『やまぼうし』から読み盗った3つのこと
みなさん、こんにちは。
今回は星野リゾートの教科書のひとつである『やまぼうし』(星野嘉助 著 ) から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)
では、本書の概要と読み盗った3つのことを書いてみます。
本書の概要
著者 星野嘉助氏は、星野温泉の三代目当主で、現 星野リゾート代表の星野佳路さんのおじいさまです。本書は、星野リゾートの原点となった星野温泉の歴史とゆかりの人物の作品がまとめられています。
「やまぼうし」について、はしがきから引用します。
書名の「やまぼうし」Cornus Kousaは別名「やまくわ」とも呼び「アメリカ花水木」に似ている。(中略)「山法師」という名は、丸いつぼみの集まりを坊主顔に、白い総包を頭巾と見たてたのであろう。
画像検索するとこんな感じになりました。
「やまぼうし」は高原特有の樹木で、星野温泉(星のや軽井沢)のある軽井沢では親しみがあるためタイトル名にされたそうです。
本書は2つのパートに分かれています。
第一部:星野温泉のあゆみ
星野温泉の歴史についてまとめられています。
1914 星野温泉旅館を始める
1915 円覚寺管長(釈宗演師)来訪
1921 内村鑑三来訪
などなど
第二部:星野の郷を訪れた諸先生の創作集
星野温泉を訪れた作家さんの作品がまとめられています。北原白秋・与謝野寛・与謝野晶子・島崎藤村など著名な方ばかりです。
概要はこんな感じかと思います。
では、やまぼうしから読み盗った3つのことを書いていきます。
まず1つ目は、
①禅とZEN
です。
釈宗演という禅僧が星野温泉を訪れ、それが記録に残されていることに心が動きました。
釈宗演は臨済宗のお坊さんで、欧米にZENを広めた人物です。鈴木大拙という仏教学者と協力して、英語で世界に禅を伝えました。このお二人がいなければ、スティーブ・ジョブズは禅と出会わなかった可能性もあると思います。
また、この他にも、本書には禅を感じるポイントがありました。北原白秋の「からまつ」という詩の最後に、
山川に山がはの音、からまつにからまつのかぜ。
という言葉があります。たぶん、禅をあらわしているのだと思います。
禅とZEN を読み盗りました。
続いて2つ目は、
②書物には大きな力がある
ということです。
この本を読むまで、星野温泉に関する知識を全く持っていませんでした。しかし、本を読み終え、星野温泉の歴史を知り、今は少し親近感を持っています。この本がなければ、自分から星野温泉について知ろうとはしなかったと思います。
当たり前のことかもしれませんが、誰かが言葉で書き残してくれたからこそ、本から新たな知識を得ることができます。星野温泉・星野リゾートがファミリービジネスで成功しているのも、代々歴史を作り、残してきているからだと思います。
書物には大きな力がある と読み盗りました。
最後に3つ目は、
③内村鑑三の成功の秘訣
です。
内村鑑三 直筆の「成功の秘訣」原稿写真が掲載されています。「成功の秘訣」は全部で十か条あります。<リンク>
最後のひとつが印象的でしたので抜粋します。
一、人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の為にあらんや。人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり。
この言葉を読んだときに、オリエンタルラジオの中田さん(あっちゃん)が、【禅】世界中の偉人たちはなぜ禅に魅せられるのか?と題して話していたのを思い出しました。 リンク動画で18:20くらいからの達磨と梁の武帝の話が面白いです。
キリスト教を信仰していた内村鑑三が、禅宗の達磨と同じことを大切にしていたことに感動しました。人として大事なことは世界共通なのだと思います。
まとめ
『やまぼうし』から読み盗った3つのこと
① 禅とZEN
② 書物には大きな力があること
③ 人として大事なことは世界共通ということ
次回は『競争の戦略』(マイケル・E・ポーター 著) から読み盗ってみます。
最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。