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人的ネットワークの「ストック」という誤解

人的ネットワークにまつわる大きな誤解のひとつが「ストック志向」。

つまり、人のつながりを囲い込んだり貯め込もうとしてしまうこと。自著『ライフピボット』でも「蓄積」と書いたので、誤解を助長したかもしれないので、補足したい。

ほんとはそうじゃなくて、塀を取り払い窓を開けて、自分の中に気持ちのいい風を吹き抜けさせるようなイメージ。

人との「交流」、つまり交わりの流れ(フロー)の束を自分にさわやかによどみなく通すことが大切だと思っていて。それを「フロー志向」と呼びたい。

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フロー志向の人は、自分にメリットがあろうがなかろうが、人をつなごうとしたり、出会った人に自分がやれることをする。人が集まれる場を作っても、それを自分のためではなくその場に来た人たちのためになるような運営をする。自分が通ったあとに豊かさを残していき、感謝される。

それで見返りを期待するのではないけど、それが回り回って自分に返ってきたりする。「情けは人の為ならず」とはよく言ったものです。

逆にストック志向の人は自分のメリットがなければ人をつながないし、出会った人から何かを得ようとする。人が集まれる場でも自分が一番多くを得ようとするし、自分が通った後が収穫によって荒地になっていても気にしない。

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人との関わりはストックではなくフロー。閉じずに開く。囲わず放つ。貯めずに流す。

ストック志向の人は、つながりを焼きつくす焼畑農業のような感覚があるかもしれません。農地を広げ続け、収穫し続けなければいけない。

フロー志向の人は、そのフローからほんの少しだけ恩恵を受けて水力発電させてもらって生きている感覚があるのだと思います。水は循環し、なくなることはないので安心感があります。

わたしが議論メシなどのコミュニティを運営するときもコミュニティのナカとソトをつなげるようにしているのはストックではなくフローの志向性がちょっとはあるからです。

人的ネットワークについて、みなさんの考え方はどちら寄りでしょうか?

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黒田悠介|コミュニティ研究家|Commune Community Lab 所長
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