天下無敵のフラワーパーク 【あしかが観察日記#6】
今回の話についてはうろ覚えなところが多いです。遊びに行くときは各自で事実確認をお願いします。
ついに奴について書く時が来てしまった。奴とは勿論、天下のフラワーパークのことである。
あしかがフラワーパークといえば藤棚である。季節になれば藤による紫のカーテンが咲き乱れ、その美しさで心を癒してくれる。某鬼滅の藤襲山のような写真が撮れるとかで、ファンの間でちょっと流行ったりもしていた。
花が咲かない冬の時期だって手を抜かない。花を模したイルミネーションによってまた違う顔を見せてくれる。なんなら日本三大イルミネーションとやらに入るくらいである。
以前やっていたテレビの特集では、札幌・足利・佐世保が並んで紹介されていた。どのイルミネーションも城を模したものがあったらしく、画面を三分割にしてそれぞれの城が映されたのだが。
明らかに両隣より角張った足利の城が目立っていた。
両隣は割と城の造形が凝っていたのだが、足利の城は3Dの押し出し造形そのまんまみたいなかたちだった。そしてそれを凌駕する光量。
そう、あしかがフラワーパークのイルミネーションの最大の特徴は光量である。
コロナ禍前のお正月、あんまりにも暇だもんでフラワーパークに行くことにした。JRに揺られること数分、車窓から見えたのはイルミネーションが無作為に取り付けられたむき出しの(っぽく見える)鉄柵の囲いだった。この時点でちょっと予感はしていた。
チケット売り場でチケットを買うと、いかにもローカルデザインなパンフレットをもらえる。入り口前には商魂逞しいお土産屋を詰め込みまくっており、栃木のものならほぼあるのではというラインナップの広さだ。フラワーパークらしく草花を扱ったりなどもしているが、関係なく刀剣ペーパーナイフを売っていたりもする。
入園してすぐ、ご飯の屋台を抜けて進むと鳥居があった。勿論電球を纏って光り輝いている。その奥、鳥居の先に見えるのはご本尊的な何かではなく、クリスマスツリーだった。クリスマス期間からそのまんまなんだろうな、という巨大クリスマスツリーが鳥居と共に見える豪華なセッティングだ。夢の共演。
パーク全体を囲む鉄柵に飾られたイルミネーションも忘れてはならない。電車から見えていたやつである。空を模したのであろうそこには、雲と虹と太陽と月に銀河鉄道を携え、そして雪の中をソリで走るサンタさんが共存するスペシャル仕様だった。要素が多い。
藤棚の部分には花を模した細かなライトをこれでもかと吊るしてあった。この花ライト、明るい時間は黒いコードと花のプラスチックが結構目立つのだが、夜間に写真を撮るとちゃんと綺麗に見えるので安心してほしい。ちなみにその下には謎に光る竹が置いてあるが、中には特に何もない。
メインとも言える藤棚イルミネーションを過ぎた後に待ち構えているのは、そう、例の城である。白く発光する城のバックには、鉄柵上に花火を模した原色全開のイルミネーションが散らばり、とにかく眩しい。ほぼ対眼球兵器である。
城のバルコニーに上って写真を撮る列を横目に通り過ぎると、城を囲む塀のようなパネルに花が埋め込まれているのを発見した。ようやくフラワーが登場したな、と思いきや造花だった。確かにイルミネーションの中に閉じ込めてるから、生花だとメンテが大変だけども。
生花もちゃんとある。道の横に小さなかまくら状の藁の笠があり、その中ではライティングされた美しく咲き誇る花たちが見られる。イルミネーションに圧倒されがちだが、冬の花々も至る所で見ることができる。
極めつけは池に浮かぶ謎の地球イルミネーションだ。なん‥なんだこれ。気になった方はぜひ調べて下さい。
要するにこのフラワーパークは、テーマの節操の無さ多様性と造形のシンプルさを、圧倒的なビビット・カラーと純粋な光の量で押し切るという実に大胆な方法で三大イルミネーションの名をほしいままにしているのだ。まさにイルミネーションの原点。
日本三大イルミネーションには認定検証項目というものがあり、これに沿って投票が行われるとのこと。その7項目は以下の通りである。
2と3は言わずもがな、花型ライトを作ってる時点で1と6もクリアしているし、元日だというのにかなり混んでいたので(しかも年齢層がめちゃくちゃ幅広かった)5もクリア。最近はプロジェクションマッピングにも手を出し始めているらしく、4も問題無し。
そして7番目。園内にはお土産屋が点在しており、光る飴なども買えるのだ。正直入り口前のお土産屋で十分だろという感じではあるが、そこで妥協しないのが足利である。
トイレでも妥協しない。ドア内側におすすめのお土産をまとめたポスターが貼られていた。積極的に刷り込んでいくスタイル。
そんな天下無敵のあしかがフラワーパークが大好きです。夏だけでなく冬もぜひ来てね。