欠落した記憶のなかで
過去に一度だけ、自殺をはかったことがあった。
意識を失ったわたしのもとに転がっていたのは、酒の空き瓶と、何十枚と空になった薬のシートだったという。
時間をかけて大量に飲んだ薬は吐くこともなく吸収され、病院で胃を洗浄し、薬を吸着するらしい炭を入れられる(?)も、二日ほど眠り続けたらしい。
目覚めてから一ヵ月半ほど、いわゆる精神科病棟というところに入院をした。
病棟の外へ出ることを禁じられ、風呂もトイレも監視される、不思議な空間だった。
自殺をはかった理由は、よくわからなかった