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【本】内向型の力を引き出す『静かな人の戦略書』


今回のブックレビューでは、ジルチャンさんの『静かな人の戦略書 騒がしすぎるこの世の中で内向型が静かな力を発揮する方法』という本を紹介します。
『静かな人の戦略書』というタイトルで探すといいと思います。

「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法
ジル・チャン (著)


この著者は、幾つか前の記事でご紹介した、近藤弥生子さんのEQリーダーシップの本で紹介されていました。
その中でジルチャンさんにインタビューし、かなりの時間を割いて対談されていました。
この本が紹介されていたので、興味を持って読んでみましたのですが、非常に良い内容で、レビュー書きます。


内向型と外向型の関係性

私自身は、外向型か内向型かと問われれば外向型の方が強いと思いますが、誰もが明確にどちらかに分類されるわけではありません。
外向型の傾向が強くても内向型の特徴を持つ部分があったり、内向型の要素が多くても外向型の部分もあったりと、その割合は人それぞれ異なるものだと考えられます。

この本は、内向型の部分に焦点を当て、そういった人々がどのように力を配分していけばよいかを、様々な観点から解説しています。

組織における内向型の戦略

特に理解しやすい点として、組織では外向型、いわゆるアメリカ的なリーダーシップが求められることが多いという現状があります。
しかし、それは多くの人にとって負担の大きいものです。
そういった環境で内向型の人がリーダーになった際、どのように振る舞うべきか、自身を疲弊させずに職務を遂行できるかについての記述があり、非常に参考になりました。

具体的なアドバイス

例えば、講演時には必ずしも大声を出す必要はないと述べられています。
通常の会話の音量を50%とすれば、60%程度の大きさで話し、マイクの音量を調整してもらうことを提案しています。
また、会場には早めに到着して環境に慣れることも推奨されています。

さらに、「逃げ場所」を確保することの重要性も説かれています。
トイレの個室など、自分にとって居心地の良い場所を少しずつ作っておくことが勧められています。

賑やかなパーティーのような場所に出席せざるを得ない場合も、十分な準備をすることが大切です。
早めに帰れるよう交通手段を確認しておくなど、自己防衛の方法が詳細に記されています。

上司との関係性

また、上司のタイプを分類し、それぞれのタイプに応じた効果的な報告方法についても言及されており、非常に示唆に富む内容でした。

内向型と外向型の共存

世の中が外向型の人ばかりではないことは、多くの人が認識している共通の理解だと思われます。
実際には、内向型の人々に支えられて機能している部分が多いのが現実です。

内向型の人と外向型の人をペアにすることで最強のチームが形成されるという指摘は、非常に納得できるものです。
そのためにはどうすればよいのか、個々の人間的なスキルも重要ですが、相互の歯車がかみ合った時の強さは計り知れないものがあるでしょう。

新たな視点を提供してくれる本ですので、ぜひ一読されることをお勧めします。​​​​​​​​​​​​​​​​

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