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川のない側
駅を境にして、川のある側が栄えるのだと聞いたことがある。もう三十年も前の話だ。
「きみは、どっちの側に住んでいたの?」
彼女が聞いた。
「川のないほう」
ぼくが答えると彼女はうむ、とうなずいた。
「私もそうだよ」
そして、こう言った。
「栄えていないけど、自然はたくさんあった」
今度はぼくが、うむ、と言った。
「悪くない」
そう。悪くない。
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![ちゃんぽんビート by あふろざむらい](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/11342186/profile_075ba188f5667f98747d6af97f4de686.jpg?width=600&crop=1:1,smart)
駅を境にして、川のある側が栄えるのだと聞いたことがある。もう三十年も前の話だ。
「きみは、どっちの側に住んでいたの?」
彼女が聞いた。
「川のないほう」
ぼくが答えると彼女はうむ、とうなずいた。
「私もそうだよ」
そして、こう言った。
「栄えていないけど、自然はたくさんあった」
今度はぼくが、うむ、と言った。
「悪くない」
そう。悪くない。