展示と旅行とごはんがすき 短歌と文章

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最近の記事

道端妄想劇場

道に落ちている食べ物のゴミって誰かの暮らしを垣間見ているようで、結構楽しいゴミだと思う。ちなみに、市ヶ谷駅にはウィダーインゼリー(ブドウ糖のやつ)がよく落ちていました。ゼリーを食べた受験生(仮)、今頃は家に帰って寝る前の英単語でもやってるのかな。単語カードは作る派なんだろうか。そうやって道端で妄想を始めるのは割と楽しい。どこかの家の夕飯のにおいみたいに、誰かの暮らしを垣間見ているような気がする。あら、会ったことないあなたも地に足つけて生きてるんですね!なんかすごい!みたいな。

    • 柳田國男の「先祖の話」から考える

      柳田國男の『先祖の話』を読んでいる。 読んでるうちに考えることが多くなり、どこかの誰かの参考になればと思い書くことにする。ほぼエッセイ。   この記事は②の方を主に話している。 今はもう空き家になってしまったが、地方にある祖父母の家にはそこそこ大きな仏壇があった。 夏休みに遊びに行くと、祖母は夕飯時に毎回「仏壇にお米をお供えして、手を合わせなさい」と言っていた。当時の私にとってはお手伝いの一環のようなもので、特に深く考えてはいなかった。 家ごとに差はあると思うが、私の家は

      • 短歌

        水を出て小鳥になったきみが手に落とした影は誰も知らない 薄明いバス停風がふぶくときなくした栞のような静けさ 野垂れ死ぬ覚悟がないならもう二度とくらげになりたいなんて言うなよ 深夜2時静けさ沈む川だけは歩いてゆけるいつかどこかで さあ今日も始まる怠惰の逆ジェンガ視力のぬけがらがらがらあーあー ごうごうとゆきばのないくろ窓辺まえ夜に手足がなくてよかった やっぱりさあここに来なくちゃだめだねとちいさい灯台たちがつぶやく

        • 短歌

          アスファルトうえで魚が跳ねている目を閉じた真冬交差点前 ごめんねとポストのチラシはおなじだと教えてくれたきみのよこがお これからの1秒だって知らないと化石のように眠れ水色 ベランダにふかふか連れてく13時染みついた夜 穏やかに死ぬ 煙る前掠れて出したさよならが次のおはよに変わったらいい 橋の上それも40000時間だけ蛍になれるあなたをさがす

        道端妄想劇場

          短歌 備忘録

          ごうごうとゆきばのないくろ窓辺まえ夜に手足がなくてよかった 5時前の雨がひかりを揺らす今もうすぐ透ける夜が手を振る 本当にこの後車庫へ行きますか?実は大きい川に向かうよ 耳鳴りと一緒にもたれて窓前に広がる気だるい銀河でうとうと もういいよ吐きふいた言葉届かずにあのこの手榴弾はもうない ではここでおさらいしますしかくくてながい蟻塚さわらないこと いつも見ている風景や日常の動作、好きな瞬間を短歌にすると、誰の目にも同じに映っているものがその人の価値観で翻訳されて違うも

          短歌 備忘録