ポッキー

公認心理師。特別支援教育士。現役公立小学校教諭。20年以上に渡り支援学級を中心に知的障害の子どもの学習指導に従事。 特別支援教育が始まって10年以上が経過したが、学校現場ではまだまだ誤解と偏見が溢れている。 共生社会を目指すための公教育の現状と目指したい取り組みについて考える。

ポッキー

公認心理師。特別支援教育士。現役公立小学校教諭。20年以上に渡り支援学級を中心に知的障害の子どもの学習指導に従事。 特別支援教育が始まって10年以上が経過したが、学校現場ではまだまだ誤解と偏見が溢れている。 共生社会を目指すための公教育の現状と目指したい取り組みについて考える。

マガジン

  • 特別支援教育のあれこれ

    特別支援教育の制度や実際の問題点や疑問点など、あれこれと思うこと。

最近の記事

新しい学習教室の形

京都の「スタジオあお」さん 先日、古い友人から教師を辞めて学習塾の経営をしている人を紹介してもらった。 その人の話から、ここの塾の見学に行ったことで「塾」のイメージや考えが変わり、自分もやりたいと思ったと聞いた。 教えてもらって、ホームページを見てみたが、確かに多くの人がイメージする「塾」とは全然違う。 自分の子も行って欲しくなるような学習教室だった。 実は、私も教師を辞めて学習教室をしたいという夢がある。 今まで、支援学級でどんな「知的障害」の子どもたちにも学習を諦めず

    • SDGsの研修

      Get the point というカードゲーム 先日、SDGsの研修で「Get the point」というカードゲームをやった。 4人1組でやるのですが、レアメタルや鉄といった要素を使うと高ポイントをゲットできるが、1回限りで、無くなったら終わり。木材🪵などは、1回で得られるポイントは少ないけど、また復活して何度も使う事ができます。 1回目は、「自分ができるだけ高得点を取るよう」に指示され、 2回目は、「チームで高得点を取りながら、しかも10回以上続ける」という指示でした。

      • 未来の学校を思い描くワーク。

        研修のワークで。 先日、職場でイエナプランの大日向小教頭の「青山光一」先生の研修があった。 先生の話は1時間弱と短く、あとはグループワークだった。 「今の学校」でなくしてもいいもの、変えていけばいいもの、あったらいいものをザーッと出してみよう!みたいな感じでした。 「なくしてもいいんじゃない」というものには、 ・通知表 ・通知表の所見 ・定期テスト ・家庭訪問 ・個人懇談 ・職員会議 ・企画会議 ・出席日数の縛り などなど。 「あったらいいな」には、 ・保護者対応(ク

        • 発達障害児はどこで学ぶ?どう学ぶ?

          昨日の研修 昨日、職場で「支援教育」研修があった。 こういう研修を受けると、最近はもやもやする気持ちになる。 私の勤務する自治体は、支援学級に入級する基準が実質ないので、保護者が個別に学習を見てほしいと思えば入級できる。 そのため、およそ1学年分の人数に近い児童が在籍している。 もちろんそんなに「障害児」がいるということではなく、ほとんどの子は診断もなく、多少「過敏」などの特性などはあっても、テストでは十分100点が取れる子がほとんどだ。 それでも、なぜか途中入級も後を絶

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        • 特別支援教育のあれこれ
          12本

        記事

          次の一歩。

          次の一歩って、頭でぐるぐる回るだけで実際に実行に移すって結構ハードルが高い。 でも、昨日の超久しぶりの投稿でも読んでくれて、「すき」を押してくれた人がいるのにかなり驚いて、勇気をもらいました。 今、現役で小学校教員をしています。 長い教師生活のほとんどは支援学級の担任をしてきた。 20年前の「養護学級」時代からやってきた私にとって、今の「特に障害がなくても、少し勉強が苦手かも」で支援学級への入級ができて、やたらと支援学級の児童が多いのには違和感を感じてる。 昨年まで勤めて

          次の一歩。

          継続は難し。しかし、諦めない。

          久々の投稿 1年前、父の介護のため夏休みに介護休暇を取った時、病床の父の横にいる時間を使ってnoteを始めました。 しかし、9月に父が他界し張り詰めたものがなくなり、今までほったらかしだったこどもたちとの時間を増やそうとか、仕事も頑張ろうなどど思っているうちにこんなに時間が経ってしまいました。 継続して記事を書いていくってほんとに難しいなとひしひしと感じながらも、せっかくアカウントも作ったことだしもう一回何か書いてみようと思いパソコンに向かっています。 現状報告 今年

          継続は難し。しかし、諦めない。

          国連と保護者、真逆の訴え。どっちがインクルーシブなのか?

          文科省の通知撤廃を求める2つの動き。 先日、こんな記事を読んだ。 文科省の4月の通知に対して枚方市と大東市の保護者が撤廃の申立てをしたという。 この通知に対しては、9月に国連からも撤廃を要請されている。 どちらもインクルーシブ教育に反するという理由で撤廃を求めているが、実は内容は真逆である。 大阪の保護者は、今まで少ない時間、あるいはほとんど通常の学級にいても支援学級に在籍できていたのに、在籍してるなら半分以上は支援学級に行けというのは、インクルーシブに反するという

          国連と保護者、真逆の訴え。どっちがインクルーシブなのか?

          支援学級のあり方、振り出しに戻る。

          振出しにもどり、今後も何でもありの支援学級に。 先日、私の勤める自治体の市教委から、今後の支援教育のあり方に関する説明会がありました。 要は、4月の文科省の通知を受けて、次年度より支援学級の在り方、在籍基準の明確化をします!と言っていましたが、各方面からの批判とご指摘の結果、今まで言ってきたことは「撤回します!」ということでした。 結局は今まで通りでオッケーになりました。 今まで通りでオッケー👌というのは、喜んでいる人もいるだろうけど、私はほんとにそれでいいのか疑問がい

          支援学級のあり方、振り出しに戻る。

          障害児に対する学校現場の高い社会的障壁。教員の意識改革が非常に難しい。

          現場での障害のある子への対応のリアル 今回の記事は、完全に職場の愚痴です。 私は、現在支援学級の担任をしていますが、ウチの学校には療育手帳がAやB1、B2という知的障害のお子さんが複数人います。 支援学級の担任の数より多く、マンツーマンでも足りないので、出来るだけ学年が同じ子は同じチームにしてもらわないと、対応できないなと思い、職員会議で提案したら、「同じチームに障害児が複数いたら、そのチームが負けてしまい、問題になるからバラバラにして欲しい」と反対されました。 走る距

          障害児に対する学校現場の高い社会的障壁。教員の意識改革が非常に難しい。

          国連と齟齬があるって大丈夫?文科省の考えるインクルーシブ教育ってなに?

          先日9日の国連の勧告を受けての13日の永岡文科大臣の回答。 この記事を見た瞬間、「日本は大丈夫か?」と思った。 この記事で気になる点。 その① 通知がインクルーシブを推進するって、どう理解すればいいの? これについては、大臣が日本の現状、世界の現状をどう解釈し、何をもってインクルーシブを推進するというのか、具体的な説明がないと理解しがたい。 その② 本当に障害児が普通教育を選択できている? ほんとにそうなのかな?では、なぜいまだにこんな裁判があり、しかも裁判でも負

          国連と齟齬があるって大丈夫?文科省の考えるインクルーシブ教育ってなに?

          9月9日の国連の勧告を受けて、どうなる?日本の特別支援教育!インクルーシブ教育は進むのか!

          先日、文科省の課長の研修を受けたことを記事にした。 研修はウェブ研修だったが、この研修の時に、「先日、ジュネーブに行ってきて、日本の特別支援教育について怒られた。」と言っていた。でも、「日本もインクルーシブ教育をちゃんと進めていますよと説明してきました。」と言ってました。 そして、日本の支援教育は教員の専門性が低いとか、臨時採用の教師が多く、支援教育が軽く扱われているとか、そういった話もされていた。 前回も書いたが、この研修の趣旨をまとめてみると。 ■4月に文科省から支援

          9月9日の国連の勧告を受けて、どうなる?日本の特別支援教育!インクルーシブ教育は進むのか!

          文科省の課長と完全に平行線だった研修。どうする?この現場の反応。

          先日、文科省の初等中等教育局特別支援教育課長の山田さんの研修講義を聴いた。 この、緊急研修の趣旨をまず説明すると、私の勤務する自治体では文科省の4月の通知を受けて、来年度からの支援学級のあり方を変えることになっている。具体的には、支援学級に在籍するなら週に半分以上は支援学級での授業を受け、1日1時間程度なら、通常の学級に在籍して通級を利用する方向で支援学級を退級するということ。この通知を5月に保護者に行い、6月に説明会を行ったが、保護者や教師からの猛反発を市教委が受けている

          文科省の課長と完全に平行線だった研修。どうする?この現場の反応。

          結構使える!プログラム学習の理論。

          プログラム学習って知っていますか? プログラム学習とは、アメリカの心理学者、バラス・フレデリック・スキナーによって開発された学習法のことです。 スキナーは、「オペラント条件付け」で有名で、動物の調教に使われていますが、これを、人間の教育に応用したものがプログラム学習です。 プログラム学習では、5つの原理があります。 1:スモール・ステップの原理 学習ステップを細かく設定し、ゆるやかに難易度が上がっていく教材をこなしていくことで、最終目標を達成できるようにします。 学

          結構使える!プログラム学習の理論。

          学校でのマルトリートメントについて考えてみた。

          この本知っていますか? 最近読んだ本の紹介をしてみます。 面白すぎて発売されてすぐに読んで、同僚や友達に「夏休みの課題図書です!」とラインを送りました。 マルトリートメントとは。 「マルトリートメント」という言葉は、公認心理師の国家試験の勉強中に知りました。「不適切な養育」と訳されることが多いけど、具体的にはどんなことが不適切なのかというと分かりにくい部分も多い。 ウィキペディアで調べてみると、 マルトリートメント(英: maltreatment)とは、「人あるい

          学校でのマルトリートメントについて考えてみた。

          絶対時短に使える教材!ウェブサイト編

          使える教材!ウェブサイト編。 以前より、教材集めは趣味のように楽しいましたが、コロナ以後はより一層ウェブの教材が充実してきたので、ここでまとめてみようと思いました。 基本的にはフリーのものです。 以前は印刷して使っていましたが、最近はタブレットに送ることも増えてきています。 私が集めている教材の対象は、「支援学級」の児童です。基本のものが多かったり、字が大きかったりするものが主流です。 ①プリントキッズ ②ちびむすドリル ③すきるまドリル ④すらすらプリント ⑤

          絶対時短に使える教材!ウェブサイト編

          「知的障害学級」が急増ってあり得る?

          知的障害学級急増の真相 ここのところ、「支援学級」の在り方についての文科省からの通知を受けて、支援学級界隈では、今後どうなるんだ~っとちょっとした騒ぎになってます。 詳しくは、「障害のある子の学びの場②」をお読みください。 そこで、「知的障害学級」の急増ってあり得るのか?という疑問を少し書いてみようと思います。 知的障害ってなに? そもそも、「知的障害」ってなんでしょう? 知的障害(ちてきしょうがい、英語: Intellectual Disability)とは、

          「知的障害学級」が急増ってあり得る?