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調布市議会の議員報酬について

はじめに

今回は気になる議員報酬について調べてみました。

1.月額議員報酬について

調布市議会議員の月額議員報酬は以下のとおりです。

  • 議長   640,000円

  • 副議長  580,000円

  • 議員   550,000円

これは他の市と比べてどうでしょうか。今回もランキングを見ていきます。

全国市議会議長会「市議会議員定数・報酬に関する調査結果:令和4年12月31日現在」より作成

議員報酬については地域によっての格差は大きいと感じました。1位は横浜市の95万3千円ですが、最下位は夕張市の18万円で5倍近い差があります。
調布市の55万円は125位と比較的上位にありますが、それでも金額的には上位とかなり差があります。

月額議員報酬を10万円ごとにグループ分けして分布を示したのが上の図です。30万円~40万円のグループが372自治体と一番多く、次いで40万円~50万円のグループになっています。

2.期末手当について

議員報酬には月額報酬とは別に期末手当というものがあります。民間企業でいうボーナスですね。
調布市の期末手当については、少しわかりにくいですが以下のように定められています。

<調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例>
(期末手当)
第9条 議長,副議長及び議員で2月末日,5月31日及び11月30日(以下この条において「基準日」という。)に在職する者に対し期末手当を支給する。
2 期末手当の額は,基準日現在において受けるべき議員報酬月額及びその議員報酬月額に100分の20を乗じて得た額の合計額に年間(4月1日から翌年3月31日までをいう。)を通じて100分の455を超えない範囲内で規則で定める割合を乗じて得た額に,2月末日及び5月31日を基準日とする期末手当については基準日以前3月間,11月30日を基準日とする期末手当については基準日以前6月間における,その者の在職期間に応じ,次の各号に掲げる割合を乗じて得た額とする。

「調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例」より抜粋

まず期末手当のベースとなるのは、単純な月額報酬ではなく「議員報酬月額及びその議員報酬月額に100分の20を乗じて得た額の合計額」とあるので、月額報酬の1.2倍がベースになるようです。
次に、何か月分なのかということについては、「年間(4月1日から翌年3月31日までをいう。)を通じて100分の455を超えない範囲内」とあるので年間で4.55か月分が最大ということになりそうです(ベースが1.2倍されているので、通常の月額報酬換算では5.46か月分になります)。

とはいえこれは最大値なので、実績がどうなっているかも確認しましょう。

<調布市議会議員の期末手当に関する規則>
(期末手当の割合)
第2条 条例第9条第2項に規定する規則で定める割合は,2月末日を基準日として支給する期末手当については100分の25,5月31日を基準日として支給する期末手当については100分の215,11月30日を基準日として支給する期末手当については100分の215とする。

附 則(令和4年12月20日規則第87号)
(特例措置)
3 令和4年11月30日を基準日とする期末手当に関する改正後の規則第2条の規定の適用については,同条中「100分の215とする」とあるのは,「100分の220とする」とする。

「調布市議会議員の期末手当に関する規則」より抜粋

調布市議会議員の期末手当は年3回なんですね。上記を整理すると以下のとおりになります。

  • 2月末日 100分の25

  • 5月末日 100分の215

  • 11月末日  100分の220(特例措置により)

25+215+200=460🤔
455超えてるなと思いましたが、どうやら令和4年12月に445⇒455に条例改正があったようなので、2月または5月分が少なかったのかなと推察しています。
ともあれ、条例で定める満額が支給されていそうですね。

この期末手当の増額についての議論された議事録が以下になります。少し長くなりますので、ご興味があればご覧ください。一部反対された議員の方もいらしたんですね。

△第13 議案第101号 調布市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

△第14 議案第102号 調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

小林市之 議長  日程第13、日程第14、以上2件一括議題といたします。
 事務局に朗読させます。
   〔書記朗読〕

小林市之 議長  以上で朗読は終わりました。
 続いて提案理由の説明を求めます。長友市長。
   〔長友 貴樹市長登壇〕

長友貴樹 市長  議案第101号につきまして提案理由を御説明申し上げます。
 本案は、調布市職員の給与に関する条例の一部を改正するものであります。
 その内容としましては、職員の給与改定でありますが、東京都におきましては、東京都人事委員会の職員の給与に関する勧告等に基づき、給与改定を実施することとしております。
 調布市におきましても、東京都人事委員会勧告等と歩調を合わせる中で、職員の給与改定を行うものであります。
 今回の給与改定は、職員の給料月額を引き上げるとともに、特定任期付職員の期末手当の支給割合を年間を通じ100分の335から100分の345に改めるほか、職員の勤勉手当の支給期ごとの支給割合を100分の102.5から100分の107.5に改めるものであります。
 また、再任用職員等につきましても、職員に準じ給与改定を行うものであります。
 よろしく御審議の上、御決定くださいますようお願い申し上げます。
 続きまして、議案第102号につきまして提案理由を御説明申し上げます。
 本案は、調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正するものであります。
 その内容としましては、東京都人事委員会の職員の給与に関する勧告を踏まえた職員及び市長等常勤特別職の期末勤勉手当の支給割合の引上げ等の状況を考慮し、議員の期末手当の支給割合を年間を通じ100分の445から100分の455に改めるものであります。
 よろしく御審議の上、御決定くださいますようお願い申し上げます。

小林市之 議長  以上で提案理由の説明は終わりました。
 これより質疑に入りますが、発言の通告はありませんので、質疑を打ち切ります。
 付託を行います。
 本2件は総務委員会に付託いたします。
 議会運営委員長の報告のとおり、ここで委員会審査のため暫時休憩いたします。
   午前 9時50分 休憩
       ――――――――――― ―― ―――――――――――
   午前10時34分 開議

小林市之 議長  本会議を再開いたします。
 本会議休憩中に、議案第101号、議案第102号、以上2件の委員会審査が終了した旨、総務委員長から報告がありました。
 お諮りいたします。
 この際、これを日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林市之 議長  御異議なしと認めます。よって、日程に追加し、議題といたします。
       ――――――――――― ―― ―――――――――――
△追加日程 議案第101号 調布市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
(委員会審査報告)

△追加日程 議案第102号 調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
(委員会審査報告)

小林市之 議長  追加日程 議案第101号、追加日程 議案第102号、以上2件一括議題といたします。
 本2件は総務委員会において審査を受けておりますので、その報告を狩野明彦委員長に求めます。狩野明彦委員長。
   〔狩野 明彦総務委員長登壇〕

狩野明彦 総務委員長  総務委員会の審査結果につきまして、御報告申し上げます。
 議案第101号 調布市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、本件につきましては、採決の結果、全員異議なく原案了承と決しました。
 議案第102号 調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例、本件につきましては、採決の結果、賛成多数をもって原案了承と決しました。
 以上、報告を終わります。

小林市之 議長  以上で委員長の報告は終わりました。
 報告に対する質疑を許します。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

小林市之 議長  質疑なしと認め、質疑を打ち切ります。
 これより討論に入りますが、ただいまのところ通告はありません。ほかに討論はありませんか。
 3番、坂内淳議員。

3番(坂内淳 議員)  日本共産党は、議案第102号、調布市議会議員の報酬並びに費用弁償に関する条例の一部を改正する条例に反対します。
 本条例は、調布市議会議員の期末手当の支給割合を増やすものです。
 現在、コロナ禍に続く物価の持続的高騰で市民生活並びに営業は大変な困難に陥っています。行政の支援策はまだ十分に行き届いておりません。公的扶助や年金の引上げは国ではまだ実施をされていません。逆に介護、医療などの社会保障費の負担増が予定されている中で、市議会議員の期末手当を上げることは到底市民の理解を得ることはできません。
 以上の理由で、日本共産党は議案第102号に反対するものです。

小林市之 議長  23番、井上耕志議員。

23番(井上耕志 議員)  議案第102号 調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例について、チャレンジ調布21を代表して、賛成の立場から討論をいたします。
 本条例案は、市議会議員の期末手当の支給割合について、令和4年東京都人事委員会勧告の内容を参考としながら、一般職職員や市長等常勤特別職と同様に0.1月分の引上げを行う内容であります。
 東京都人事委員会による勧告は、都内の企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の事業所の中から約1,200事業所を無作為抽出し調査をした結果に基づくものですので、民間企業の動向をおおむね適切に捉えたものと認識しております。
 また、多摩地区の26市におきましても、東京都人事委員会勧告の内容を参考としながら、一般職職員と連動して改定を行っている自治体が多いと伺っております。
 調布市における市議会議員の期末手当の支給割合は、一般職職員と同様に社会情勢等を適切に反映させていくという観点から、引上げについても、引下げについても、これまで東京都人事委員会の勧告内容を踏まえた支給割合とされてきております。
 一方、期末手当を算定する基礎となる報酬月額については、2年ごとに開催される調布市特別職報酬等審議会において、公平、公正に様々な角度からの議論がなされた上で答申がなされ、これに基づき改定等されているものと認識をしております。
 以上のことから、社会経済情勢を適切に反映していくため、東京都人事委員会の勧告内容を踏まえたこのたびの支給割合の改正は妥当であると判断して、本案に賛成するものであります。
 以上です。

小林市之 議長  2番、木下安子議員。

2番(木下安子 議員)  生活者ネットワークは、議案第102号 調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論いたします。
 本条例改正は、市議会議員の期末手当の支給割合を現状の100分の445から100分の455に引き上げるものです。
 今回、東京都人事委員会勧告に基づき、若年層の職員の給与を引上げ、正規職員と再任用職員の勤勉手当と特定任期付職員の期末手当を引き上げる条例改正案も先ほど審査をされたところです。これらにつきましては、複雑化、高度化する課題解決に対応する人材を必要としている調布市としては、専門性や高い意欲を持つ人材を確保することは必至であり、異論はございません。
 一方、今回の職員の給与に関わる条例改正は、主に勤勉手当が対象となっていることから、2020年、2021年と期末手当が引下げとなった際には影響を受けた会計年度任用職員が処遇改善の対象から外れております。現在、1,200人いる市の会計年度任用職員の中には、子どもの命を預かる保育士や夜間まで利用者対応に当たる図書館司書など、高い専門性と経験を有していながら、専門資格が十分に評価されない給与体系の中、市政運営を担う職員も数多くいます。
 コロナのみならず、物価高騰の影響を受ける中、こういった職員は2回にわたり期末手当が引下げとなったままです。そして、その9割以上が女性という現状があります。
 調布市においては、先ほどの議案101号の審査において、報酬単価の見直しなど、処遇改善に向けて前向きに取り組むとの答弁がありましたが、専門性への評価も含め、会計年度任用職員の処遇改善には継続した取組を求めるものです。
 今、このように市役所内でも市政に関わる人々の処遇に格差が出ておりますが、市内においても物価高騰の影響などから市民の間でも格差はさらに拡大をしており、所得の少ない人ほど厳しい生活を強いられています。
 あらゆる市民に寄り添う立場にある議員としては、心情的にも期末手当の引上げには賛同しかねますし、また、市民の理解も得にくいものと考えております。
 以上の理由により、生活者ネットワークは議案第102号に反対をいたします。
 以上です。

小林市之 議長  7番、澤井慧議員。

7番(澤井慧 議員)  議案第102号 調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例につきまして、日本維新の会は反対の立場から討論いたします。
 令和2年1月に国内で初めて感染者が確認された新型コロナウイルス感染症は、いまだ終息の兆しは見えず、約3年にもわたり市民生活や経済活動にも大きな影響が生じております。収入が減少した方、職を失われた方など、いまだ多くの市民が経済的に困難な状況を強いられており、引き続き市民や事業者等に対してきめ細やかな支援が必要であります。
 コロナ禍においても収入が減るなど景気の影響を受けることがない我々議員が率先して、不安を抱く市民に寄り添い、痛みを共有することは当然であり、自らの身を切り、模範を示すべきであります。
 言うまでもなく、議員報酬の原資は、市民の皆様に納めていただいた貴重な税金であり、厳しい財政状況が叫ばれる中で、議員の期末手当を引き上げることは、納税者の皆様の御理解、御納得をいただけないと考え、本議案に反対をいたします。
 以上です。

小林市之 議長  討論を打ち切ります。
 これより採決を行います。
 追加日程 議案第102号 調布市議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例、本件に対する委員長の報告は可決であります。本件は委員長の報告のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

小林市之 議長  本件は起立多数をもって可決されました。
 追加日程 議案第101号 調布市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、本件に対する委員長の報告は可決であります。本件は委員長の報告のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

小林市之 議長  本件は満場一致をもって可決されました。

調布市議会会議録検索システムにて検索「令和4年 第4回 定例会-12月20日-06号」より抜粋

月額議員報酬のように他市を含めて、一覧になっているようなデータは見当たらなかったので比較はできませんが、DODAの調査によると"「2021年9月~2022年8月の1年間に支給されたボーナス」が月収の何カ月分かを見ると、全体では2.57カ月分”とのことなので、民間の平均より多いと言えそうです。(民間もピンキリですが…)

3.推定年収について

これで月額議員報酬と期末手当が分かったので、表面的な年収はざっくり分かりそうです。

議長・副議長でない市議会議員の場合
 月額議員報酬= 55万円×12か月      = 660万円
 期末手当  = 55万円×1.2×4.55か月 = 300万円
 推定年収  = 960万円

ということで、調布市議会議員の推定年収は960万円程度と推測されます。国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査結果について」によれば正社員の平均年収は508万円であったことから、民間と比較すれば高給取りと言えそうです。
一方で選挙で当選できなければ職を失うことにもなるので、それなりのリスクも負っているとも考えられますね。

4.最後に

今回は調布市議会の議員報酬について調べてみました。月額報酬は簡単に調べられたのですが、期末手当はちょっと複雑でしたね。
また、色々調べて共有していきたいと思います。それではごきげんよう。


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