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せっせと、墓穴を掘る。

お菓子を作るのは楽しい。
美味しく出来たら嬉しい。

でも、綺麗なお菓子を作るのは、難しい。
これこそがお金を出すか出さないか、
プロが素人かの分かれ目。

例えば、しょっちゅう作っているクッキーでも
本気で綺麗に作ろうと思えば、
かなり気を使うポイントがいくつもある。

動画や、ショートを見て、
いかにも簡単そうに、お手軽に出来ると
思ってしまうかもしれないけど、
実際は、"全行程がポイント"で、
絶対に、同じようになんて出来ない。

クッキーのはじめのはじめ。

"バターを常温に戻す"

その"常温"て、季節によるし、
溶かすのは論外、柔らかすぎもだめ、
レシピに具体的に何度とかは、
もちろん書いてなどいない。いないけど、
ちょうどいい室温、がある。

そうやって、全てのポイントをクリアして、
店に並ぶお菓子には、とうてい敵わない。

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先程、焼き上がったのは、
ガレットブルトンヌ。

【ガレットブルトンヌとは】
フランスブルターニュ地方の伝統菓子
ラム酒が香る甘しょっぱいシュクレ生地を厚めに焼き上げるのが特徴です。

富澤商店レシピより

横に広がらず、上に伸びて厚焼きクッキーに
する為にセルクルを使う。

セルクルがたくさん必要なので、
自作して使っている。

牛乳パックに、くっつかないアルミホイルを
巻きつけた簡易的なセルクルゆえ、
ビシッと綺麗な丸にならない。

ほらね↓

こんな感じで、毎回
微妙な丸で何とも家庭的なフォルムになる。

厚みももっと欲しい。


毎回、反省するところが同じなのは、
私の本気度と、技術が足りないから。

"本気度"には、ちゃんとした道具
(今回だとたくさんのセルクル)を
用意することも含まれている。

くしくも、ちょーど一年前に、
ガレットブルトンヌを焼き、
全く同じようなことを書いていた。


いつものように、乾燥シートを入れて、
個包装する。

実は、これこそが、
一番ダメなところなのである。

個包装して、それなりに見えると、

コレでいいか。
美味しいからいいか。
楽しいからいいか。

と、満足してしまうところ。

昨年作った時から、
1ミリも成長していない。
"家庭的"なお菓子から、抜け出せない。

見た目はイマイチだけど美味しい。
なんて褒め言葉でも何でもない。

と、書いてはみるものの、


趣味なんだから、こんなもんでしょ。

作っているお菓子よりも
自分には甘いのである。

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ま、売るわけではない。
個性的、家庭的なフォルムはヨシとして。

家にあるもの、
使えるものは何でも使って、
狭い冷蔵庫、限られた道具、
絶対にお店みたいには焼けない、
小さくて、火力もない家庭用オーブン
諸々を

どう工夫するか?
どう補うのか?

もう、それ自体が趣味で。

誰かに聞かれても教えることは出来ない、
自分ち、自分限定のやり方、工夫、
アレコレ深掘りしていく。

墓穴を掘る。

って、悪い意味で使われるけど、
私は自分で掘った深い穴に落ちて
最後を迎えたら、最高に幸せだと思う。

だから、これからも、
深く、深く、穴を掘る。

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