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おれは令和のプリンセス

シミらしきものを発見した。

左頬、ちょうど頬骨の一番高くなっているところがうっすらと茶色くなっている。

今はまだ目立たないが、これからの自分の行動次第で濃くなったり薄くなったりするんだろうか。
それともどんな行動を選択しようが未来は変わらないのだろうか。

シミで感じる可能性の世界パラレルワールド

今おれは人生の岐路に立っている。

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ディズニープラスに加入している。
姉にマンダロリアンが面白いから観てくれと言われて加入した。

マンダロリアンを観たら解約するつもりだったか、観終わった今もなんだかんだでズルズル契約を延長している。これがサブスクの力。金儲けを思いつく人たちはつくづく人間というものを理解している。

昨日は『マレフィセント』を観た。

眠れる森の美女に出てくる魔女、マレフィセントが主人公のお話。

なんやかんやでマレフィセントが生まれたばかりのオーロラ姫に呪いをかけたせいで国中てんやわんやの大騒ぎ、という感じ(超訳)。

このマレフィセントがオーロラ姫にかけた呪いが独特で、「16歳になったら糸車の針に触れて死の眠りにつく」というもの。

なんてオリジナリティに富んだ呪いなんだ。

生まれたばかりの赤ん坊に「16歳になったら」という条件付きの呪いをかける発想、自分にはない。
未来を想像する力がないので、あらゆるものに即効性を求めてしまう。今すぐ効いてほしい。五感で理解できる形で。

「糸車の針に触れる」というトリガーも謎だ。

「16歳になったら」という時間指定だけで条件としては充分なのに、わざわざ「糸車に触れる」という発動条件を加えたのだ。なぜ、なぜそんなことを。

この魔法を実行するプログラムがあるとしたら、ソースコードを読んだプログラマーは首を傾げるに違いない。

マレフィセントさん、この条件要りますか?

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先日、生まれて初めて『アナ雪』を見たが、エルサがあの有名な歌を歌うシーンでビックリした。

熱唱しながらクリエイティビティ迸る城をニョキニョキと生やすエルサ。雪の結晶をベースのモチーフに、柱の細部にまで装飾が施された美しいお城が一瞬で完成する。

瞬時に、そして細部にまで表現が行き届いた物質を具現化させることができる。これぞ創造。エルサ、生粋のクリエイターすぎる。

マレフィセントの呪いのオリジナリティといい、エルサが繰り出す芸術的な魔法といい、優秀な魔法使いには想像力と創造力が必須なのだろう。

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左頬に今まさに生まれようとしているシミは、遥か昔に自分が浴びた紫外線が原因だ。

紫外線がおれに遅効性の呪いを仕掛けてきた。
時限爆弾ならぬ時限呪縛。

マレフィセントが未来のオーロラ姫に死の眠りにつく呪いをかけたように、紫外線が未来のおれにシミが発生する呪いをかけたのだ。

なぜだ紫外線よ。
おれが一体何をした。
いやむしろ何もしなかったからか。
日焼け止めとかめんどくさいし、冬は寒いから自ら日光浴びに行くし、つまりはそういうことか。

どうせシミになるなら創造力に富んだおもしろい小ネタとか仕込んでないのか紫外線よ。そんなんじゃマレフィセントになれないぞ。

おもしろい小ネタってなんだろう。
シミの形で笑わせにくるのかな。
だんだんとヒソカの💧みたいなマークになるとか?


シミでヒソカになれるなら…?



だとしたら許しちゃうかもしれない。
いやまて、するといつか右頬にもシミができるんだろうか?星形のシミが??

ホントに許せるか?ヒソカのアレ、タトゥーだぞ?
本家ですらシャワー浴びたらマーク消えるのに、おれは寝ても覚めてもシミが消えないでずっとヒソカ気取りでいるのおかしくない??

そういえばオーロラ姫の呪いは「真実の愛のキス」で解けるんだった。
おれの呪いも解けばいいんだ。
ビタミンCという名の熱いキッスを塗り込めばいいの?でもめんどくさいね??

シミに効く食べ物で検索するとカボチャが出てくる。
カボチャは好きだ。どんどん食べよう。

物語は違えどカボチャの馬車とか出てくるディズニープリンセスの話があるし、カボチャ、メルヘンでいいじゃない。

でもなんでだろう、カボチャでメルヘンって聞くと、カボチャパンツを穿いた王子の絵面が頭に浮かぶ。

謎のビタミンCを塗りたくって唇がテラッテラのカボチャパンツを穿いた王子様が、おれの呪いを解くためにキッスを迫る胸熱展開。

いや全然胸熱じゃないな。
いやだなそんな未来。
がんばってカボチャ食おう。

未来に王子は要らない、未来は自分の手で創るもの。

おれは令和のプリンセスだから。

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