見出し画像

あの時共感してもらえなかった「好き」が今~スターバックス~

スタバで見つけたスイーツが想像以上に嬉しかったから聞いて欲しい。

と、ちょっとだけその前に、少しだけ苦くて甘い思い出話。

チョコ沼が心の故郷な東京在住の人ならまず一度は行ったことあるでしょう?という、名前から既に名店、「カカオストア」。
そこでとんでもないメニューに出会ったことがある。


トーストショコラ

これは新味…といってももう3年も前か。ルビーチョコ。丁度世の中がルビーチョコの存在にザワザワしていた頃だね。

初めての出会いは通常の茶色いチョコだったのだけれど、昔過ぎて画像がなかなか見つからないなあ。



これとの出会いは、まだ美味しいチョコとか様々なカフェ巡りへの耐性の弱かった私には強い衝撃だった。

専門店が、バケットにタブレットを1枚ドドンと乗せただけのシンプルなスイーツ。これは、カフェスイーツのメニューとして成り立つのか?
大胆過ぎる。
でも、いや、めっっっちゃ美味しい~~~!!

少しとろけて、でもちゃんと板チョコの形を保っていて。
表面は触った瞬間に手が大変なことになる禁断感。
中央は濃いチョコの塊。溶けるぞ、という準備万端に、口の中に放り込まれるとその体温でトロリ、濃厚な味わいを広げる。

これまで知っていた、甘いミルキーなチョコとは違う。
ちょこっと酸味があって、フローラルな香りで上品な気持ちになる。ビターな苦味がじんわり広がる。パンがあることで、その豊かな時間を十分にゆったり過ごすことができる。


この凄いスイーツは、他の多くの人にも同じように甘美な感動体験を与えたようで、カフェ巡り紹介本などでは結構な確率で載っていたと思う。

しかし、万人に受け入れられるには少し斬新過ぎたのかもしれない。

「えっ、パンに板チョコ乗せただけとか笑!こんなん注文する人いんの??」私の家で東京カフェ本をペラペラめくっていた友人が、そんなことを言う。

私だよ!!!食べたよ!!!

そうか…私は感動したけど、皆が皆、そのシンプルな構造に感動するとは限らないんだよな。いや、食べたら絶対美味しい…と、思うのだけれど、やっぱりそれだって感じ方は人それぞれで。

「えっ、やっぱりパンに板チョコ乗せただけじゃん。
それでこの値段とかバカ高~」
なんて考えの人だってきっといるのだ。

だからこそ、1人でのカフェ巡りはこんなにも安心するのかもしれない。



さて、時は経て。
みんな大好き…かどうかは、案外ドトール派、タリーズ派と別れてしまうから微妙なところだが。全国全世界にファンの絶えないこのお店、スタバで、それが登場した。

桜のデザインが綺麗だね。
染みてるチョコが、木の枝に見えて特段に美しい。

チラッ。

ででん。
シンプルに、デニッシュ生地に板チョコを挟んだ「だけ」のスイーツ。
天下のスタバが出したんだ。
もう「こんなの注文する人いんの?」なんて言わせない。
いるわ。多分累計販売個数とか果てしない数だわ!!


温めてもらったから、表面が少しフニャンと。
でもドロリと溶けて大惨事にもなっていない。

家でこういうのやると、成功と失敗とを繰り返してしまうけれど、お店だとある程度一定の状態で提供する必要があるから大変だ。
「ちょっとだけ」とか、「強めに」とか。注文の時に重ねて抽象的な注文をしてくるお客さんもいるんだろうなあ。


デニッシュのパリパリは、目に見える程に空気を沢山含みながら薄く幾層にも重なっていて、いかにも美味しそうだ、というか美味しい。
そしてチョコとデニッシュは当然相性良し。
チョコのビターな味わいと、芳ばしくシンプルにバターが甘く香るデニッシュ。
思い出しただけで口の中がにやけてしまう。


好きなものが最先端過ぎて理解されないこともあるだろう。
けれど「他人に共感してもらえなかったから」は好きをやめる理由にはならない。

きっとそれを「いいね」と思う同士もいるし、いつかふとブームになったりする。その時に、かつて笑って共感できないと言っていた人が「これめっちゃいいね~」とか言っていたら、心の中で笑ってやればいい。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集