大人になってから始める歯列矯正
欧米諸国では歯並びが悪いと貧困の象徴として敬遠されるため歯列矯正が当たり前になっている一方で、日本は世界から見ると歯並びが悪い国というイメージを持たれてしまうほど歯列矯正をする人は多くはない印象です。
矯正をしたい思っても高額であるが故に踏み出せなかったり、大人になってから今更矯正するのもな、、という方もいると思います。
今回は、20代半ばで歯列矯正を始めて1年半程経った僕が大人の歯列矯正のことについての経験や参考にしたこと(選び方等)を書いていきます。
矯正を始めた理由は、20代の内にお金を掛けてでもやっておきたいことの一つだったというシンプルな理由。矯正途中ですが、やってみて正解でした。
矯正をするかどうかは矯正歯科の先生に自分の歯の状況を見てもらい、納得がいくまで相談して決めることが何より大事だと思っていますが、矯正を考えている方の参考になればうれしいです。
始める時期
歯列矯正といえば、子ども・学生時代にやるというイメージが強いのではないでしょうか。
実際は大人でも歯列矯正をすることはできました。
ただしリスクとして、歯茎の柔軟性がある成長期とは違い、歯を動かした時に歯茎が下がる(歯肉退縮)ことや発音がしにくくなったりすることがあるそうです。
矯正装置の種類(ブランケット)
一般的な装置でよく見かけるものです。
・表側に銀色のワイヤーのようなもの取り付ける。
白色のワイヤーもあり見た目が気になる人に良さそうです。
・歯の裏側に取り付ける方法もあります。
こちらは表側と比べると期間が少し長くかかるようですが、表から器具が見えにくいです。芸能人だとさっしー(指原莉乃さん)がこの方法だったみたいです。
矯正装置の種類(マウスピース)
透明で目立たない、取り外しが可能な矯正方法です。種類はいろいろあるようですが、特に有名なのがインビザライン。
日本の歯科で取った歯型をアメリカのインビザライン社に送り、作られたマウスピースが日本に届きます。
緻密な設計がされた治療計画書が作れられて、自分の歯がどのような流れで動いていくのか3Dでも見ることができます。
おおよそ2週間毎にマウスピースを変えていきます。
矯正装置の選び方
抜歯が必要か不要か、噛み合わせや歯並びの状況によって計画が変わります。矯正歯科の先生に実際に診断してもらい、自分に合う装置を選択することが大事だと思いました。
あまり特殊な状態ではなく選択肢が多くて悩むという方向けに比較のポイントを書いてみます。(計画によってばらつきあるのでかなりアバウトです。大体このくらいなんだ〜っていう気持ちで読んでください…)
ちなみに僕はマウスピース(インビザライン)を選んだので、マウスピースの情報は実体験、ブランケットは調べたり聞いた話を元にしています。
◼︎(アバウトな)期間
歯を動かす期間は、ブランケット・マウスピースともにあまり変わらないようで2〜3年が平均とのこと。
歯を動かし終えた後は保定期間と呼ばれ、歯の後戻りを防ぐため更に2〜3年の間、マウスピースの着用が必要となります。
僕は抜歯4本(抜歯済みの親知らずとは別に)で約2年の予定です。
動かし終わってもまだまだ矯正と向き合う必要がありますね…長い…
◼︎(アバウトな)費用
表側ブランケット : 50〜80万円 裏側ブランケット : 60〜90万円 マウスピース : 80〜110万円
ざくっと調べて都内だとこのくらい。
ちなみに矯正費用以外に、
カウンセリング費用 : 0〜数千円 レントゲン費用 : 3万円くらい 通院費用(調整) : 3〜5千円くらい(毎月〜3ヶ月に1回) 保定期間の費用 : 医院によって異なる
もかかってきます。
表向きは安い価格で出ていても別の費用が割とかかったりすることがあるので、料金プランの中にどこまでの費用が含まれているのか確認をしました。
マウスピースだと途中でずれた時に取り直す歯型代の費用が別でかかったり、保定期間のマウスピース代は別というところもありました。
自分の中で絶対に越えたくないトータルの予算を決めて選ぶことをお勧めします。
僕は都内23区内の矯正専門歯科で、100万円(保定期間の装置は含む、レントゲン・通院は別途)。※貧困生活でなんとか捻出。
◼︎見た目
ネットで韓国人アイドルが矯正でつけているブランケットが好き!!という人がいるというのを見たことがあります。
ブランケットで矯正することが当たり前のような国であればあまり見た目を気にすることも無さそうですが、仕事で多くの人と接する僕は見た目は結構気にしました。(人は自分が思っているほど他人を気にしないとよく言われますが、なんか気になってました。)
どこまでなら自分は気にならないか、矯正歯科で模型などの実物を見せてもらって参考にしました。
男性の方が案外見た目を気にしがち?なのか、マウスピースを選ぶ人が多いと言われました。確かに男性でブランケットつけてる人はあんまり見ないかもですね。
◼︎過ごしやすさ
ブランケットだと強い力で固定するため、調整後はかなり痛みを伴うと聞きました。中には従来より痛みが弱い装置もあるそうなので、こちらも先生に相談です。
妹がブランケットで矯正をしていたのですが、調整直後はかなり痛みがあり食べ物が噛めない、食べ物がワイヤーに引っかかるのが嫌だと言っていました。
マウスピースは最低でも20時間以上は装着している必要があり、食事以外はマウスピースをつける生活です。間食ができません。つけている間は水・緑茶以外飲めません。ですが、ちょっと痩せます。
僕は抜歯をして隙間を埋めるため大きく動かしていたので、つけ始めから一年くらいはマウスピース変えた初日は痛みがありました。
取り外しができるため歯磨きはしやすいですし、装置に食べ物が引っかかるというストレスがないのは良い点です。
◼︎通院頻度
ブランケットは、月に1回ほど調整で通うところが多いようです。
マウスピース は、医院によってバラバラですが僕のところは3ヶ月に1回通っています。
通院する歯列矯正歯科の選び方
僕が少し後悔したのは、矯正歯科の選び方と進め方です。
エピソードが後から書きますが、選んだポイントをご紹介します。
◼︎矯正の専門医院
一般的な歯医者さんではなく、矯正歯科を専門で行なっている医院かどうかですが、矯正歯科と調べるとたくさん出てきます。
経験や症例数が多く機材なども豊富。
◼︎認定医がいる歯科
日本矯正歯科学会の認定医と呼ばれる資格があります。有資格者は3千人ほどのようです。さらに上の専門医と呼ばれる医師もいらっしゃるようです。
資格がない医師でも技量のある方はもちろんいるとは思いますが、別の地方から移り住んだ身としては評判などがなく、ネットの情報が頼りになってしまいます。
そんな時にわかりやすい基準がこの認定医の先生が矯正を担当するかどうかでした。
◼︎3つ以上の矯正歯科にカウンセリング受けてみる
100万円近くする高額な買い物。ネットで調べて1つのところを選ぶなんてめちゃくちゃリスキーなので、無料カウンセリングを活用しました。
インビザラインに絞った矯正をするところ、複数の方法を扱っているところなどいくつか通える範囲の矯正歯科でカウンセリングを受けました。
実際に行ってみると、スタッフの雰囲気、予約が取りやすそうかどうか、話をじっくり聞いてもらえそうか、メリット・デメリットを説明してくれるかがわかります。
説明については、具体的な治療計画の相談をレントゲン(3万円のお支払い)が済んでから行うので、無料カウンセリングだけではなかなか判断しづらかったというのが正直な感想ですが、3つ以上行ってみることで選ぶ視点が増えました。
あくまで仮説ですが、人気の矯正歯科だと通院している人が多くあまりもし何か相談ごとがあった時に時間が取りにくいだろうなと思っていました。
◼︎定期的に歯並びの進み具合を確認してくれるか
ブランケットですと月一くらいの頻度で調整が必要ですが、インビザラインは通院頻度は医院によって違いました。
1回マウスピースを作ったら1年ほど矯正歯科に行かなくて良いところもあれば、僕が通っているような3ヶ月ごとに通院するところもあります。
マウスピースだとミリ単位で動かしていくので決められた時間以上しっかりつけておかないと徐々にズレが生じて計画を狂わす原因となります。
数ヶ月ほどの頻度で通っていれば歯型の取り直しなどで修正ができるので、矯正をしていく中でどのくらいの頻度で通う必要があるのか、その理由は何かを先生に確認しました。
◼︎治療・予防も考慮して診断してくれるか
矯正装置をつけると虫歯の治療が難しくなります。そのため、虫歯の治療を矯正前に行うのが基本のようです。
僕が通う事にした矯正歯科は矯正のみ行うところです。治療などは別の一般歯科に相談をしていますが、一度に両方を見てもらえないのは時間もかかるし矯正で聞いたことを一般歯科に伝えて相談するという手間が生じてしまいます。
矯正も治療や予防の両方の診断ができ、計画を考えてもらえる矯正歯科を選べば良かったなと思います。(反省点)
普段通っていた一般歯科の医師が頼りなかったので(違和感を伝えても様子見してみましょうくらいしか言ってもらえない)、矯正もできる別の歯科に検診を切り替えたところ違和感の原因を特定し適切な処置を施してもらいました。
その際、矯正の進み具合を考慮した治療の方針を具体的に提示され、技量と経験があり矯正も治療もできる矯正歯科だと安心して進められたなと感じさせられました。
信頼できる歯医者を見つけるのは難しいですね…
現在は変えようがないのでどちらの歯科医師に相談しながら、予防にも注意しつつ問題なく矯正を進めています。
マウスピース 矯正をしてみて感じた変化
◼︎良い面
噛み合わせが少しづつ改善されており、食べ物をしっかり噛むということを実感。
消化が良くなった。
前に出ていた歯が少しづつ内側に入り、口元・顔まわりがすっきりし始めた。
歯磨きやフロスがしやすくなった。
歯が揃っていくことで矯正のモチベーションは保てる。
◼︎悪い面
食後毎回すぐに歯磨きをしなければならないため、仕事中でも友人といても歯磨き優先の行動が必要になる。
食べ歩き・長時間食事したりお酒を飲むことを控えないといけない。
一度矯正を始めると、留学・仕事で海外に住む、国内で違う地方に引っ越すなどの選択が2〜3年はしにくくなる。(国内だと系列の矯正歯科に変えるや紹介などで転院という方法もあるので、絶対できないということはありません。海外は厳しそうです)
医療費控除
1年間で支払った医療費の合計が一定の金額(10万円以上)を超えたときに、その医療費を基に計算した金額分の「所得控除」を受けることができる制度です。
サラリーマンのように給料から税金が差し引かれている人だと、確定申告をおこなうことにより支払った税金の一部が還付金という形で戻ってきます。
控除の対象になる医療費には様々ありますが、歯列矯正の場合は審美矯正ではなく治療を目的とした矯正が対象となります。
矯正歯科のセールストークとして3割ほど医療費控除になると説明を受けますが、実際に還付金として戻ってくるのは支払った金額の1割程度でした。
※詳しい金額が気になる方は、計算式が載っている記事を(勝手に)貼りますのでご参考ください。
https://www.hokennavi.jp/cont/column-knowhow-036/
結構な額なので医療費控除を念頭に置いて予算設定をしました。
終わりに
長い文章でしたが読んでくださり、ありがとうございます。
矯正が終わって考えがアップデートされていたら、その時は書いてみようと思います。
気になる部分だけでも参考になりましたら幸いです。
では!
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