【センイル】最後で最高の希望に、救われた私。
「たった一人からの愛でも美しいものなのに、そんな愛を世界中からもらっているわけですから。」
私は、正義だけで固めた正義感があまり好きではない。
でもなぜだろう、ホソクさんの言葉は"真実"というカタチで、私の全身に流れてくる。彼が放つ"愛"や"希望"という言葉は、とても信じられるのだ。
そんな愛や希望などの、"不確かなもの"を推進力にし、"確かなもの"にするというすさまじいエネルギーは、いったいどこから湧いてくるのだろう。
私は一生、ホソクさんのようには生きられない。だからこそ、彼を知り、彼の言葉を浴びることが必要だと思う瞬間がある。
そしてそれは時に、私を救ってくれるのだ。
最後の希望、"J-HOPE"
私がホソクさんの言葉を信じられる理由は、"J-HOPE"というアーティスト名に隠されていると思う。
「みんなの希望、J-HOPEです!」と笑顔で挨拶するホソクさんは、とても明るくて太陽のようだ。しかしJ-HOPEという名前に隠されている希望は、世間一般的に言われている希望ではない。"パンドラの箱の最後に残っていた希望"だ。
元々自分の名前に「Ho」が欲しいと思っていたホソクさんは、「J-Ho」という単語を思いつき、そしてそこからアーティスト名を決めたと明かしていた。
パンドラの箱の最後の希望という意味は、その後につけられたそうだが、この意味を知ったとき、ホソクさんにぴったりの名前だと思った。
パンドラの箱は、さまざまな災いを引き起こす原因となるものの例えとして使われ、元々はギリシャ神話に由来している。
神のゼウスが人間たちを懲らしめるために、パンドラという女性に箱を持たせて、人間界へと送り込む。
絶対に開けてはいけないと言われていたその箱を、好奇心にかられ開けてしまうと、中から疫病、犯罪、悲しみなど、多くの災いが飛び出してきてしまう。そして慌てたパンドラが箱を閉めた結果、箱の中には"希望"だけが残された、というお話だ。
ただ意味もなくふわふわと浮いている希望は、世の中に溢れかえっている。でもそうではなく、今目の前にある現状を真っ直ぐに受け入れて、それすらも原動力にした先にある希望こそが、ホソクさんにとっての希望なのだろう。
最後の希望を信じて前に進める強さを持つ彼は、まさに"J-HOPE"だ。
「最後に残ったのは希望でした。 僕たちは皆、『希望』のようでした。振り返ってみると、名前は正しい選択だったと思います。 そして、その名前が僕を僕にしてくれたと思います。」
すべてに平等で真っ直ぐな人
ホソクさんの希望の根源はどこにあるのだろうと、不思議に思うことがある。彼の言葉は時々、痛いほど正しい。ただ現実を真っ直ぐに受け入れ、逃げ道を作ることはない。
私は、人はそんな簡単に前進できるものではないと思っている。今のコロナ禍だってそう。世界の状況が一変し、身の回りの生活もすっかり変わってしまった状況で、ただ目の前の事実を受け入れて進み続けることはとても難しい。
でも彼は、立ち止まることなく、常に足を動かし続けている。
ホソクさんが作詞した楽曲「Fly To My Room」に、「考えは考えが変えればいい」という歌詞がある。コロナ禍で家にずっといなければならないとき、ホソクさんはこう考えていたそうだ。
世の中はとても複雑で、自分のなかに存在する自分もとても複雑だ。だからひとつの答えに辿り着くには、たくさんの寄り道が必要なときがある。でもホソクさんは、その真理を突くのが格段に速い。
彼の強いところはきっと、「考えは考えが変えればいい」という視点から、全てのものごとを平等に見ることができるところだ。それが例え、悲しみや辛さなどの感情や、痛みを伴う事実だったとしても。
だからこそ、マイナスをマイナスと捉えず、全てを自分の糧にして前に進めるのかもしれない。
私にとってBTSは、"現実逃避するための存在"ではなく、"現実に立ち向かうヒントをくれる存在"だ。彼らの発信する言葉は全て痛いほどに正しく、とても温かい。
もしかしたらその核あるのは、ホソクさんの真っ直ぐな強さなのかもしれない。
正反対でどこか似ている二人
私の師匠、キムソクジンは、ホソクさんにちょっかいを出しに行くことがとても多い。インスタグラムでのホソクさんへのダル絡みっぷりったら半端ない。
アカウントを開設して一番最初に、ジンくんがホソクさんにコメントしたのは「いいねってなんで押すの?」だった。あまりにもアイロニストである。
ホソクさんへの誕生日祝いを前倒しするというジンくんお気に入りのネタは、毎年の恒例行事だ。今年は3日前から儀式をスタートさせ、前日にプレゼントの黄金トイレブラシを持って家に押しかけていた。
とんでもねえ長男だ。いや天才すぎるだろ。
そしてホソクさんは、それを見て大笑いしてくれる。ジンくんはきっと、それが嬉しくてたまらないのだ。
キムソクジンは天才だ。天才がすぎる故に、なかなか面白さが伝わらない。今回の黄金トイレブラシだって、特に意味はないはずだ。ただジンくんのセンスで「これ超面白い!」と思って選んだものを、ホソクさんに渡したのだと思う。
私から見たらめちゃくちゃ面白い。黄金のトイレブラシをプレゼントするなんて、やはり天才のすることである。
ただそれを「ヒョン、なんで黄金のトイレブラシなんですか?意味がわかりません」なんて言われたときには、きっとジンくんはものすごく落ち込む。そういうことじゃないのにって、すごく落ち込む、ああ、目に見える……()
でもホソクさんは、それをしない。
2019年2月17日、ホソクさんがジンくんから来たカトクの意味を読み取れず真面目に返信をしてしまい、ジンくんが虚しそうに「潜水」と沈んだ日を最後に、ホソクさんは"ただ笑う"、に専念してくれているように思う。
ちなみにこのときにジンくんがホビさんに渡した手紙『余白の美』は、もはやレジェンドだ。
きっとジンくんは、そんなホソクさんにとても救われているのだ。過程は全く違うけど、「周りを笑顔にしたい、常に楽しくありたい」という目的が一致している二人は、やっぱり正反対でどこか似ている。
例えBTSが過去のアーティストになったとしても、ホソクさんとジンくんは、たまに連絡を取り合うんじゃないかなと思う。「月に一度は、美味しいお酒でも飲みに行きましょう。」そんな関係になるような気がする。
40歳、50歳になったとき、二人はきっと、なんでもないことを笑いながら、自分の子どもの成長を報告し合うのかもしれない。
愛と希望を原動力に生きるホソクさんは、この先どんな道を進んでいくのだろう。
明るいも暗いも綺麗も汚いも、全部自分の糧にして進むあなたは、やっぱりとても強くて優しい。
どうかその強さと優しさで、BTSを守り抜いて欲しいというとてもわがままな願いも、ホソクさんなら受け入れてくれるような気がするのです。
パンドラの箱に残った最後の希望が、ホソクさんにとって、最高の希望でありますように。
お誕生日、おめでとう。
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