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パフェの進化に置いていかれないい為に、行けて良かった〜FAR EAST BAZAAR〜
今回は難しそうなら諦めよ。
そう思っていた。
諦めなくて良かった。
季節限定パフェが変われば一度は行きたいお店、FAR EAST BAZAAR。
最近は少し行けていなかった。
閉店時間がどうなったかよく調べていなかったから新宿ルミネがどうなのかは分からないが、20時閉店のお店が増える中、職場を18時半頃に出て、それからこのパフェは厳しいかなぁ…なんて思って足が向かなかったのだ。
でもふと、確かSNSで2月末まで、みたいな記載を見たからだったかも。やっぱり行きたいなと思った。そんな折、思ったより早めに会社を出られた日があった。「行く」と決心があったわけじゃないけれど、自然と足はそっちの方に向かっていた。
アリバカカオとデーツのヴィーガンパフェ
名前からもう、私の好きしか詰まっていない。なんで「別にいいや」なんて思ったんだろう、全然良くないでしょ。
最近この店ではパフェを注文すると、確認しながら食べられるように構成表を渡してくれる。それに見惚れて、裏面に気が付かない人、結構多いんじゃないかな?これが結構面白い。私note書く意味皆無だな、ってくらい丁寧に美味しそうに書かれている。私もこのくらいの魅惑的な言葉を紡ぎ出せるようになりたい。
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"チョコレートのパフェはお子様向け?
このパフェを食べるまで筆者はてっきりそんな印象を持っていた。しかし、FAR EAST BAZAARの2022年第一弾のパフェは期待を大きく裏切る最高のパフェ。
そう、大人のカカオパフェ。
単調な甘さではない。奥深い濃厚さと苦味と酸味、そして優しい甘さ。しかもヴィーガン?複雑複雑。でも嫌いじゃない。その複雑さは酸いも甘いも噛み分けるような大人の余韻。
トップの板チョコ、力強いカカオと思いきや、まるで香水のようなバラの香り。ピンク色に輝くローズペタルとピスタチオグリーンがパフェを軽やかに彩る。
ジェラートは同じカカオ味が2種?と思いきや、味が違う!なるほど…。ナッツのトッピングによって違うのか。ヘーゼルナッツが乗ったジェラートはジャンドゥーヤ。上品で香ばしいヘーゼルナッツの香り。クルミが乗ったジェラートは優しいデーツの甘さが広がる。何もかも包み込むようなデーツの優しい甘さ、まさに大人の余裕。
オレンジのほろ苦さとプチプチした食感が特徴のドラゴンフルーツのコンポート。こっくりした濃厚なカカオバターで仕上げるホワイトチョコクリームの相性が抜群。クランチショコラのザクザク食感もアクセントに。
そして最後のジュレ。ここにもカカオが!?
カカオ豆を覆う果肉・カカオパルプで作るジュレ。爽やかな白ブドウを合わせた程よい酸味が心地良い。カカオの持つ私たちの知らないフルーツとしての一面がチラリ。
カカオがこんなにも奥深いなんて。
お子様向け?いやいや、大人の為の究極のカカオパフェに出会ってしまったかもしれない…。
食べ終えた後、あなたもきっと誰かに伝えたくなる。
「知ってる?FAR EAST BAZAARのアリバカカオとデーツのヴィーガンパフェって。」
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この煌びやかな感じ。
まだ食べたことの無い味でも、ここのパフェだとしっかりと分かる。
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パフェの始まりは迷ってしまうものだが、これは「まずは自分!!」との主張が激しい大きな板チョコが。ビターな味わいとピスタチオのコクが入り混じり、ローズが華やかにフワリと香る。
やっぱり最初の一口は味が鮮明に感じられるから、こういう香り良いのは最初に適している。
そして安心の、花蜜ソイミルクジェラート。
大体3つのアイスが入っていて、1つはお店の特徴をよく表したこの味なんだよね。定番だけど、この店でないと味わえないやつ。
あと2つのジェラートはほぼ同じ色だが、全く違う。
1つはデーツカカオジェラート。
更に上にはもっちりトロリなデーツとカカオのソースがかかっていて、もの凄く濃い。デーツの果肉感ミチミチな味って、少量でも結構強烈だし。それに負けないくらいのしっかりとした存在感のカカオと。クルミに、カカオニブに……。
そしてもう一方が、ジャンドゥーヤジェラート。上にはヘーゼルナッツが乗っていて、王道に、絶対完全無欠に美味しいやつ。もうこれ以上ないほど、ナッティーの理想。
強いデーツと、皆大好きジャンドゥーヤ。それを支える色々な、色々。
次々と現れる刺激の数々。
あ~~~¡!!情報量が!!多い!!!!
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その下に出てくるクランチショコラ。この食感にも感動する。
パフェに入ってる食感素材、クランチショコラなんて、今まで飽きる程食べてきた。いや、飽きはしないわ。でも、今更驚くようなことでもない、筈なのだ。でも驚いた。
エアリー、というのかな。
ホロリと大きく軽くほどけるのに、そのザックザク感はやっぱり楽しくて。
知ってるけど、知らない、ちょっとだけ新しい食感。
そこから世界はまたガラリと変わって、今度はオレンジ・アプリコット・ドラゴンフルーツのコンポート。瑞々しい爽やかな酸味がたっぷり楽しめる。
どや!チョコって、カカオって美味いだろ!!!?と強制的に引き込まれて。
突然、「もっと気楽に構えろや、カカオ以外の広い世界を見てきな?」と放り出されたような気持ち。
しかし唖然としている場合ではない。
コンポートのトロピカルが色々合わさる楽しい世界について行くのに必死。
そして落ち着いてきた辺りで今度はヴィーガンホワイトチョコクリーム。なかなかズッシリとした、ちょっと独特な滑らかさ。でもふんわりとしていて、甘さはスッキリで。いっぱいに入っているけれど、重たくはない。前半でガッツリビターなチョコを味わったからこそ、少し変わったホワイトチョコとの出会いが、一層新鮮に思える。
カカオの知らない一面を見た気がした。ヴィーガン系に馴染みのない人には、よりそう感じられるだろう。
で。最後に奴がくる。カカオ沼の人ホイホイのひとつ、そして知らない人にとっては「え〜!!これもカカオなの!?!?」と驚くアレだ。カカオパルプ。カカオパルプと白ブドウのジュレ。
白ブドウと合わせるあたり、また上手いな〜〜〜。
食べてる間も、その後振り返ってみても、本当によく計算された、計算だけじゃなくて人を惹き付ける物語性を含んだ構成にしたものだ。
元々生み出す世界観の一貫性、新規性のとんでもないお店であることは重々承知しているのだけれど。
ふと、かつてよりも更にグンと色々なことが詰まっている気がするのは、マジでお店のレベルが上がっているからか、はたまた私のパフェ熟練度が上がっているからか。きっと、そのどちらもあってこそなのだろう。
構成表を付けるようになったことひとつ取っても
お店は変化を続けている。
そして料理は、作り手と食べる人がいて初めて完成する、なんてよく言われるものだ。
パフェブームを経て、世のパフェレベルは格段に上がってきている。そこに込められた思いを少しでも拾い上げられるように、私も精進していかねばなるまい。
だから、やっぱり今回の素晴らしい、チョコ沼の人もそうでない人をも魅了する今回のパフェを食べに行けて、とても良かった。