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テレビの魅力とネットの危うさ
インターネットが発達し、今や自分の趣味趣向に合う面白いコンテンツには無料で手軽にいつでもどこでも触れられるようになった。
スマホ画面をのぞき込む時間がどんどん増えるのに反比例してテレビはますます見なくなった。
趣味趣向に合うものが次々とレコメンドされるネットの方が、簡単に面白いと思えるものに出会える。なんなら最近はYouTuberがテレビに出たり、ネットで話題になったものがテレビで取り上げられたりしている始末。
テレビもネットの声を無視できないし、ネットを駆使して番組を盛り上げようとするところを見ると、テレビよりネットの方が優れていると思ってしまう。もうテレビはいらない、と。
ところが、今でもネットよりテレビの方がはるかに優れているものがある。
ドキュメンタリー番組だ。
有料の動画配信サービスは違うのかもしれないが、YouTubeを広告ありで見る程度の私にとっては、質の高いドキュメンタリーをYouTubeで見つけることは難しい。
探せばあるのかもしれない。でも私は見たことがない。街頭インタビューのような形で、誰かの人生を聴くチャンネルは見たことがあるが、あってもその程度。
歴史や文化、自然環境、生物などを題材にした、自分ひとりでは知ることができない、あるいは自分ひとりで番組と同程度の内容を知ろうと思ったら、莫大な時間やお金がかかるものを、テレビではものの数十分から数時間で知ることができる。しかも、わずかな電気代と受信料だけという、ほぼ無料に近い状態で。
このことに気づいたとき、私にとってのテレビの価値は、ネットのそれとは比べ物にならないくらいにはね上がった。
テレビもレコーダーも買い替えた。
今回購入したレコーダーは地上波の全番組を録画できるうえ、スマホやタブレットで持ち出すことができる。外出先など、電源さえ入るところならどこでも見ることができる優れモノだ。
テレビも大きくなり、ゲームを大きな画面でプレイできるようになった。テレビもゲームもパソコンも一台の画面でできるようになった。本筋とは無関係だが、思わぬ副産物だ。
ほぼ全ての番組を録画していると、ドキュメンタリー以外にもちょこちょこ気になる番組を見つけては見るようになった。
この生活をはじめてまだ10日。しかしこの10日間で気づいたことがある。
ネット番組をよく見ていたときのことを思い出すと、好きなものにしか触れず視野が狭くなっているのに、なぜか自分は世の中のことがよくわかっている気になっていたように思う。
ネットは自分に都合のいいものしか見せてこないし、自分も理解できる世界のものしか見ない。そしてインプレッション数を稼ぐために、インパクトがあって声の大きいものばかりがあふれている。
そうして自分の考えや感情、趣味趣向を強く後押ししてくれるものに常日頃浸かっていると、まるで自分は世の中のことがなんでもよくわかっている人間になった気分になるのだろう。少なくとも私はそうだった。
それって、とっても危険なことだよな。