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文科省の課長と完全に平行線だった研修。どうする?この現場の反応。

先日、文科省の初等中等教育局特別支援教育課長の山田さんの研修講義を聴いた。

この、緊急研修の趣旨をまず説明すると、私の勤務する自治体では文科省の4月の通知を受けて、来年度からの支援学級のあり方を変えることになっている。具体的には、支援学級に在籍するなら週に半分以上は支援学級での授業を受け、1日1時間程度なら、通常の学級に在籍して通級を利用する方向で支援学級を退級するということ。この通知を5月に保護者に行い、6月に説明会を行ったが、保護者や教師からの猛反発を市教委が受けている。そのため、何とかこの事態を収めようと市教委もあれこれと手を打ってきている。そして、先日、この変更の猶予期間を2年間設ける。(来年度からの完全実施はあきらめて、2年後からとする)というような新たな通知を出したりして、余計に混乱している。しかし、何とかしようと市教委の苦肉の策で、今回は理論編として文科省から、実践編として特総研から説明してもらおうということにしたようです。

研修の内容は、まず、支援学級の担任は臨時採用の先生の割合が多いというデータをあげ、支援の専門性をあげていこうという気持ちが、この人事配置から見ても感じられないとか、管理職に支援学級の経験者がほぼいないとか、学校現場で支援教育の重要性が重く受け止められていないことを危惧するようなお話がありました。

まあ、端的に言うと結局は文科省の「障害のある子どもの教育支援の手引き」を読んでそれに従ってほしいということです。

私は、同僚の先生とこの手引きの前からあった「教育支援資料」を読んでいたので、「ウチの自治体は、この手引きと全然違うけど、いいのかな。」という話をしていました。
管理職や市教委に質問したこともありますが、管理職は「指導主事が言うんだから間違いない。」といい、市教委は「ウチには他市とは違う歴史がある。」と言われ、取り合ってはもらえませんでした。

それが、急に今年度になって「文科省の指示に従って」ということになり、現場が慌てています。


ウチの自治体は、市教委主導で「ウチは他市とは違う!」「保護者が望めば支援学級に入れる」「数値や診断名にはこだわらない」という独自路線で、多動、低学力、不登校、家庭の問題のある子など、とにかく通常の学級担任にとって負担となりそうな子を次々と支援学級に入れ、特に国語、算数などの主要教科はそういった子たちが通常の学級にいない状態にしてきたので、支援学級が異常に増え、そのほとんどの子たちは障害がないか、軽度の学習障害で、文科省の手引きでいえば、支援学級の対象児童ではありません。
ただ、長年にわたって障害の有無に関係なく、手のかかりそうな子は支援学級へという措置をしてきたため、その子たちが通常の学級に戻ってくることをほとんどの教師は受け入れられないようです。
学習のゆっくりな子は、進まない漢字ドリル、計算ドリル、テストなどで時間を取られることが多く、その仕事をほぼ支援学級担任に丸投げしてきたので、そこを今更通常の学級担任がするという発想がありません。
支援学級とは、教室の授業ではついていきにくい子の個別の教科学習指導の場として長年定着しているので、「自立活動」はもちろんほぼ行われていないし、それが必要な子もほぼいないというのが現状です。
「自立活動とかいりません。勉強が追いつくようにして欲しい。」という保護者が多く、中には、「ウチの子は障害児ではありません。支援学級にはただ(無料)の塾だと思って入れています。」とはっきり言う保護者もいました。
教師の方も「算数が遅れそうなので、支援学級でやってきてください。」「支援学級では、教室と同じ国語と算数の学習が少人数でやってください。」「九九がなかなか覚えられないので、この子は支援学級に入れてください。」とか「この子は漢字の書き順がめちゃくちゃなので支援学級に入れてください。」とかそういう感覚です。びっくりしますが、結構お金のある自治体なので、そうやって支援学級を急増させても、その子たちに「支援教育就学奨励費」を払っても、やっていけてたようです。

でも、もし、本当になんの診断も要らず、支援学級で単に個別または少人数での学習指導だけしてもらい、さらに奨励費までもらえるなら、とりあえず在籍したい人はたくさんいます。

そして、その状態をなぜか「ウチの自治体はインクルーシブ教育が進んでいる」と言っているのが謎です。


今回の山田課長の研修の後の質問でも、「グレーの子はどうするんですか!」という怒りの質問が・・・。「今までグレーの子はずっと支援学級で学習してきました!」と言ってました。
そもそも、それが違うのに・・・と私は感じますが、「山田課長のお考えとは相いれません!」とまで言ってました。

私は、安易な入級で通常の授業を受けていない子が大量に存在することや、その子たちの個別の学習保障さえもできないほど、支援学級担任の質が低いことも(学級崩壊した教師、育休明けの教師、講師の受け皿と言われている)問題が大きいと感じています。
そして、何より「すべての子が地域の学校で」というインクルーシブを目指したいのに、重度の子が地域では見てもらえない(軽度が多すぎて)から支援学校を選択するケースが横行し、この状況はインクルーシブ教育を目指す動きとしていいのかなと疑問がいっぱいです。


そして、このnoteを下書きに入れて完成する前に次のnewsが!

続きは次の回で。


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