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すぐに閉店していきますよ②


前回に続いてなぜせっかくオープンさせた飲食店が上手くいかないのか?今回は『センス』について。

◆問題点その4
『数字ばかりに気を取られ、雰囲気がイマイチ』
オーナーの方が気にするのはこれまでの経営者としての経験を活かし、徹底的な原価計算。
実際このnoteの飲食店経営の投稿を見ても原価は3割以下で、店舗の賃料は…。といったアドバイスをよく見かける。

けれど、それは皆完璧にしているはずなのだ。
オーナーは経営者として成功された方々なのだから。
そして、準備資金にも余裕がある。お皿やグラス、こだわりの備品と、内装を揃える。ここまではいい。問題はその後だ。

『センス』…全ての行動、取組みにおいてセンスがないというのは恐ろしいことだと私は中学生の頃から感じていた。笑笑
部活も同様、同じ練習をしてもセンスが良い子はぐんぐん伸びる。

飲食店においての『センスが良い』とは、お客様が入りたくなるファサードの造り、見やすいメニュー、閲覧したくなるインスタグラム、居心地のよい店内…。そして肝心のメニュー。
全てに影響してくる。

例えば、内装にお金をかけてせっかく高級感のあるお洒落な店内に設えたというのにアルバイトスタッフへ「いらっしゃいませ〜!」「お待たせしました〜!!〇〇お持ちしました〜!」と元気よく居酒屋のような声を出して接客をしろと指示をする。これは決してセンスが良いとは思わない。居心地の良さはトータルバランスが大切だと思う。センスは見た目の問題だけではないのだ。

◆問題点その5
『メニューやメニューボードが残念』

テーブルに置くメニューや、お店の外に出すメニューボードがマッキーで書いたような学級新聞みたいな仕上がりだったり、情報量が多すぎて何が書いてあるか入ってこないなど、残念な仕上がりとなっていることもある。

手書きの良さもあると思うが、田舎道のドライブインや、創業〇年みたいな古き良きお店は別として、今どきのオシャレなカフェなんかでこの手のPOPを使用していると一気に冷める。
一方シンプルにサラッと手書きで書いてあるオシャレなカフェもある。この微妙な違いがまさしく『センス』の善し悪しなのだと思う。

また、集客に重要な役割をもつインスタグラムに載せる写真もノーマルカメラで撮った暗い写真では残念。今はせっかく良い加工アプリなんかもあって、実物とかけ離れるのはいけないが、せめて明るさを上げてプロが撮った写真に少しでも近づける努力をしたいものだ。
lemon8🍋などのアプリを使って投稿を共有すれば、簡単に写真の加工からデザイン、見出しにタグ付けなどがオシャレに完成するし宣伝にもなる。
私も立派にグルメポテンシャルクリエイターに選ばれた。世の中の女性がどんなことに興味を持ち、どんな感じだと好評なのかといった学びにもなる。結構意外なものの閲覧数が伸びたりするものだ。

◆問題点その6
『出てくる料理やタイミングが微妙』

味については人それぞれ味覚が異なるため、一概に美味しい、不味いとは判断できないが、彩りや盛り付けはこだわりたい。

なんだか高校時代のお弁当のように全体的に茶色かったり(ご飯が美味しく進むのは間違いないが)笑
お肉のソースなどが付け合せの野菜にビダビダに付いてしまったり、お皿のフチに親指の指紋がバッチリ付いてたり✌️そんな時非常にガッカリする。セットサラダのドレッシングかけすぎ問題もある。しょっぱくて野菜の味など分からない。

提供のタイミングにしても、同じグループで1人だけオムライスなんかが早く出てきて、パスタが後から遅れて出てくる。
待っていたらせっかくの玉子は冷めるし、気持ちも冷める。
これも料理長やキッチンスタッフのさじ加減、つまり『センス』である。

これらは全て人の五感の問題。心地よいか?よくないか?飲食店はお客様の五感を満足させて評価を得る。視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚。
こればかりは数字では表せない。全ての人の五感を満足させることは難しいが、多くの人が心地よいと感じる範囲の中でパフォーマンスをする必要があるだろう。

開店準備期間、数字に囚われたり、味にこだわり過ぎて提供までのシュミレーションができておらず、美味しいけれど出すまでにすごく時間を要したり、または、ドリンクを一定量に統一するべく毎回スケールに乗せて測るというオペレーションを取り入れてみたり、盛付けに相当時間のかかる映えバフェをメニューに取り入れたり…。
飲食店は薄利多売。回転数が勝負だが、せっかく混んでも回せないのは本当に勿体ないことである。理想を追い求めがちだが、ピークを想定して準備を進める必要がある。

以上、今回は『センス』をテーマに書いてみた。
次回はいよいよ家族、取り巻きの登場である。


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