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陳腐化しないマーケの教養を3つ暴露しちゃう
どうも、広告屋のエルモ(@elmo_marketing)です。
ネット上では、マーケティングの新手法が話題になることはあっても、根源的なマーケティングの「教養」については語られることは少ないのが現状です。「スグには使えないけど、長く役立つモノ」って貴重なんですけど、軽視されがちなんですよね。
今日はちょっとまじめに、マーケティングの教養について語っていこうと思います。
どうせなら、長く役に立つマーケ領域を学ぼう
1度手法を知ればすぐに成果が出る、そんな手法・領域がWEBマーケティングにはたくさんあります。
そんな背景もあって、いまマーケティング界隈は、「みんながまだ知らない新しい手法」を探すことに躍起になっています。新しい売り方をいち早く見つけられたら、それだけで市場を独占できるチャンス。まあ、悪いことではありません。
とはいえ、手法から入るマーケティング思考は、陳腐化しやすいのもまた事実。ノウハウはすぐにコピーできるので、一度知られたらすぐに周りもやりはじめます。
そして、手法ありきのマーケ思考だと、一度手法がコモディティ化すると拠り所を失います。
そこで、僕が推奨したいのが「人から入るマーケティング思考」。人を見てマーケティングしている人はメッチャ強いです。時代・環境に合わせて、「この人ならこう動くんじゃないか」と人起点の仮説が立てられるので、その時代に合わせたマーケティング手法を毎度あみ出していきます。(もちろん言うは易し、行うは難しなんですが.....)
つまり、手法ありきのマーケティングに比べて、「人から入るマーケ思考」は寿命が長いんです。1つの手法に頼らずとも、人を見て自分で新しい手法を生み出せますから。
さて、ここからが本題。
じゃあ、陳腐化しない、人を見たマーケティング思考ってどうやって育んでいくのかというと、「心理学、歴史、論理的思考力」をコツコツ学んでいくこと。すぐには使えないけど、長く役に立つ。いわゆる教養ってやつです。
では、それぞれ、詳しく書いていきます。
心理学(人が本能的に動く動機を知る)
まず、1つ目が心理学。これは、「人を知る」ために学ぶべき分野です。とくに心理学を学ぶ上で意識したいのが「瞬間的に生まれる、人の刹那な動き」。
行動経済学の第一人者ダニエルカーネマンは、人の脳には2つのシステムが備わっていると言います。それが、早い脳と遅い脳です。
早いシステムは、野生の本能ばりに直感的な判断を下す、人が無意識ベースで動いてしまう行動を司ります。逆に、遅い脳システムは、ゆっくり論理的にモノゴトを考えることに長けています。算数とかですね。
たとえば、「あぁ、もうこれ買っちゃおう!」と衝動買いに出たり、「なに、この記事面白そう!」とついクリックしてしまうのは、この「早い脳」に判断を委ねています。
心理学をマーケティングに活かすとは、この「早い脳システム」の仕組みを知り、人の背中を押しちゃうことに他なりません。別の言い方をすると、「人の行動をハックする」でしょうか。
人がどのようなきっかけで瞬間的に動くのか。人が動くきっかけを知っていれば、そこから逆算してマーケティングプラン・手法を描くことができます。「コミットメント」や「返報性」、「損失回避」など、人が無意識のうちに動いちゃう仕組みは知っておいて損しませんよ。
歴史(人の大群が押し寄せる方向を知る)
次に、学ぶべきものが歴史。「歴史を知るということは、未来を知ること」だと思っています。
人の頭の性能は、親・祖父母世代が得た教訓くらいでは遺伝子に受け継がれません。(何万年をかけて遺伝子にプログラムされるので、数百年前の歴史の教訓はインプットされていないんですね。)
どんなにテクノロジーが発達して便利な世の中になっても、人類は同じような歴史を繰り返しています。パターン化された歴史を知れば知るほど、未来もある程度は予見できるようになるということです。
心理学が瞬間的な人の動きを短期的にハックする教養であるとすれば、歴史は、人の大群が群がる方向性を知るための必須科目です。
一言で「人を知る」と言っても、マクロとミクロがあり、長期的な方向性を歴史的な視座で予測し、短期的には心理学の教養で人が動くきっかけを作り出す。
これが、僕が考えるマーケティングの力をつける方法論です。
ジャックアタリの21世紀の歴史とハラリ先生のサピエンス全史はぜひぜひ読んでみてください。あと、個人的には塩野七見先生の、ローマ帝国の歴史も好きですね。
論理的思考力(仮説検証を行う基礎を作る)
さて、さらにもう一個オススメしたい教養が、論理的思考力です。
マーケティングは、アイデアを生み出し、一発で大成功を収めるものではありません。むしろ、分からないことだらけの状況で、何十何百回の試行錯誤を重ねて、目標にたどり着く地道なプロセスを踏みます。
つまり、1回やったマーケ施策をファクトに基づいて検証し、次のアイデアを生み出す。このPDCAサイクルを回すことが、マーケティングをやるうえでは欠かせません。
逆に、施策をやりっぱなしで終えたり、これまでの積み重ねを無視してゼロから新しい施策に取り組んでみたりすると、事業が前に進みません。また仮に検証する気があっても、ロジックで過去-現在-未来が繋がっていないと、正しいPDCAもまわせなくなります。
つまり、マーケティングに推進力をもたらすのが論理的思考力なんですね。最近、ロジックよりも物語やストーリーの世界が大切にされる傾向がありますが、そこは論理思考あってのストーリーだと思います。
まとめ
ということで、
-人の動きをハックする心理学
-大群の行く先を予測する歴史観(大局観)
-実際のマーケティング施策を推進させる論理的思考能力
この3分野こそがマーケ教養の礎になると紹介してきました。
ある特定のメディアでグロースする方法はノウハウとして有効でも、それには絶対に賞味期限があります。そして、「人の心理」を見ていないアイデアは、横展開ができません。すぐに役立つノウハウは頭を使わなくて済むので、なぜそれが上手くいくのか?と「人」や「因果」を見ることもなくなります。で、手法がコモディティ化して、万事休す。
逆に、「人の心理」に焦点をあてたマーケティング能力は、場を問いません。購買行動はすべて人が生み出しているから。
人がどんなタイミングで、どんな気持ちになれば動くのかを知っているマーケターは、どこでも「人の心に生み出したい読後感」から逆算して、施策を考えることができます。そして、生活者にどんな読後感を生み出していくのか、それを知るヒントが心理学と歴史に隠れているというわけです。
今日は、すごく抽象的な話を書いてみましたが、マーケティングに携わる人たちの参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
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