見出し画像

光+和紙=記憶『そこに在ったひかり』西会津国際芸術村で6月開催!

土地の光と和紙のインスタレーション

6月3日から25日まで福島県の西会津町で展示する。
地元の材料からつくられる出ヶ原和紙に
古典技法であるサイアノタイプの組み合わせ。
4月30日現在、西会津で鋭意制作中。

出ヶ原和紙に感材を塗布して露光中

和紙づくりもイチから挑戦

これまでも西会津町に通い、
出ヶ原和紙工房で紙づくりは体験してきた。
でも、今回の展示に使用する紙は、
楮の刈り取りからはじまり
地道な材料づくりを経て、
漉いて搾って干すまで一貫しておこなった
メイド イン ジブン feat 出ヶ原和紙工房。
普段よりも圧倒的に大きなサイズをつくったので、
今までとは勝手も違いだいぶ苦労した。
簡単じゃなかった分、思い入れもひと塩。

刈り取った楮を釜で蒸す。湯気が光に照らされて見とれてしまう


蒸して剥いだ皮を煮る工程。ムラにならないよう、ときどき天地返し


蒸して剥いで煮て叩いてやっと漉けるのだけど、大きいのでなかなかうまくいかない

漉いた紙は絞って板干して乾いたら完成。板に貼る際、しわができてしまい難しい
漉かずに材料を流し込む技法で1820×910mmの大きな紙もつくった

視覚的な記憶はひかり

音や匂いから想起することもあるが、
記憶の多くは視覚からだと思う。
視覚は反射した光を眼から取り込み、
本来、天地左右逆像のイメージを
脳が正像に補正して知覚している。
ひとの記憶は光からもたらされている。

太陽などに照らされて反射した光を眼から取り込んでひとは視ている

光には変わらぬ土地の記憶が宿っている

何百、何千、何万年以上も
同じ土地にはいまも同じ光が降り注いでいる。
その土地に根差して生きたひとたちは
光りに育まれながら生きる知恵を学び、
それが文化となって脈々と受け継がれる。
光りにはその土地、悠久の記憶が宿り、
森羅万象に刻み込まれる。
ひとにもDNAレベルで刻まれる。

ひとが住む以前からこの景観は変わらない。悠久の土地の記憶が宿っている





その土地の光を可視化する

そこで生きる知恵や習慣など
受け継がれる記憶は土地が起源。
その光で育まれた楮を材料とする
西会津の和紙にサイアノタイプという
古典写真技法を使って光りを可視化するのが
今回のプロジェクトテーマ。
表層的な記憶は確かに個々のものだけど、
深層には誰もが通底する記憶が宿っている。
それが地域性や県民性、民族性などの
個性につながっていると僕は考える。
今回の展示を通して
じぶんのアイデンティティのようなものを
何か感じて貰えたらと思っている。

何が写っているのではなく、光そのものを可視化することが今回のテーマ

展示情報

タイトル:『そこに在ったひかり』
日時:2023年6月3日~25日 / 10時~17時(月・火休館)
場所:西会津国際芸術村 NIAV
住所:福島県耶麻郡西会津町新郷大字笹川上ノ原道上5752
在廊予定:6月3日~11日・23日~25日
作家最新情報はTwitterにて発信


いいなと思ったら応援しよう!