「フリーランスの最低報酬」で起きること

「フリーランスの最低報酬」が話題です。

搾取的な構造になっている業界や職種においては、救いの一手になるかもしれません。おそらく政府は、フリーランスを搾取から守ることを念頭に検討を進めているではないかと思われます。しかしこれは一部のフリーランスの話。それ以外のフリーランスにとっては必ずしも良い話ではありません。

例えば、フリーランスの中には

戦略的に

低い報酬を設定して仕事を取っている人もいるわけです。そういったフリーランスは「安さ」を売りにしていたり、経験と実績を積むための修行のためであったり、金銭的報酬以外(信頼関係の構築など)が目的であったりもするのですが、そういったフリーランスにとっては足枷になるかもしれません。また、最低報酬よりも少し高い報酬額のフリーランスにとっても良くない影響があるかもしれません。最低報酬を「政府の方針」として企業側が

値下げの交渉材料

にする可能性があります。自由な働き方であるはずのフリーランスに、自由度を下げる保護が必要なのかどうか。これから議論が深まっていくことと思います。落とし所としては、「フリーランスは最低報酬を要求することもできるが、フリーランスの意志で要求しないこともできる」というような形式でしょうか。しかし、これもまた「最低報酬以下でいいと言っていたフリーランスが突然、企業を訴える」みたいなトラブルも起きそうですし、難しいところです。

結局はフリーランス個人と企業とで対等な契約関係を構築する相互のリテラシーや、そのためのプラットフォームが必要なのだと思います。この最低報酬に限らず、働き方の議論の多くは法律では対処できないと感じています。

それでも、搾取されるフリーランスへの保護として、この法案は通る可能性が高い。

だとすれば、フリーランスは自らの報酬設定の戦略を見直したり、最低報酬を大きく上回る報酬でも仕事が取れるように学習を通じて自らの価値を高めていくしかないでしょう。

フリーランスの学習

という分野は、これらの報酬の議論とセットで進めていかなければならないと感じています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27093770Z10C18A2MM8000/

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