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旅でしない事と、する事。
若い頃、
旅行の楽しみは、飲食と買い物だった。
もちろん、今も楽しみではある。
でも、年々。
すぐお腹いっぱいになる。
せっかくだから美味しいコーヒー、
ここでしか飲めないクラフトビール、
喉が渇いて水やお茶を飲んで
すぐトイレに行きたくなる。
気が大きくなって、
安易に買って家に帰って取り出してみたら、
「あれ?何でこんなの買った?」
なーんてこともあったりして、
(最近は少なくなりましたが)
出かけた先で出来ることの限界のような
ものを感じる事が増えていた。
要するに、
表面的な事しかしていなかったのね。
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旅行先での
美味しいお酒と料理は、本当に楽しい気分。
でも、一番贅沢なのは
別の場所に行っても、
普段のように過ごしたり、
何もしないでただゆっくりする
ことなのではないか?
お茶飲んでボーっとしたり、
本を読むとか、ランニングするとかさ。
"何もないがある"
のなら、
"何もしないをする"
があってもいい。
今回は、それをするための宿を選んだのだ
予定通り、早々に宿にチェックインして、
部屋にこもる。
夕暮れに染まっていく美瑛の丘を、
本当に、ただ、見ていた。
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段々と暗くなって行く境目を、
見届けてやろうくらいのつもりで。
並んでソファーに座っていたのに、
息子は、私の隣で、
大きな体を折り曲げて、眠ってしまった。
夕飯までの数時間、
部屋が暗くなっていくのを、
ただ、黙って見守っていた。
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何もしないをするのは、夕飯まで。
夕飯後は、
ライトアップを見に行った。
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昼間も見に行ったのに、夜も行く。
夜は空いていて、何倍も綺麗だった。
宿まで帰る途中、
街灯のない真っ暗な中、路肩に車を停めて
満天の星を見た。
夜道で他の車なんて、一台も通らない。
出会ったのは、数匹のキツネ。
オットと2人なら、
多分飲んだくれて、出会えない景色だった。
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自分個人の、
"旅行のハイライト"
がある。同行している人に全く影響ない
早朝の時間は、すごく大事にする。
もちろん、店などはやっていない。
昼間は激混みの観光地へ行って、
誰も居ない早朝に写真を撮りに行く。
コレが。言葉に表せないくらい、最高で。
写真は、行ったことを忘れない為で、
そこに行ってしか感じられない、
早朝の景色や、空気感は、
写真にはとても写しきれない…
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朝6時
時折人は通るけど、
この通り、ほとんど独り占め。
日中は、絶対撮れない写真。
最近の旅行は、これにすごくハマっている
安芸の宮島の大鳥居、
函館の赤レンガ倉庫街…
誰も居ないなんて、想像できる⁈
宿泊した時しか、絶対に出来ない贅沢。
朝から歩き回って、朝ごはんも
美味しく頂ける、という!!
元々、ひとりで行こうと思っていた。
何を食べようか、
どこへ行って何をしようか、みようか。
色々考えていたけど、
結局、息子と過ごせた時間が、
一番贅沢だったかもしれないな。
これからも、折に触れて、
この旅を思い出す。
一時的なものではなくて、
これからの人生を充電できたような、
そんな旅だった。