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たくさんのスキをいただいたnote集

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黒田悠介のnoteのなかからスキの数が多いものを集めました。
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信用と信頼の微妙な違い ~ 個の時代とコミュニティの時代に必要な観点として ~

信用と信頼。似ているので混同されがちですが、実はいくつかの真逆の性質をもつ言葉です。 フリーランスをしていたり、コミュニティデザインをしながら人まみれになっていたりすると、これらの言葉について様々な経験を通じて敏感になっていきます。 英語では信用はcredit、信頼はtrustですね。こうみるとあんまり似ていないので、なるほど違いがありそうな気がしてきます。 さらに、これらの言葉の使われ方を思い起こすと、その違いがより鮮明になってきます。 双方向か単方向か例えば「信頼

「ゼブラコミュニティ」というコミュニティデザインの未来像

「ゼブラ企業」という言葉をご存知でしょうか?それは経済性と社会性を両立し、長期的視点で持続的な繁栄を重視する新しい在り方の企業のこと。 経済性と社会性は両立が難しく、白と黒のように相反するものとも言えます。その白と黒の矛盾を超えて両立させる様子がシマウマの縞模様に重なることからゼブラ企業と呼ばれているのです。 なぜ今、ゼブラ企業が注目されているのでしょうか?その背景を探りつつ、今回の記事ではその在り方をコミュニティに転用できる可能性を構想していきます。もしそれが可能なら、

コミュニティ時代の消費行動モデル「CoLoTASS(コロタス)」を提唱します

かつて、SNSの普及により消費者の購買における意思決定プロセスは劇的に変化しました。もはや企業からの一方的な情報発信だけでは消費者の心を動かすことは難しくなっています。さらに最近では、消費者は単なる個人としてではなく、コミュニティの一員として行動するようになってきました。 その結果、従来のAIDMAやAISASといった消費行動モデルでは捉えきれない、コミュニティを介した新たな購買プロセスが生まれています。そこで本記事では、この新しい時代の消費行動を表す「CoLoTASS(コ

「熱量」の維持と発生の無限ループ!オフラインイベントとオンラインコミュニティを再考する

オンラインコミュニティだけでは熱量を生み出すのが難しい。一方で、オフラインイベントばかりでは打ち上げ花火のように熱量が一瞬で霧散してしまう。 そのため、両者を組み合わせる必要性をあらわす以下のような原理が語られることがよくあります。それは、 オフラインイベントで熱量を「発生」させ オンラインコミュニティで熱量を「維持」する というものです。これを「コミュニティ熱量原理」と名付けましょう。この原理には実践者の体感とも合致するため、なるほどなと思わせる納得感があります。しか

人がコミュニティに所属する欲求は「自分と他者」軸と「BeingとDoing」軸で整理できる

コミュニティに関わる人がその解像度を高めるには、人間の心理的欲求への理解が欠かせません。その欲求に基づいてコミュニティに新規メンバーが集まる仕掛けや既存メンバーのためのイベントを企画できれば、その成功確率も高まるはずです。 でも、イチから心理学やその周辺の知識を学ぶのも大変です。そこで今回は、人がコミュニティに所属しようと思うその背景にある欲求をまとめてみます。 コミュニティに所属する欲求を分類する「自分と他者」軸 まずは大きな分類を考えてみましょう。わたしたちは誰のた

モチベーションを左右するのはコミュニティメンバーの自律性・有能性・関係性

コミューンコミュニティラボがお届けするnoteマガジン。今回はコミュニティメンバーのモチベーションについての研究をお届けします! コミュニティでメンバーが行動するとき、何らかのモチベーションが働いています。運営者がメンバーに直接声をかけたり先頭を切って行動してもなかなかメンバーがアクションしないケースがコミュニティではよくあります。それはもしかしたらモチベーションの欠如が原因かもしれません。 今回の研究では、そんなモチベーションを高める要素を明らかにし、コミュニティでアク

コミュニティメンバーを欲求タイプで5つに分類!適切なアクションで活性化しよう

コミュニティはとても複雑な存在です。コミュニティメンバーがそれぞれ異なる欲求を持ち込んでいるというのがその理由の1つです。そのため、紋切り型の対応をしていては、一部のメンバーの欲求は満たせても他のメンバーの欲求を蔑ろにしてしまうことになってしまいます。 以前の研究成果「人がコミュニティに所属する欲求は「自分と他者」軸と「BeingとDoing」軸で整理できる」では、コミュニティに所属する欲求を9つに分類してみました。今回はこの研究成果を足がかりにして、メンバーの欲求タイプを

コミュニティメンバーを集める打ち手28選!

コミュニティを始めてみたい!という声がコミューンコミュニティラボにもたくさん届きます。でも、ある不安によって二の足を踏むケースも多いことが分かってきました。 その不安は「コミュニティにメンバーが集まるか?」というものです。プロダクトやサービスのコミュニティなら「ファンがいるのか?」、プロジェクト型のコミュニティなら「賛同者がいるのか?」、地域コミュニティなら「同じ温度感の人がいるのか?」といった不安に言い換えることができるでしょう。 確かに、コミュニティをスタートしたとき

「主役の移り変わり」がコミュニティ成長のカギ。データ分析で明らかに!

2024年3月から本格始動するコミューンコミュニティラボ。コミュニティの現在地をリサーチし未来像を描いて発信していきます(プレスリリース)。今回は始動前にちょっとお伝えしたい研究成果が出たのでnoteのカタチでお届け!コミュニティの面白さや可能性を感じながらお読みいただけたら嬉しいです。 熱量の維持でコミュニティは成長するコミュニティを立ち上げること自体はそこまで難しくありません。誰かが宣言したりツールを使ってコミュニケーションの場を用意すれば一応スタート地点に立つことがで

38歳フリーランスが8年ぶりに会社員に戻ることに決めた理由はマーブルチョコ

そんなことを拙著『ライフピボット』でも書きました。そんな著者自身にとっても、今回のライフピボット(人生の転換)は驚きでした。一生のうちに何度もないこの感覚とそのいきさつを残しておこうと思い、徒然と書き始めています。 わたしなりの思考を言語化することで、これからピボットする人の役に立つ文章になれば嬉しいです。また、そうならなくても38歳のフリーランスのドキュメンタリーとして読んでみてください! 黒田、フリーランスやめるってよまず明言しなくちゃいけないのは、わたしが3月からフ

「何者かになりたい」について ~ 指向性劣等感と拡散性劣等感 ~

前職でキャリアコンサルタントをしていたときから「何者かになりたい」という言葉を何度となく聞いてきた。 何者かになりたいと思ったことのない私は共感できずに「そういうふうに思う人もいるんだな」と流して生きてきた。 でも、以前にも増して、何者かになりたいワナビーなことばを聞くようになり、そろそろちゃんと向き合ってみようと思ってこの文章を書き始めた。 なぜ、何者かになりたいのか?書きながら自分なりに考えて、それから色んな人と話をしてみたいと思う。だから、的はずれな部分は指摘して

フリーランスにとってのマーケティング的な思考の罠

フリーランス8年目になって自覚しているのが、「今の自分が評価されやすいゾーン」を無意識に探しちゃうクセがあること。 マーケティングとしては正しいから仕事はうまくいくっちゃいくんですが、そういうコンフォートゾーンの内側に留まり続けると変化しないし飽きちゃうし、人の繋がりも閉じていきやすい。 ときおり、そういうマーケティング的発想を手放して「今の自分では評価されないゾーン」「初心者や初学者になれるゾーン」に身を置いて遊んだり実験したりしないと、自分の可塑性や身軽さが失われてい

「この人とは5年後に一緒に仕事をするかもしれない」という妄想の効果

毎日のアポイントはyentaやbosyuでのマッチング、サイトからの問い合わせ、人からの紹介で埋まっていくのですが、どんな人に会うかは事前にあまり絞り込まないようにしています。 そのおかげで多種多様な方に会えています。そんな話をあるイベントのゲストとして話したあとに、参加者の一人からこんな質問を向けられたことがありました。 「会っても何にもならない人っていないんですか?」 そういうふうに考えたこともなかったなと思って興味深かったのを覚えています。 オンラインでもオフラ

コミュニティ運営タスクリストを公開します!自由にご利用ください。

コミュニティの運営は手間がかかります。だからこそ、コミュニティマネージャーやコミュニティオーナーと呼ばれる人たちは、タスクリスト化しておいてそれを根気強く続ける必要があります。 コミュニティの目的やフェーズによってタスクリストは変わりますが、最低限これだけやっておけば少なくともコミュニティとして成立する、という「コミュニティ運営の最大公約数」みたいなものをご紹介したいと思います。 どれも、議論メシというコミュニティを2年9ヶ月やってきた実績に基づいているので、効果は実証済