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あの時英語でこう言いたかった~家での読書習慣を先生に伝えるときに使えるかな?

私の専門は音楽教育でしたが、今は子どもの読解力や理解力向上のための研究を勝手に自宅でやっています(笑)

今、息子と一緒に『ロバを売りに行く親子』の話を英語で読んでいます。彼の音読は、問題無さそうです。しかし、理解力は・・・・


(最初に。これは単なる本読みでは無く、息子の単語の理解を補完する物であり、日本語の曖昧な表現や、登場人物の心情をつかむものだと考えています。そのため、あえて何度も何度も繰り返しながら質問をしています。)

『ロバを売りに行く親子』

最初のシーンで、ロバは手押し車に乗せられて、移動しています。農夫がその手押し車を押して歩いていますが、農夫は疲れて市場までたどり着けません。

なぜ、ロバは手押し車に乗っていたのか。

まず、ここでしばらく話を止めました。

息子はあっさりと「疲れていたから」と答え、私は愕然としましたが「これこそが勉強だ!」と思い、落ち着いて話を進めることとしました。

ロバという生き物は、人間の世界で何をするために飼われているのか?

ロバとは

まず、ここではロバという生き物の人間界での役割を知っておかなければ、話が始まりません。

答えを教えるのは本意ではありませんでしたが、「ロバは家畜の一種でね、荷物を引っ張って運んだりする仕事をするために飼われていたんだよ」と教えました。

荷物を引っ張るはずのロバが手押し車に乗っていて、本来ロバを使う側の農夫がロバの乗った手押し車を押していることについてどう思う?

まだまだ語彙に偏りのある子どもなので(ゲームについては詳しい)、答えは『おかしい』程度でしたが、「そうだねぇ~、あべこべだねぇ。逆だねぇ。」等と、違った表現の言葉を紹介しながら話しました。

そのうち農夫は、Blacksmithに会いました。この人はくせ者です(笑)

鍛冶屋(Blacksmith)とは

Blacksmithは、鍛冶屋です・・・と聞けばピンときますよね?

Blacksmithは農夫に言いました。
「お前がロバの仕事をしているのなら、お前の蹄鉄を作ってやるぞ!?」と言いました。

だいたいこんな感じで話していたと・・・・

ほらきた。こういう知識が無いとわかりにくい話。息子は言葉を言葉通り受け取っていました。

そこで私は聞きました。

蹄鉄って分かる?馬の足の下に付いている金属のU字状の輪っかだよ。(
ロバにもあったんですね)
なぜ、鍛冶屋は『農夫に蹄鉄がいるか?』と聞いたんだと思う?

『なぜなら、農夫がロバの仕事をしているように見えたから』みたいな答えにたどり着くまでに、どれほど時間がかかったことか。

そして、農夫はロバを手押し車からおろして、自分がロバに乗ります。

次に出会ったのは女性達。彼女たちは、口をそろえて言います。

お前のような大の大人がロバに乗って、かわいそうな少年が後ろを走って行くなんて!恥を知れ!

会う人会う人から「何て酷い男だ!」と言われた農夫は困り果てます。そしてかぶっていた帽子をとり「mopped his brow」します。

なぜ困り果てたのでしょう?
そして、このmopped his browとは?

mopped his browはおそらく、「額の汗をぬぐう」ということだと思いますが、それが「困り果てた」とつながらなければなりません。

『人が困ったときは、汗が出る』等の表現は、とてもよく使われます。そのことを知っておかなければ、単なる「暑いんだな」だけで終わってしまいます。


本読みの奥深さ

こういうことを勉強していると、本読みの奥深さが益々よくわかります。

もし、音読で本を読んでいるだけでよしとしていたら、息子は鍛冶屋の揶揄も困り果てて汗をぬぐうことも知らずに大きくなっていたことでしょう。そして、いつまでも「汗にはいろいろ意味がある」事を知らずに生活していたことでしょう。一方で、いつも何度でも質問していたら、子どもは本を読むことが嫌いになるでしょう・・・ジレンマです。

ロバやBlacksmithのように何の変哲も無いものに隠された背景?意味があることに気づくまでが、私にとっては大変な部分です。しかし、こういうことを伝えることが、少し大きくなった子との本読みでは大事な事なのかも知れないと思っています。

やっぱり、色んな人の感情が含まれていない・・・と言う点で、本読みは図鑑じゃダメですねぇ~。


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