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バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)

ハイセンスな映画。マイケル・キートンはいい顔になったな。

昔、バードマン役でブロックバスタームービーに主演していた俳優をマイケル・キートンが演じる。彼がブロードウェイに出演し舞台を作り上げるまでの苦労を描く。
誰もがマイケル・キートンとバットマンの関係を思い浮かべるだろう。
マイケル・キートンは一時期見かけないと思っていたら、最近になってようやくいろいろな作品で見かけるようになった。この映画で描かれているような日々があったのかもしれない。
俳優のキャリアにおいてイメージを作られてしまうと俳優はずっとそれに付きまとわれる。

なお、作中でのキートンは、中二病で、バードマンの幻影と会話したり、超能力を使ったりする。

マイケル・キートンは、芝居に情熱を傾けており、自分の復活をこの舞台に賭けている。しかしブロードウェイの役者たちは彼のことを認めていない。ハリウッドスターに芝居のことが理解できるわけがない、というわけだ。

監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥも、ハリウッドではよそ者なのかもしれない。もともとメキシコの映画監督だったわけで、そんな彼がアメリカで「21g」を撮ったとき、疎外感を感じたのかもしれない。

つまり、この映画は現実とリンクした偽物の、作り物の世界。ブロードウェイの舞台と同じなのだ。そもそも映画だって虚構の世界だ。
虚構に取り憑かれた人間たち。しかし、われわれも同じではないだろうか。自分の作り出した虚構にとらわれているのだ。他人事のように、マイケル・キートンは大変だったろうなあ、なんて言っている場合ではないのだ。

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