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【読書感想文】夫が倒れた!献身プレイが始まった・野田敦子

本日のトップ画像はクリエイター・hitomi.k様から拝借しました。
ありがとうございます。


(筆者=わたし、作者=著者)

こちらの作品は、

介護(通院するタイプ)のおはなしです。

以前、漫画で介護の作品を読んだのですが、

事情も人も違うのですから当然まったく違う作品です。

ちょっと

「漫画なのかな?」

と、思いましたが、こちらは小説です。


こちらの作者はウェブライター。

とても描写が緻密なのに、

読みにくくない。

情景がありありと頭に浮かぶ。


勢いが最後まで失速しません。プロだからあたりまえか。

そして、ここまで書けないとウェブライターになれないと

ちょっとレイプ眼です。

あまり個性的なところに着目すると

作者が困惑します。

大学を卒業されていますが、

さぞ良い成績を修めたろうと想像します。


内容のほうです。

旦那さんが脳出血(?)で倒れたというのに

当時かなり冷静で、

さらにそれを冷静に振り返るという離れ技をやってのけます。

そんな余裕ないはずなのに、

人の心まで思いやります。


作者はとにかく「自分の生活」と「介護生活」を切り離して

見ています。

長期戦を視野に入れています。

絶望の瞬間がありますが、とにかく淡々としています。

旦那さんのいろんな悪行が暴かれても

愛は失われません。


「寡婦うんぬん」のくだりは、


詩人か。


と思いました。ため息がでます。


筆者は福祉で生きているのでさまざまな「おばさん」に

囲まれています。

作者の言う通り「おばさん」たちはベテランです。

筆者は「おばさん」のにぎった塩むすびを食べたことがあります。



前の本と違いますが愛の本です。

大事な人が居る方はぜひ。



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