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フリーランスがスキルの「再現性」で仕事を得るには?

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フリーランスが仕事を得るには、クライアントの気持ちを想像する必要があります。クライアントの課題感や不安、期待を感じ取り、すり合わせていくことができれば、コミュニケーションのズレは最小限にとどめられます。

このすり合わせにおいて、重要な観点がいくつかあります。

まずは性格ですね。専門性の高さよりも性格や人間としての相性を重視するクライアントはいます。また、ビジネスマンとしての基礎力を重視するクライアントもいます。そして当然、スキルも重要な要素です。フリーランスの多くは専門家として生計を立てていますから、そのスキルを相手にしっかりと伝えなくてはなりません。しかし、この

スキルというやつが厄介

なのです。今回はこの「スキル」をどのようにすり合わせるのがよいか、考えてみたいと思います。

そのスキルに再現性はあるか

どんなに高いスキルを持っていても「このプロジェクト」に貢献できるかどうかは分かりません。スキルを発揮してきた経験はあくまで過去のことなので、未来のことまでは保証しない。

だから、フリーランスはそのスキルの「

再現性

」を伝えなくてはなりません。まさにこのプロジェクトでも、私はこれまでのようにスキルを発揮して貢献できます、ということを相手に納得してもらわなくてはならない。クライアントは「再現性の不安」を感じているのです。

人間性やビジネスマンとしての基礎力は基本的に再現性の高いものです。しかし、

専門性の高いスキルになると、再現性は低くなっていきます。

なぜスキルの再現性が低くなるのか。その理由はスキルの

・課題依存性
・環境依存性

です。以下に説明してみます。

課題依存性と環境依存性

再現性のスポーツとも言えるダーツを例にしてみます。ダーツプレイヤーが、普段の距離の3倍の位置から矢を投げるように言われたらどうでしょうか?

この新しい課題には、これまでの通常の距離での経験はあまり活きないかもしれません。投げるフォームも大きく変わってくるでしょう。

これがスキルの「

課題依存性

」です。的に当てるというスキルも、課題が変わってくれば再現性は大きく下がってしまうことがあります。つまり、「課題依存性」とは対象となる課題の違いによって発揮できるスキルに差が出てくることを言います。また、ダーツの矢を投げるのを周囲に急かされる場合はどうでしょう。「早く投げろ-!」と。周囲にそういう人がいない環境でプレーするのが普通ですが、ここではその環境がいささか異なっているわけです。

このような環境下では、ダーツプレイヤーは集中できずに点数が下がることが想像できます。これではムリだと、途中でプレーを放棄するかもしれません。

これがスキルの「

環境依存性

」です。環境が変われば、スキルの再現性が下がります。環境とはスキルを発揮するときの状況、文脈、人間関係など、あらゆるものを含みます。

スキルの再現性を伝える方法

こうした「課題依存性」と「環境依存性」がスキルの再現性を下げています。全く同じ課題を全く同じ環境で解決する、ということはまずあり得ないとするなら、再現性は一般に高くないと考えるのが自然です。

クライアントの不安の源はここにあります。

逆に言えば、この「再現性の不安」を解消できれば、仕事として依頼してもらえる可能性が高まります。このプロジェクトでも活躍してくれそうだと確信できればいいのです。では、フリーランスはどのように再現性を伝えれば良いのでしょうか?

それはとても単純なことで、過去にスキルを発揮したときの「課題」と「環境」の類似性を伝えればよいのです。

なんでもかんでも実績を伝えるのではなくて、

「課題」が似ている実績や「環境」が似ている実績

を伝えましょう。もしもそのような類似の実績がない場合でも、しっかりとヒアリングすることを意識しましょう。「課題」や「環境」について深く理解し、「こういうことが起きそうなので、こういった進め方が良いと思います」といった方針を示せるだけでも、印象は変わってきます。

ちなみに私の場合は以下の「課題」と「環境」のセットに慣れています。

・課題=ベンチャー企業での新規事業の立ち上げ
・環境=経営者とプレーヤーが近い距離や同じ目線の高さにいる

そのため、課題が「コワーキングスペースの立ち上げ」であったり、環境が「大企業の新規事業」だと再現性が少し下がります。しかし、それでも依頼してもらえるのは、

・課題が違うときには環境の類似性を
・環境が違うときには課題の類似性を

伝えるようにしているからです。これが

新しいタイプの仕事を受けるコツ

です。では、「課題」も「環境」も不慣れなときにはどうしているのかというと、再現性の低さを明言した上で「でも学びながら頑張ってみます」という伝え方にしています。数少ない共通点を見つけて、ほんの少しでも再現性を担保しようとする姿勢も大事だと思いますが、最後はやる気や向上心だったりもします。

「再現性の不安」を解消するというテクニック

今回は再現性についてお話しました。クライアントの「再現性の不安」を解消するコツをつかめば、フリーランスとして仕事を獲得する確率が高まるはずです。まずは自分のスキルを発揮しやすい「課題」と「環境」を振り返ってみるところから始めてみるのがよいと思います。

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