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ちょび
2017年7月12日 18:47
夏の海といっても、七月の入りではまだ冷たい。晴天の昼間だというのに砂浜にいるのは僕と彼女の二人しかいなかった。 僕は後ろから彼女の背中を見ていた。彼女は裸足で濡れた砂の上に立って、時折さらいにくる波の冷たさにきゃっとかひゃっとか声をあげていた。「気持ちいいかい」 声をかけると彼女は首だけで振り返って、にひひと笑った。「冷たくて笑っちゃう」 どういう感情なのかと、僕が考える間に彼女はパシ