ねこた

400字ぐらいで一発書きする遊びをしてます https://twitter.com/miki_shiro

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生まれるべき場所がどこかに

自分にとって最上の安息と充実をもたらせてくれる生活と街が、地球のどこかにあるかもしれないというお話。 以前Twitterに書いたかもしれないし、もしかするとこのnoteの下の方に書いてるかもしれないけど、もう一度、このまえ遊びに行った友人の事を書いておこうと思う。 私の友人の奥さんは15年ほど前に北欧の某国から日本の大学にやってきた留学生で、ひとたび北白河通りを歩けば大抵の日本人は振り返りため息をつくほどの金髪碧眼の美女であった。当時ヨーロッパ出身の留学生が集うコミュニテ

    • 大阪人の重層的メンタリティについて

      以下完全に個人の仮説考察なので気楽にしてください。 先日ふとしたことで大阪のお好み焼きと広島のお好み焼きの所謂「大広お好み焼き頂上決戦」に巻き込まれたんですが、若干の違和感を感じたというか、もしかすると大阪人と広島人は別のレイヤーで争っているのでは?と思ったので文字に起こします。 そもそも大阪人が他の地域の人たちから異文化人であるように見られている根本的な原因は、大阪の実際の文化風習ではなく、大阪人自体の所作にあるというのが僕が抱き続けている仮説です。 特に「そうそう、

      • 惑星のような生き方

        子供というのは自分の鏡のようなもので、彼女たちの生き様を見るたびに、自分の性格や性質を突きつけられているようでもやもやするときがよくある。 例えば「コツコツと一つの事を継続して行う」という事ができない。できない子供達を見ていると、それがずっとできないで生きてきた自分の人生を横から見ているようでいたたまれない。結局コツコツ努力する、という事は45年生きても全く身につかなかったし、今は別にそれが駄目なことだとは1mmも感じない。 自分にあったやり方で生きていけばそれでいいんだ

        • 繁華街少年はサイバーパンクの夢を見るか

          さて、返金騒動でゲーマー以外でも有名になってしまった『サイバーパンク2077』について、1回目のゲームが終了したのでここに書いておこうと思う。このゲーム、僕にとっては人生の一つのマイルストーンでもある。 そもそもサイバーパンクという概念、意匠、思想についてはここに記さないが、僕がサイバーパンクというものにある種の『郷愁』を感じてしまうのは、僕の生まれ育った街のせいでもある。大阪の京橋という土地は、大阪の中でも有数の繁華街の一つであり、その中でもどちらかというと薄汚れてジメジ

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        生まれるべき場所がどこかに

          思い出は存在せず

          昔に付き合っていた女の子の一人がだいぶ特殊な価値観と性癖を持った子で、僕はその子との日常が今でもお気に入りの思い出になっている。 以前その子との色々な出来事を人に話している時に、あまりに突飛な話なので、僕の作り話なんじゃないかと疑われたのだけれど、それが本当にあったことなのだと証明することは最後までできなかった。 もうその子が今どこに住んでいるのか、生きているのかさえわからないし、そもそもその子と僕が出会った別れたという証拠自体がない。そういうわけで、だんだんとその子の事

          思い出は存在せず

          気がつけば夏も

          なんだか色々な事があったようにも、なんにもなかったようにも思える変な時間を過ごしている内に今日は立秋らしい。暦の上では秋だ。 昔から夏は好きな季節ではなかったので、夏を力いっぱい抱きしめたいTUBE的な人たちと比べればそれほどダメージはない。海や山で育ったわけではないので、夏はプールと、セミと、銀紙に包まれたホームランバー。 でもそれ以上に夏は死の匂いがして好きになれなかった。終戦の日、原爆の日、日航機墜落事故、お盆。僕の家の近くにある駅には、大阪大空襲で1トン爆弾が落ち

          気がつけば夏も

          ナイトフィッシング イズ

          今年も暑くなってきたのでTシャツを出した。Tシャツを着るたびに思い出す変なお話。これは400字じゃ無理です。 今から20年前、2000年の夏に、僕は酷い失恋をして大学院生としての研究も、人間としての生活も破綻していた。 1ヶ月位食うや食わずの生活が続いて、やっと部屋の隅に溜まった綿埃を指で摘んでゴミ箱に捨てる、という行為ができるようになった頃、研究室の後輩である西島君と千夏ちゃんが、僕の部屋にやってきた。 「みきしろさん、釣りに行きましょう。こんな日当たりも悪いジメジメ

          ナイトフィッシング イズ

          恥ずかしくて見れない話

          NetflixからU-nextに移籍した。 Netflixは1年ほど視聴していたが、結局Netflixが作るオリジナルドラマはたいてい3,4話ぐらいで止めてしまうので、きっと自分にとって映像の物語は2.5時間位で決着がついて欲しいんだろうと思う。今日は2時間位かけて邦画コンテンツを古い順から全部見て、リストに入れる作業を楽しんでいた。 邦画ってつくづく、ヤクザと寅さんと変身ヒーローでできてるんだなぁ・・・と思いながら年代順にリストをみていると、岩井俊二の作品群が現れた。大

          恥ずかしくて見れない話

          平日常設展

          お酒を飲まないので、物忌が明けても繁華街に行こうという気は起きない。 でも博物館や美術館にはしばらく行っていないので、はやく行きたいなとは思う。展示されているものに対して、何かしらの素養があるわけではない。特に何が見たいというものでもないのだが、とにかくあの空間に身を置きたいという欲望はある。 空間が好きなので、特別展より常設展の方が好きだ。うまく仕事が調整できた時は、すっぱり休みを取って、どこか美術館や博物館に行く。京阪神地域に住んでいると、選択肢が多いので助かる。そし

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          生きる背骨

          「人がまっすぐ立てるのは、背骨があるからだ。体の背骨は生まれたときからあるが、心の背骨は君たちが自分で作っていくんだよ。」 小学生の頃、非常に体が弱かった僕は、親から水泳と剣道を習わされていた。剣道は、近くの警察署の3階に週に3日通っていた。警察署の少年剣道は警察官の師範が教えるものだが、その警察署の場合は、近くに剣道の有名な先生が住んでいたので、その人が通って教えてくれていた。 どう見ても「おじいさん」としか呼べない老年の師匠は、背は低く骨ばってはいたが、姿勢だけはまっ

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          弱い紐帯の強み

          マーク・グラノヴェッターという社会学者の論文に「弱い紐帯(ちゅうたい)の強み”The strength of weak ties” 」という有名なものがある。僕が初めてこの言葉を知ったのは、Tumblrから流れてきたあるベンチャー企業の社長のブログだった。幸いなことにその人はまだ事業を続けていて、ブログも残してくれているので、まだその記事が読める。とても熱く面白い記事なので是非オススメしたい。この人が望んだTwitterは、もう戻ってこないかもしれないけど。 Weak ti

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          これで終わり

          ここ十数年、働きながら色々なものを買ってきたが、どうもその傾向として「コロコロと色々なものを買い換えるが、一つのものに落ち着くとそれしか買わなくなる。」というのがある。ここ数年は特に顕著になってきている。例えば、靴に関してはたくさん買い替えたし、たくさん持っていたけど、BIRKENSTOCKのLONDONを買ってから、もう5年ほど毎年ソールを張り替えて、ほぼそれだけを履き続けている。手帳もここ数年は能率手帳とバイブルサイズのシステム手帳しか使わなくなった。 他にも歯磨き粉や

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          大丈夫じゃなかった事なんて無い

          「ほんとに大丈夫かな?」と不安になるのが得意だ。 最悪の場合を想定するので、仕事ではそれが価値を持ったりするときもあるが、個人的には身が持たないと思うときもある。 よくそれだけまだ起きてもいない事を心配できるなと思うが、気がつけばあれこれとシミュレーションをし、勝手に不安になって落ち込んでいる。ここ数年はちょっと冷静になって、いままでの半生について、心配のコストパフォーマンスについて考えることが多い。 「心配のコスパ」という言葉があるのかどうかわからないが、心配や不安と

          大丈夫じゃなかった事なんて無い

          うそをつく大阪人

          テレビで「変な大阪人」をよく見る。その影響か、大阪人と大阪人以外(主に東日本の人達)との会話を横で聞いていると、たいてい出くわすのがこういう会話だ。 非大阪「大阪の人って〇〇なんだよね。」 大阪「そうそう、そうやねん、〇〇やねん、びっくるするやろー。」 非大阪「えーやっぱりそうなんだ。」 この〇〇には例えば「たこ焼き器がどの家庭にも絶対にある」とか「ピストルで撃つ真似をしたら必ず倒れる」とか「お好み焼きとご飯を必ず一緒に食べる」とか「阪神タイガースが勝った日は必ず誰かが道

          うそをつく大阪人

          夜を駆けて

          長女氏が自粛やら受験やらで色々と煮詰まっていたので夜の散歩をすることにした。自転車で目的地を決めずとにかく進む。我が家は下町なので、暗い住宅地を抜けると明るい繁華街に出て、そこを横切るとまた暗い住宅地が続いている。その繰り返しだ。 こんな時期なのでお店は閉まっているが、色々な人とすれ違う。しばらく家に籠もっていたので、自分の知らない、これから知ることもない人たちが、自分の知らない所で知らない生活を生きている事に違和感を感じる。 遠くのマンションを見ると、暖色や寒色の部屋の

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          貧者のコーヒー

          コーヒーくらいしか楽しみがない。というとなんだか寂しいが、嗜好品の類に関してはそのとおりだと思う。数年前に腎結石を破砕して、あまりの痛さに「石が大きくなるので、あまり良くないですよ。」と言われたコーヒーを絶っていたが、ここ最近また飲み始めた。 もとより、あらゆる事柄に対して「一定以上の差」が理解できない雑な性格なので、道具に拘る気もない。フィルターも100円ショップので十分だし、豆も「キリマンジャロ」であればお店にはこだわらない。挽いた粉を買わないのは、味が落ちるからという

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