『現代短歌新聞』2022年12月号
①「インタビュー長谷川琳氏に聞く」現代短歌社賞受賞おめでとうございます!〈短歌は去年の受賞作よりよかったら受賞できるってものではなくて、年ごとに、賞ごとに、選考の文脈が変わりますよね。だから、その文脈を解析して仮想敵をつくったところで、あんまり意味がない。文脈自体をたぐり寄せるようなレベルを目指さんといけんなって。〉
〈自分を見つめ直して、自分をもっと出していかなきゃいけん、どういう表現をしたいんかを一から考えんといけんっていうフェーズに最後は行きつきました。〉
選考の文脈をたぐり寄せるレベルを目指す、すごい。早く歌集が読みたい。
②小塩卓哉「短歌文法道場」主格の「が」について。
一つは調べを美しくするため濁音を避ける。他の語でもよく聞く。
〈もう一つは、主格の「が」が、一般に用いられ始めるのは中世からであり、王朝和歌には、原則「が」の主格の用法はなく、歌ことばとは言えないからです。〉これは知らなかった。古語と言っても平安時代なのか中世なのかとか厳密に区別するには知識が要る。
〈しかし、明治以降言文一致運動が進み、主格の「が」を主語に接続することが当たり前になると、次第に近代歌人も、折々に主格の「が」を用いるようになったのです。〉ポイントは近代ということか。
③外塚喬「短歌レッスン」姿見は奥行き失い立てるのみ 子らが遠くへ行きたる日より 前田康子〈子どもたちは日々、姿見の前に立って身支度をしていたのでしょう。「奥行き失い」には、遣る瀬無い気持ちが出ています。〉今月の外塚の選歌も評もとても良かった。温かい感じ。
2022.12.21.~22.Twitterより編集再掲