輝け命名センス
友人が「ワークマン女子にメンズがあるんだけど、それってつまりワークマンだよね」と言っていた。
本当だ。そのとおりすぎる。
とても良い現象だ。この現象に名前をつけたい。
良い名前がつけば、同じ構造をした別の例が集まるに違いない。
だがしかし、残念ながらおれに命名センスはない。
何も思いつかないんだぜ。
類似例も思い浮かばない。
引き出しから何も出てこない。
絶対あるはずなのに。
脳が死んでいる。
こういうとき人脈があれば人から意見が貰えるのに、リアルもネットも離れ小島に閉じこもっているから、誰の意見も手に入らない。
我ながらなんて悲しき生き物。
泣いちゃうね。
人脈はどうやっても手に入らない(悲しい)ので、せめてセンスを磨いてみよう。
輝けおれの命名センス。
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まず、なぜ良い名前が思い浮かばないのか。
その理由を考えてみる。
…構造を理解していないからじゃないか?
「ワークマン女子にメンズがあるんだけど、それってつまりワークマンだよね」
私はこの一文のどんなところに「この現象に名前をつけたい!」と思うほどの面白さを感じたのか。
それが分かれば良い命名もできるし、類似例も思いつくのでは?
そうだ、構造が分かれば全て解決するんだ。
人脈なんて必要なかったんだ…!
というわけで、まずは文章を分解してみる。
【分解作業】
① ワークマン女子
「ワークマン女子」は「ワークマン」の派生形。元々の「ワークマン」はメインターゲットが男性だった。
② ワークマン女子
ワークマン女子のメンズであれば、ワークマン女子の「女子」部分を消して、ワークマンに戻せば良い。
③ ワークマン女子メンズ
②にも関わらず、女子を引かずにメンズを足した。
わかったぞ、単純に引き算をすればいいのにわざわざ足し算をしているんだ。わざと遠回りさせるおかしみ。
なんでわざわざそんなことを?というツッコミが生まれる。それ無駄じゃね?の無駄部分がおもしろい。
そうか、ツッコミどころがあるからおもしろいのか。
構造、理解できた気がする!
✦✦✦
その昔、ノンシリコンシャンプーという概念がまだ世の中に普及し始めたばかりの頃の話。
デパートでシャンプーを見ていたら店員さんに「こちらのシャンプー、ノンシリコン入りでおすすめですよ〜☆」と声を掛けられた。
ノンシリコン入り。
シリコンが入っていないからノンシリコンなのではなく、その店員さんにとってはノンシリコンという良さげな成分が含まれているという認識なのだ。
当時はまだ学生で、自分みたいなポンコツは就職なんてできやしないと思っていたが、この人でも販売員になれるなら自分も人生なんとかなるかも、変な勇気をもらった。シャンプーは買ってないけど。ノンシリコン入りってなんだよ。
という過去の経験を思い出したけど、エピソードとしては弱いし、若干趣旨からもズレている気がする。
まて、アイディアが出なくて困ったらAIに訊けばいいんじゃないか?
おれにはチャットさんがいるじゃないか!
【チャットさんへの依頼】
「ワークマン女子にメンズがあるんだけど、それってワークマンだよね」
この文章のおもしろさを整理すると以下の通りです。
1. ワークマンという元ネタがある
2. ワークマンから派生したワークマン女子というレーベルが存在する
3. ワークマン女子で男性向け商品を売るなら、元ネタであるワークマンに戻せばよい
4. ところが、ワークマンに戻らずにワークマン女子メンズという新たな言葉が生まれた
この構造を一般化すると以下になります。
1. xという元ネタがある
2. xから派生したx+αがある
3. x+αを x に戻すなら、x-αと記述すればよい
4. ところがわざわざ、x+α+(-α)と記述する
まとめると、以下のようになります。
・単純に引き算をして元の場所に戻ればいいところを、あえて足し算をすることで遠回りをする
・その遠回りに対して「なんて無駄なことをしているんだ」というツッコミが生まれる
以上を踏まえて、以下の質問に答えてください。
・この現象に名前をつけてください
・この現象の類似例を5つ列挙してください
【チャットさんの回答】
◎ 命名
◎ 類似例
命名センスはアレだったけど、類似例はとても良い。
ミニスカートのロング丈、こういうのが欲しかった。
それロングスカートやんな。
無添加風食品に対する辛辣な感じも良い。
ちなみにコパイロット氏にも同じように訊いてみたが、チャットさんの方が的を得た回答だった。
あとは命名だけか〜と思ったが、
もはや「ワークマン女子メンズ現象」でいい気がしてきた。ちょっと長いけど。
まぁワークマン女子無くなっちゃうんだけどね。
結局命名センスは磨かれたんだかどうだか。
でも人脈の代わりにチャットさんが相談相手になってくれることがわかった。
人脈なんていらなかったんや!