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ちょび
2017年4月17日 22:52
朝、目が覚めると四月だった。カレンダーをめくって三月を捨てる。 カーテンを開けると外から小さくパパパッと音がした。窓に水滴が垂れて光を反射させている。「雨……」 二〇一七年の四月はしっとりと始まったようだ。「雨だねー」 突然、後ろから話しかけられて驚いた。むっとして振り向く。肩まで伸びた髪をぼさぼさっと手で梳いて、葵が立っていた。「おはようコーちゃん」 まだ眠気の残って
2017年4月1日 03:30
一月のコーヒーショップは暖かったけれど、いつまでもいるわけにもいかない。 多少寒くても、家に帰ればぐうたらな君を見れるし、ぐうたらな僕でいられる。そう思うと、すぐにでも帰ろうかと思う毎日だった。 歩いて数分もしない家に、帰ろうかと提案したら帰ろうかと返事が来た。 外気は冷えて、澄んでいた。不純なもののない空気。「雪のにおいがする」 コーヒーショップを出たところでそう言った僕に「ほんとだ