルコーディネートとか、無理です。
ベルトやらブローチやらスカーフまで使いこなせる人は尊敬します。
着物でも、帯留めや半襟、足袋やヘアアクせにまで気を回してコーディネートできる人は、すごいと思います。
わたしは着物と帯で精一杯です。
精一杯なりに、どうにかコーディネートをまとめたいので、今のところは色味とイメージで合わせるようにしています。
シックな装いにしたければ、同系色でまとめたり。
やわらかな仕上がりにしたければ、色味を増やして薄めの色を入れたり。
一番無難なのは白系の帯を持ってくることで、着物の柄がどうであれ、ちゃんと収まります。
めちゃくちゃ力技というか、コーディネート放棄の行き着いた先って感じです。
なので、「マツコの知らない世界」で出ていたコーディネートは、かっこいいなあと思います。
柄同士をぶつけられるのは着物のいいところですが、なかなか勇気が出ないもので。
あとは「独楽」と「駒」をあわせる遊び心とか。
さすが池田コーディネートだなあと感服するばかりでした。
先日「あらお姉さんかっこいいじゃない」と思ったのは、
黒のレースのスタンドカラーに黒のレースアップブーツ、モスグリーンの着物に骸骨柄の黒の半幅帯、という最高にロックな洋装ミックスコーディネートでした。
ああいうの、憧れます。
でもいざ自分がやろうとすると、「やっぱり布が好き」というところに戻ってきてしまいます。
この間買った帯も、黒地にいぶし銀というか、ほとんど黒のシルバーで大きな花模様が入っているもので、角度によって柄が浮き出て見えるのがカッコいいのですが、さて、あわせる着物が全く思いつきません。
艶感のある緑のウール着物も、無難にレモンイエローの半幅帯をあててしまいがち。
紫にゴールドと赤のダイヤ柄の着物も可愛いのですが、黒と赤の半幅帯に逃げがちで、もっと別の合わせ方をしてあげたいものです。
それでもやっぱり、布が好きなので。
これからも気に入った布の着物や帯があれば、とりあえず買ってしまうんだろうなぁと思います。
シーズン中に1回は、着る機会があるといいんですけどね。
着物沼は楽しいので、入りたい人はいつでも案内いたしますよ。