ハイデガー「存在と時間2」(1927年)
いよいよ本編に入った。
現存在というのは、人間のことだ。
つまり本書は人間についての考察。生物としての人間ではなく「私」や「あなた」のことだろう。
まずは問いをはじめるにあたって、言葉の定義を延々と続けている。このあたりはイーロン・マスクが「なにかをはじめるときに、根本原理から考える」というのと似ている。
ハイデガーが考察をはじめるまで、人間の定義は「神と人間」の関係において語られてきた。そこでは、人間は眼前存在の意味で把握されてきた。
今でこそ、人間は思考するものであると誰もが知っている。しかし、思考そのものについては規定されていなかった。人間はただの生物として認識されていたのだろうか。
丁寧な解説を読んでもわからないことばかり。それでも読んでいると自分の思考の幅が広がっていく気がする。哲学者たちが考えていたことを体験して、自分も少しは考える力がつくかもしれない。
そんなことを期待しながら、存在と時間をめぐる旅を歩み続けていく。
最近気がついたのだが、「存在と時間」と言いつつ、時間についての話がまだ出てこない。どうやら先は本当に長いようだ。
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