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托卵をする魚「ムギツク」~驚きの繁殖戦略に迫る!〜(テキスト版)
みなさん、こんにちはこんばんわ!
ちょぼ先生です。
今回は、日本の淡水魚の中でも、とーってもユニークな生態を持つお魚、ムギツクについて熱く語りたいと思います!
「ムギツク?なにそれ?」って思った方もいるかもしれませんね。無理もありません。知名度は決して高くありませんから(笑)。でも、このムギツク、知れば知るほど面白いんです!
まずは、ムギツクの基本情報から。
分類: コイ目コイ科
大きさ: 成魚で10cm程度
見た目: 体に縦縞模様があるのが特徴的!これがまたカッコイイんですよ!
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出典元:WEB魚図鑑
地味な魚が多い日本の淡水魚の中で、この縦縞は一際目を引きます。個人的には、この模様がチョウチョウウオみたいで、敵に目を狙われにくくする効果もあるんじゃないかなーなんて思ったりもします。
さて、今回のメインテーマは、ムギツクの驚くべき繁殖戦略、「托卵」について!
托卵って何?
托卵とは、自分の卵を他の生き物(多くは別種)に預けて育ててもらうという、なんとも大胆な繁殖方法!鳥類ではカッコウが有名ですよね。カッコウは他の鳥の巣に卵を産み付け、孵化したヒナは仮親のヒナを巣から落としてしまうという、ちょっと怖いイメージもあります。
ムギツクの托卵は一味違う!
ムギツクが托卵する相手は、主にオヤニラミという魚。他にもギギやドンコといった魚にも托卵するようです。これらの魚は、ムギツクよりも体が大きく、場合によっては捕食される可能性もある、ある意味危険な相手!にもかかわらず、ムギツクは果敢に托卵を試みるのです!まさに下剋上!
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出典元:WEB魚図鑑
ムギツクの托卵方法はこれまた大胆!
オヤニラミがヨシなどの茎に卵を産みます。
すると、ムギツクが集団でオヤニラミの縄張りに押しかけるんです!
縄張り意識の強いオヤニラミは必死に追い払おうとしますが、集団で来るムギツクには敵いません。
ムギツクはオヤニラミの卵の近くに、これまた集団で産卵・受精!
その後、ムギツクはさっさと逃げていきます。
残されたオヤニラミは、「なんやねん、あいつら!」と思いつつも、自分の卵とムギツクの卵の両方を守る羽目になるというわけです。カワニナやイモリなどの外敵から卵を守ることで、結果的にムギツクの卵も守っていることになるんですね。
カッコウとの違いは?
カッコウのヒナは仮親のヒナを排除しますが、ムギツクはそんなことはしません。まさに「丸投げ」!お金持ちのママがベビーシッターに子育てを全任せするようなイメージでしょうか(笑)。
なぜ托卵するの?
これは推測ですが、オヤニラミのような強い魚に卵の保護を任せることで、卵の生存率を高めていると考えられます。ムギツク自身は生態系のトップではなく、自力で卵を守るよりも効率的な繁殖戦略と言えるでしょう。
まとめ
ムギツクの托卵は、まさに驚きの繁殖戦略!他の魚に子育てを丸投げするという大胆さ、そして集団で行動するという賢さには、本当に感心します。
魚類の托卵は、まだまだ研究が進んでいない分野です。今後の研究で、ムギツクがなぜこのような行動を進化させたのか、そのメカニズムなどが解明されるのが楽しみですね!
今回のブログでは、ムギツクの魅力について熱く語ってみました!少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!
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