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『短歌往来』2022年5月号

雨後の苑露けき百の紫陽花が地に滴らす千の滴を 三井修 調べの美しい歌。百、千の数詞が適切で、風景に広がりが感じられる。「露けき」という形容詞が雨後の紫陽花を生き生きと見せてくれる。 

②恩田英明「玉城徹を読む」恩田は玉城の著書から次を引いている。

「現実の経験に根拠を置くことは、言うまでもないが、現実を現実のままに伝えても致し方がない。もっと大きな世界への通路が用意されていなければならない。」

これを受けて恩田は〈その実践が短歌作品の形で残っているのは嬉しいことだ。〉と述べる。「現実をどう扱うか」問題。これは簡単に結論が出ることでは無いが、玉城の作品もその観点で読んでみたいと思った。

2022.6.5.Twitterより編集再掲