はたらく、生きるってこういうこと
「ペレのあたらしいふく」(エルサ・ベスコフ)という絵本、大好きです。
これには、労働の基本が書かれていると思います。
ペレが、おばあちゃんに「この糸を紡いで欲しい」とお願いすると、おばあちゃんは、「ああいいとも。その間、お前が庭の仕事を私の代わりにしてくれるなら、糸を紡いであげるよ」と答えます。
「ああいいよ」とペレの頼みごとをお婆ちゃんがただ引き受けておしまいではなく、その頼みごとを受ける代わりに、ペレに仕事をしてもらう。
そうしなければ、「一方的な負担」になってしまう。
誰にでも、自分の生活がある。
その時間を裂いて何かをしてもらうには、その分を自分が代わりに引き受けるべきである。
ペレがおばあさんに代わって庭仕事をすることで、おばあさんがペレのために糸を紡ぐ時間をあけることができる。これなら負担にならない。
これをしないと、おばあさんはどこかに無理をすることになる。
対等・支え合いを心がけると、しんどくなくなる…ペレのお婆さんは、ペレにその大切さを教えているのだと思いました。
ペレの洋服ができるまで、こうしてたくさんの人が自分のできることで対等に支えあって、ペレが出来上がった洋服を着て、素材をくれた羊に、ありがとうと感謝するシーンがとても好きです。
労働って、こういうものなんだと思いました。